元Bellator王者マイケル・チャンドラー(左)と元UFC王者ベンソン・ヘンダーソン(右)の再戦がシカゴで実現することになった Photos(C)Bellator

 2020年6月6日(土・現地時間)『Bellator 244』がアメリカ・イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナで開催されることが決まった。

 同州ローズモントでの大会は昨年も開催していたBellatorだが、大都市シカゴを開催地とするのは2010年8月の『Bellator 25』以来、約10年ぶりとなる。

 そして、大会のメインイベントとコ・メインイベントも明らかになった。

 メインイベントは、元Bellator世界ライト級王者マイケル・チャンドラー(33=アメリカ)vs元UFC世界同級王者ベンソン・ヘンダーソン(36=同)の同級ワンマッチ、そしてコ・メインイベントは、元Bellator世界バンタム級王者ダリオン・コールドウェル(32=同)vsAJ・マッキー(24=同)のBellatorフェザー級ワールドグランプリ・準決勝だ。

2016年11月の初対決では、チャンドラーが豪快スープレックスでヘンダーソンを投げた

 まずは、チャンドラーvsヘンダーソンのライト級ワンマッチについて。これは当初、昨年末の『Bellator JAPAN』(Bellator 237)で実現するはずであったが、ヘンダーソンの負傷欠場により流れてしまったファン待望のカードだ。

 両者が拳を交えるのはこれが3年7カ月ぶり2度目。初対決は2016年11月の『Bellator 165』で、Bellator世界ライト級タイトルマッチとして行われ、両者譲らずの激闘を繰り広げたが、結果はスプリット判定でチャンドラーに軍配が上がり、王者の初防衛成功となった。

 チャンドラーはレスリングでオールアメリカンに選出されるなど活躍し、2009年8月に総合格闘家としてプロデビュー。キャリア4戦目となる2010年9月の『Bellator 31』から26戦目の今大会までをBellator一筋で過ごし、3度の王座獲得と3度の王座陥落を味わってきた、まさに“Mr. Bellator”と言える存在だ。

 昨年5月の『Bellator 221』でパトリシオ・“ピットブル”・フレイレ(ブラジル)に1RTKO負けを喫し、初防衛に失敗する共に3度目の王座陥落。そこからの再起の舞台が『Bellator JAPAN』となり、ヘンダーソンの代役を務めたシドニー・アウトロー(アメリカ)に1RKO勝ちを収めた(試合レポートはこちら)。通算戦績を20勝5敗(8KO・TKO/7SUB)としている。

ヘンダーソンは得意の蹴りでチャンドラーに反撃

 対するヘンダーソンはテコンドーと柔術の黒帯を持ち、レスリングも経験して2006年11月に総合格闘家としてプロデビュー。これまでに36戦を戦い、WECとUFCで1度ずつ王座獲得、Bellatorでも2度のタイトルマッチを経験している。立って良し、寝て良し、組んで良し。まさにオールラウンドで戦える、世界屈指の実力者だ。

 チャンドラーに敗れてから、2017年9月の『Bellator 183』でもパトリッキー・“ピットブル”・フレイレ(ブラジル)にスプリット判定負けし、2連敗となったが、そこから一気に4連勝して復活。前回の試合は昨年9月の『Bellator 227』で、元UFCのマイルズ・ジュリー(アメリカ)に判定勝ちしている。通算戦績は28勝8敗(3KO・TKO/11SUB)だ。

 チャンドラーが元UFC王者を返り討ちにするか。それとも、ヘンダーソンが元Bellator王者にリベンジするか。待ちに待った再戦を制すのは果たしてどちらか。

元Bellator世界バンタム級王者のコールドウェル(左)とプロデビュー16連勝中のマッキー(右)が、フェザー級グランプリの決勝進出を争う

 そして、コールドウェルvsマッキーのBellatorフェザー級ワールドグランプリ・準決勝について。既に対戦が決まっていた両者だが、今大会がその舞台となった。

 コールドウェルと言えば、堀口恭司を相手にRIZINのリングとBellatorのケージで、2度に渡って繰り広げられたタイトルマッチだ。

 1度目は2018年大晦日の『RIZIN.14』でRIZINバンタム級初代王座決定戦、2度目は翌年6月の『Bellator 222』でBellator世界同級タイトルマッチ(コールドウェルのV2王座防衛戦)を戦い、いずれもコールドウェルが敗戦。RIZINでは一本負け、Bellatorでは判定負けだった。

昨年6月のBellator世界バンタム級タイトルマッチでは、王者として堀口恭司(右)を迎え撃ったコールドウェル(左)だが、判定負けでリベンジ&防衛ならず

 キャリア初の2連敗を喫したうえにホームのベルトも失う。そんな失意のコールドウェルの再起の舞台となっているのが、階級を上げて臨んだ今回のフェザー級ワールドグランプリだ。

 昨年9月の『Bellator 228』で元KOTC(King of the Cage)バンタム級&フェザー級王者ヘンリー・コラレス(アメリカ)に判定勝ちし、1回戦を突破。今年1月の『Bellator 238』で準々決勝に臨むと、アダム・ボリッチ(ハンガリー)に1R一本勝ちし、準決勝進出を決めている。通算戦績は15勝3敗(2KO・TKO/6SUB)となった。

 一方、マッキーは2015年4月の『Bellator 136』でプロデビューして以来、Bellator一筋で戦い続け、通算戦績が16勝0敗(6KO・TKO/5SUB)。2018年9月の『Bellator 205』では、昨年大晦日の『RIZIN.20』で朝倉未来と対戦したジョン・マカパ(ブラジル)に、1R69秒でKO勝ちしている。

16連勝中のマッキーは立って良し寝て良しだ

 今回のトーナメントでもマッキーの勢いは止まらない。昨年9月の『Bellator 228』でジョージ・カラカニヤン(アメリカ)を1Rわずか8秒でKOし、準々決勝に進出。そして、昨年12月の『Bellator 236』でもデレク・カンポス(31=アメリカ)に3R一本勝ちし、準決勝進出を決めている(試合レポートはこちら)。

 コールドウェルが負け知らずの相手に元王者の実力を見せつけるか。それとも、マッキーがその勢いのまま元Bellator世界バンタム級王者をも飲み込むか。決勝へと駒を進めるのは果たしてどちらか。

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<発表カード>

Main Event
▼ライト級 5分3R
マイケル・チャンドラー(アメリカ)
vs
ベンソン・ヘンダーソン(アメリカ)

Co-Main Event
▼Bellatorフェザー級ワールドグランプリ 準決勝 5分5R
ダリオン・コールドウェル(アメリカ)
vs
AJ・マッキー(アメリカ)