バダ・ハリが昨年12月の敗戦から半年を経て再起戦に臨む Photos(C)GLORY Sports International

 悔し涙から2カ月。あの男が早くもリングに戻ってくることになった。

 2020年2月20日(木・現地時間)バダ・ハリ(35=モロッコ)の復帰がGLORYから発表された。

 復帰戦の舞台は、6月20日(土・同)オランダ・南ホランド州ロッテルダムのアホイ・ロッテルダムで開催される大会に決定。

 対戦相手は、2月29日(土・同)オランダ・ユトレヒト州ユトレヒトのセントラル・スタジオで開催される『GLORY 75: Utrecht』(関連記事はこちら)の中で、明らかにされる予定だ。

 また、復帰戦が行われる6.20大会がナンバーシリーズのものになるのか、ビグマッチ恒例のサブタイトルを付した別建てのものになるのかは未定となっている。

 バダは昨年12月にオランダ・ヘルダーラント州アルンヘムで開催された『GLORY: COLLISION 2』に出場し、メインイベントのGLORY世界ヘビー級タイトルマッチで王者リコ・ヴァーホーベン(30=オランダ)に挑戦。

王者リコ(左)から2度のダウンを奪ったバダ(右)

 試合は、3Rまでにバダがリコから2度のダウンを奪い、攻勢を強めていたが、追撃の上段後ろ回し蹴りを空振りさせた際に足を負傷し、試合続行不能となったため、無念の3R59秒TKO負けとなった(試合レポートはこちら)。

 この試合はバダにとって3年越しのリベンジマッチ。前回も自らの負傷により試合を続けることができず、リコにTKO負けしており、またも悪夢を見ることになったバダは試合後に大粒の涙を流していた。

 ただ、欧州キックボクシング界の二大巨頭が魅せた闘いは、この日の会場を埋め尽くした観客を大いに沸かせ、両選手の「Unfinished Business(未完の仕事)」と呼ばれる物語が今後も続くであろうという、新たな展開への期待感も生み出している。

足を痛めて立ち上がることができなくなったバダ(右)。レフェリーが試合を止め、無念のTKO負けが決まった

 バダは試合後に自身のSNSを通じ、「俺は全ての目的を実現させるために戻ってくる」とカムバックを誓っており(関連記事はこちら)、その言葉通りの復帰ということになりそうだ。

 そして、もし今回の復帰戦が何の支障もなく実現することになれば、バダが1年以上の間隔を置かずに試合に臨むのは、2015年8月の『Akhmat Fight Show』でイスマエル・ロント(オランダ)に3RTKO勝ちした時以来ということになる。

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