2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『Bellator JAPAN』の出場選手インタビューが、27日(金)都内で実施された。
コーメインイベント・第5試合の160ポンド(72.5kg)契約ワンマッチで対戦する2選手、元Bellator世界ライト級王者マイケル・チャンドラー(33=アメリカ)とシドニー・アウトロー(27=同)のコメントだ。
■マイケル・チャンドラー
レスリングでオールアメリカンに選出されるなど活躍し、2009年に総合格闘家としてプロデビュー。プロ4戦目となる2010年9月の『Bellator 31』から25戦目の今大会までをBellator一筋で過ごし、3度の王座獲得と3度の王座陥落も味わってきたという、まさに“Mr. Bellator”と言える存在だ。
前戦は今年5月の『Bellator 221』で3度目の初防衛戦を戦い、1階級下のフェザー級王者でもあるパトリシオ・ピットブル(ブラジル)に1R61秒TKO負け、すなわち3度目の王座陥落となった。団体の看板ファイターが初進出の日本で再起を図る。通算戦績は19勝5敗(7KO・TKO/7SUB)。
Q. 現在の心境は?
チャンドラー「とてもワクワクしている。おそらく今は自分にとってキャリアの頂点と言っても良い。アメリカではMSGとかLAとか、マーケットも含め最大規模の会場で戦ってきた。そして今回こうして東京で戦えることになった。
実は数カ月前にチームメイトのセコンドとして帯同していたんだ。町、人、文化、全てが好きだよ。そして、さいたまスーパーアリーナで戦えるということ。多くのチャンピオンをはじめ、このスポーツにとって様々なものが生み出されてきた場所だ。夢が叶った。待ちきれないね」
Q. 日本で試合をすることについてどう感じていますか?
チャンドラー「日本で戦うのは初めてだ。この国にはMMAを含め格闘技の伝統が根付いている。そういった意味でも日本で戦えること、日本の観衆の前で戦えることに楽しみにしている。以前に郷野と戦ったことも日本に敬意を抱く理由の一つと言える(2012年5月の『Bellator 67』で郷野聡寛と対戦し、チャンドラーが1R56秒TKO勝ち)」
Q. 対戦相手の変更についてはどう思っていますか?(当初対戦が決まっていた元UFC世界ライト級王者ベンソン・ヘンダーソンが負傷欠場)
チャンドラー「自分のキャリアにおいて対戦相手が代わることは数えきれないほどあった。常に備えておかなくてはならない。どんな相手に対して戦えるように鍛錬することをコーチからも言われている。ヘンダーソン戦に向けてサウスポー対策をしていたところから、今はオーソドックスの相手に対する準備だ。
どんなスタイルであれ、どんなマッチアップであれ、この階級のどんな相手であれ、対応できることを示したい。そのうえでアウトローには感謝している。彼が代役を務めてくるおかげで、自分は今こうして日本にいることができるのだから。自信を持って試合に臨み、素晴らしいショーをお見せしたい」
Q. 3度王座に就いて3度王座から陥落することを経験。日本のファンの間でも“Mr. Bellator”と認識されていることについてどう感じていますか?
チャンドラー「それは良いね。自分のキャリアにおいては幾度となくBellatorと共に進むことを選択してきた。自分は自分が成し遂げてきたことを誇りに思うし、団体にも貢献してきたと自負できる。団体がスタートしたのが2008年。自分はその2年後に契約し、初期の頃のメインステージに立つことになった。
タイトルを失えば、それがまた次のタイトルへと繋がっていった。自分が負ければ、またリベンジを目指した。俺はただ、それぞれのターニングポイントで自分にとってベストな選択をしてきたんだ。長い間、Bellatorで戦ってきた。日本でもそう捉えてもらえているなら誇りに思う」
Q. 目の前の試合についてはどのような結果にしたいと思いますか?
チャンドラー「皆も知っていると思うけれど、自分は試合の時は最初から全開だ。ファンのためにそうした試合を見せたいと思ってきた。ここ数試合はもう少し組み立てたり、落ち着き払ったり、ベテランらしく戦ったりもしていた。
相手はグラウンドで戦いたいと思うが、その前に自分のコンビネーションで決めるのが理想だ。結果はどうなるか分からないが、ベストシナリオは1R後半でフィニッシュすることだと思う」
■シドニー・アウトロー
総合格闘家としてのプロデビューは2010年。出場回数で見ればRing of Combatが一番多いが、他にもWSOF、Titan FC、CFFC(Cage Fury Fighting Championships)など様々な団体を渡り歩いてきた。Bellator初参戦は意外にも早く、2014年5月の『Bellator 118』で、ことの時はマイク・バノン(アメリカ)という選手に判定勝ち。
それから5年の時を経て、今年11月の『Bellator 234』で2度目の参戦を果たし、UFC経験者のロジャー・フエルタ(同)を相手に判定勝ちしている。今大会には負傷欠場となった元UFC世界ライト級王者ベンソン・ヘンダーソン(アメリカ)に代わっての出場だ。通算戦績は14勝3敗(1KO・TKO/7SUB)。
Q. 現在の心境は?日本で試合をすることについてどう感じていますか?
アウトロー「素晴らしい気分。日本に来れたことを嬉しく思うし、好きなことだらけだよ。エネルギーを感じるんだ。子どもの頃によくPRIDEを見てたからね。それが生まれた場所にいる訳だから」
Q. アウトローという名前の由来は何ですか?
アウトロー「自分はフィラデルフィア生まれなんだけれど、父親が本当にアウトローという名字なんだ。嘘じゃないよ(笑)」
Q. PRIDEで好きだった選手は誰ですか?
アウトロー「一番最初に気に入ったのはランペイジだよ。あとはキング・モーやダン・ヘンダーソンだ」
Q. 対戦相手の印象は?
アウトロー「今までの試合でもそうだったように、対戦相手のことは常にリスペクトしてきた。同じタイプ、同じ空気を吸っているような選手だと思う。自分としてはシドニー・アウトロー、自分らしく戦いたいと思っている」