グレゴリアン(左)とベズタティ(右)のフェイスオフ Photo(C)GLORY Sports International

 2019年10月12日(土・現地時間)ドイツ・デュッセルドルフのISSドームで開催される『GLORY 69: Dusseldorf』の前日計量が、11日(金・同)に行われた。

 今大会のメインイベントはGLORY世界ライト級タイトルマッチ。王者マラット・グレゴリアン(28=アルメニア)が同級2位ティジャニ・ベズタティ(21=モロッコ)の挑戦を受け、初防衛戦に臨む。

 計量はライト級リミットの70キロ(154ポンド)に対し、グレゴリアンが69.6キロ(153.4ポンド)、ベズタティが69.3キロ(152.8ポンド)で、ともに一発クリアー。フェイスオフでは視線を一切そらすことなく睨み合った。

 幾度となくビッグマッチを経験してきたグレゴリアンだが、挑戦者を迎え撃つ立場での試合でも、「自分の気持ちとしてはこれまでと変わらない。試合はそれぞれが別物だととらえている。今はこの試合に集中し、気持ちを高めてきた」と淡々と説明する。

 対戦相手のベズタティについては「良い選手で、この試合に相応しい相手だと思う。準備はできている」と警戒心をのぞかせるが、司会者から「彼は君を倒せるくらいの良い選手と思うか?」との問いを投げかけられると、ややむっとした表情で「ノー」と一言返し、ステージを後にした。

 一方、ベズタティはGLORY史上最年少、21歳での王座戴冠に向けて、「歴史を変える準備はできている」と意気込み、グレゴリアンについては「とても強い相手だ。でも自分はすべての試合で準備をしてきた。そして倒してきた」と攻略できる相手だと話す。

 そして最後に「試合の結果予想は?」と聞かれると、「何を聞いてるんだ?頼むぜ。もちろん、ニューチャンプ誕生だろ」と笑顔で豪語した。

 グレゴリアンはジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)やシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)とともに、ライト級で世界トップレベルと称されてきた選手。2015年7月に『K-1 WORLD GP』の-70kg王座決定トーナメントを3試合連続KO勝ちという圧倒的な強さで制覇し、日本でもその名を知らしめた。 

 その後も中国『Kunlun Fight』の世界トーナメントで優勝するなど活躍。今年5月の『GLORY 65: Utrecht』では、過去4戦4敗と唯一相性が悪いとも言えたシッティチャイから、ついに判定勝ちを飾り、GLORY世界ライト級王座を奪取した。『GLORY』には2012年10月の『GLORY 2: Brussels』から長らく参戦してきたが、これが悲願の初戴冠であった。通算戦績は61勝(35KO・TKO)11敗1分で、GLORY戦績は8勝(4KO・TKO)5敗だ。

 対するベズタティはGLORYライト級の未来を担うと称されている選手。そのルーツ、言動、ファイトスタイルからバダ・ハリと重ねられることも多く、“ワンダーボーイ”の異名を持つようになった。

 GLORYには2016年12月の『GLORY 36: Collision』から参戦。昨年5月の『GLORY 53: Lille』で一度、GLORY世界ライト級タイトルマッチを経験しているが、その時はシッティチャイに判定負けし、王座を逃している。通算戦績は19勝(6KO・TKO)3敗で、GLORY戦績は9勝(2KO・TKO)2敗。

 グレゴリアンがようやく巻いたGLORYのベルトを守り抜くか。不敵な若武者ベズタティが最年少戴冠を果たすか。試合開始のゴングを待つのみとなった。

< 全選手の計量結果 >

GLORY 69 DUSSELDORF MAIN CARD

▼メインイベント GLORY世界ライト級(154ポンド・70 キロ)タイトルマッチ 3分5R
マラット・グレゴリアン(アルメニア/GLORY世界ライト級王者)=153.4ポンド・69.6キロ
vs
ティジャニ・ベズタティ(モロッコ/GLORY世界ライト級2位/挑戦者)=152.8ポンド・69.3キロ

