左から藤沢彰博、鈴木博昭、内藤のび太 Photo(C)ONE Championship

 2019年11月8日(金・現地時間)フィリピン・マニラのモール・オブ・アジア・アリーナで開催される『ONE: MASTERS OF FATE』の対戦カードが発表された。

 日本からは内藤のび太鈴木博昭藤沢彰博の3選手が出場。のび太はポンシリ・ミートサティート(タイ)とMMA(総合格闘技)ルールのフライ級ワンマッチ、鈴木はトゥカタトーン・ペットパヤタイ(タイ)とムエタイルールのバンタム級ワンマッチ、藤沢はキム・キュソン(韓国)とMMAルールのフライ級ワンマッチで、それぞれ対戦する。

 のび太(本名は内藤禎貴[よしたか])は修斗世界フライ級王座とONE世界ストロー級王座を獲得した実績の持ち主。寝技を得意とし、相手の足に懸命にしがみついて執拗にテイクダウンを狙う“謝罪タックル”という必殺技、さらには豊富なスタミナと粘り強さも持ち合わせている。

 昨年5月のONE世界ストロー級タイトルマッチで、アレックス・シウバ(ブラジル)から判定勝ちでベルトを奪還。しかし、それから4カ月後の初防衛戦で、ジョシュア・パシオ(フィリピン)に判定負けし、2度目の王座陥落となった。今年3月の試合でもレネ・カタラン(フィリピン)にTKO負けしたが、5月に因縁の相手シウバとの3度目の対決で判定勝ちし、連敗脱出に成功している。

 対するポンシリは昨年7月にパシオに一本負けし、キャリア10戦目にして初黒星を喫すると、その4カ月後には元GRACHANフライ級王者・鈴木隼人(日本)にも一本負け。今年5月の試合ではKO勝ちしたが、8月の試合では判定負けしており、正念場となっている。

 鈴木はシュートボクシング(SB)世界スーパーライト級王者の実績を持ち、筋骨隆々の肉体から繰り出す強打から、ついた異名は“全身凶器の怪物くん”。昨年11月からONEに参戦し、いきなり2連勝をあげると、今年5月にはあのノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)のONEムエタイ世界バンタム級王座に挑戦したが、判定負けとなった。

 ONE参戦を前にSB世界スーパーライト級王座を返上し、SB協会も退会していたが、9月28日に『SHOOT BOXING 2019 act.4』が開催されていた後楽園ホールのリングに登場し、SB協会への復帰を明らかにしている。

 対戦相手のトゥカタトーンは242勝33敗2分という戦績を持つムエタイの猛者。鈴木の挑戦を受けたノンオーとはEvolve MMAの同門になる。

 藤沢は昨年3月にONEへの登竜門『One Warrior Series』で勝利をあげて契約をつかみ取り、その翌月に39歳で本大会デビュー。いきなり2連勝したが、今年4月の試合で一本負けし、これがプロ7戦目にして初黒星となった。さらに7月の試合でも一本負けしており、40歳で迎える今大会で連敗から脱出したいところ。

 対戦相手のキュソンは韓国の『TOP FC』を主戦場としながら、愛知の『HEAT』にも出場したことがある選手。今年5月にONE初参戦を果たしたが、ジェヘ・ユスターキオ(フィリピン)に判定負けとなり、今大会では初勝利を目指す。

 大会メインイベントはMMAルールのONE世界ストロー級タイトルマッチ。今年4月に猿田洋祐(日本)からKO勝ちでベルトを取り返し、王座に返り咲いたジョシュア・パシオ(フィリピン)が、のび太をKOした先述のカタランを挑戦者に迎え、初防衛戦に臨む。フィリピン人対決が地元の観衆を盛り上げるだろう。

 また、ONEキックボクシング&ムエタイ世界女子アトム級王者スタンプ・フェアテックス(タイ)も出場。ビー・ニューイェン(アメリカ)とMMAルールの女子アトム級ワンマッチで対戦する。

 スタンプはキックボクシング、ムエタイ、MMAのいわゆる三刀流だが、立ち技の豊富な経験と実績に比べると、MMAは2戦2勝(1KO・TKO/1SUB)とまだこれから。一方、ニューイェンはMMAで5勝(1KO・TKO)4敗の戦績を持ち、アメリカの『KOTC』を主戦場としていた時期もあった。スタンプにとってはキャリアで勝るニューイェン相手に、試練の一戦となる。

 このほか、元ONE世界ライト級王者エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)とDEEP出場経験を持つツォゴーフ・アマルサナー(モンゴル)による、MMAルールのライト級ワンマッチなど、7カードも合わせて発表されている。