チャンドラー(左)とヘンダーソン(右)。
3年ぶりの再戦を日本で迎える。
Photos(C)Bellator

 2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催されるBellator史上初の日本大会『Bellator JAPAN』の追加カードが発表された。

 すでにメインイベントとして、エメリヤーエンコ・ヒョードル(43=ロシア)vsクイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(41=アメリカ)のヘビー級ワンマッチが決まっているのは既報の通り。

 今回新たに組まれたのは、元Bellator世界ライト級王者マイケル・チャンドラー(33=アメリカ)vs元UFC世界同級王者ベンソン・ヘンダーソン(35=アメリカ)のビッグマッチだ。試合は160ポンド(72.57キロ)契約のワンマッチとなる。

 チャンドラーはレスリングでオールアメリカンに選出されるなど活躍し、2009年に総合格闘家としてプロデビュー。プロ4戦目となる2010年9月の『Bellator 31』から25戦目の今大会までをBellator一筋で過ごし、3度の王座獲得と3度の王座陥落も味わってきたという、まさに“Mr. Bellator”と言える存在だ。

 対するヘンダーソンはテコンドーと柔術の黒帯を持ち、レスリングも経験して2006年に総合格闘家としてプロデビュー。これまでに36戦を戦い、WECとUFCで1度ずつ王座獲得、Bellatorでも2度のタイトルマッチを経験している。立って良し、寝て良し、組んで良し。まさにオールラウンドで戦える、世界屈指の実力者だ。

 この両者は3年前、2016年11月の『Bellator 165』で王座を懸けて一度対戦している(試合の模様を下のスライドショーでご覧いただけます)。

 その時はチャンドラーが1Rに豪快スープレックスを見舞うなど、前半戦はテイクダウンからチョークやパウンドで手数を落とさず攻め込んだが、後半戦はヘンダーソンも得意の蹴り技を中心とした打撃で対抗し、グラウンドでも白熱の攻防を展開。両者譲らずの激闘はスプリット判定で、チャンドラーに軍配が上がることとなった。

 チャンドラーは同年6月の『Bellator 157』で、パトリッキー・フレイレ(ブラジル)とBellator世界ライト級王座決定戦を争い、1RKO勝ちで2度目の戴冠を果たしており、ヘンダーソンとの試合は王座返り咲き後の初防衛戦だった。

 一方、ヘンダーソンにとっては、大きな話題を呼んだUFCからBellatorへの移籍後、3戦目にして迎える2度目のタイトルマッチ。移籍初戦となった2016年4月の『Bellator 153』では、アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)のBellator世界ウェルター級王座に挑戦し、判定負けでベルトを逃していた。

 その前回の初対決から3年。チャンドラーは昨年12月の『Bellator 212』で、2度目の王座陥落を味わわされた因縁の相手ブレント・プリムス(アメリカ)に判定勝ちし、ベルトを奪還したが、今年5月の『Bellator 221』では、パトリシオ・ピットブル(ブラジル)に1RTKO負けを喫し、初防衛に失敗するとともに3度目の王座陥落という苦杯をなめている。

 ヘンダーソンもチャンドラーに敗れてから10カ月後、2017年9月の『Bellator 183』でフレイレにまたもスプリット判定負けという苦い経験もしたが、その後は4連勝と新天地でも安定した戦いぶりをみせるようになっている。

 また、ヘンダーソンは日本、さいたまスーパーアリーナという場所に良い思い出もある。2012年2月に同所で開催された『UFC 144』で、フランク・エドガー(アメリカ)に判定勝ちし、UFC世界ライト級王座の初戴冠を果たしているのだ。 

 酸いも甘いも知る元世界王者たちの再戦が、本国ではなく、記念すべきBellator史上初の日本大会で組まれたということ。楽しみであるのと同時に、今後の追加カードにもさらなる期待が高まってきた。

【関連記事】
初の日本大会『Bellator JAPAN』開催決定! メインはヒョードルvsランペイジ 12.29さいたまスーパーアリーナ