▼セミファイナル ヘビー級 3分3R
モハメド・アブダラ(ドイツ/GLORY世界ヘビー級7位)=259.7ポンド・117.8キロ
vs
マイケル・スモリク(ドイツ)=221.1ポンド・100.3キロ

▼ライトヘビー級(209ポンド・95キロ) 3分3R
ルイス・タヴァレス(オランダ/GLORY世界ライトヘビー級3位)=209ポンド・94.8キロ
vs
マイケル・ドゥート(オランダ/GLORY世界ライトヘビー級5位)=208.3ポンド・94.5キロ

▼ミドル級(187ポンド・85キロ) 3分3R
ユースリー・ベルガロイ(チュニジア/GLORY世界ミドル級4位)=187.2ポンド・84.9キロ
vs
アーリック・ボケメ(コンゴ)=186.7ポンド・84.7キロ

▼ウェルター級(170ポンド・77キロ) 3分3R
ディミトリ・メーンシコフ(ロシア/GLORY世界ウェルター級7位)=169.1ポンド・76.7キロ
vs
ヨアン・コンゴロ(スイス)=169.5ポンド・76.9キロ

GLORY 69 SUPERFIGHT SERIES

▼ライトヘビー級(209ポンド・95キロ) 3分3R
フェリペ・ミチェレッティ(ブラジル/GLORY世界ライトヘビー級2位)=208.3ポンド・94.5キロ
vs
ステファン・サスペラギー(フランフ/GLORY世界ライトヘビー級7位)=207.7ポンド・94.2キロ

▼ヘビー級 3分3R
トマス・モズニー(スロヴァキア/GLORY世界ヘビー級5位)=257.3ポンド・116.7キロ
vs
アントニオ・プラズィバット(クロアチア)=237.0ポンド・107.5 キロ

▼女子スーパーバンタム級(122ポンド・55.3キロ) 3分3R
クリスティ・ブレレトン(イギリス/GLORY世界女子スーパーバンタム級3位)=120.8ポンド・54.8キロ
vs
サラ・ムサダク(フランス)=121.5ポンド・55.1キロ

▼ライトヘビー級(209ポンド・95キロ) 3分3R
バーラム・ラジャブザーデ(アゼルバイジャン)=205.9ポンド・93.4キロ
vs
セルゲイ・マスロボイエフ(リトアニア)=204.4ポンド・92.7キロ

▼ウェルター級(170ポンド・77キロ) 3分3R
ダニ・トラオレ(ドイツ)=169.1ポンド・76.7キロ
vs
アリアン・サディコヴィッチ(ドイツ)=168.9ポンド・76.6キロ

GLORY 69 DUSSELDORF PRELIMINARY CARD

▼ライト級(154ポンド・70キロ) 3分3R
ヴラド・トゥイノフ(ロシア)=154.3ポンド・70.0キロ
vs
アルトゥール・サラディアク(ロシア)=153.2ポンド・69.5キロ

▼ライト級(154ポンド・70キロ) 3分3R
マサロ・グランダー(モロッコ)=153.2ポンド・69.5キロ
vs
アルビ・エミエフ(ロシア)=152.6ポンド・69.2キロ

▼フェザー級(143ポンド・65キロ) 3分3R
リヴァー・ダズ(オーストラリア)=141.5ポンド・64.2キロ
vs
アントニオ・カンポイ(スペイン)=142.6ポンド・64.7キロ

▼ミドル級(187ポンド・85キロ) 3分3R
ヤコブ・スタイベン(ドイツ)=185.4ポンド・84.1キロ
vs
ケヴィン・ヴァン・ヘークレン(オランダ/GLORY世界ミドル級9位)=186.1ポンド・84.4キロ

▼ライト級(154ポンド・70キロ) 3分3R
ヨス・ヴァン・ベルゼン(オランダ)=153.2ポンド・69.5キロ
vs
マシュー・スティーヴンズ(オーストラリア)=153.4ポンド・69.6キロ