11月20日に開催される『Invicta FC 43』。(左から)フライ級王座を争うゴンザレスとブランチフィールド、ストロー級王座を争うダコーティーとルイーズ Photos(C)Dave Mandel/Invicta FC

 アメリカの女子総合格闘技団体「Invicta FC」は、2020年11月20日(金・現地時間)にアメリカ・カンザス州カンザスシティで『Invicta FC 43』を開催すると発表した。

 メインイベントはInvicta FCフライ級王座決定戦で、コーメインイベントは同ストロー級王座決定戦。大会は新型コロナウイルス対策として無観客で行われる。 

 ヴァネッサ・ポルト(36=ブラジル)がBellator MMAと契約したことに伴い、Invicta FCフライ級王座を返上したため、新たにパール・ゴンザレス(34=アメリカ)とエリン・ブランチフィールド(21=同)が、空位の王座を争うことになった。

 ゴンザレスは1年9カ月ぶり2度目のInvicta FCタイトルマッチ。前回は昨年2月の『Invicta FC 34』で、この時も空位の王座を巡る戦いだったが、ポルトに判定負けとなり、戴冠を逃している(※ゴンザレスの偶発的なアイポークにより、ポルトが試合続行不可能となったため、4R2分34秒時点までのスコアに基づく負傷判定で勝敗が決した)。

計量から試合までパワフルなベテランのゴンザレス(上)

 その後、同年10月の『Invicta FC 37』で再起戦に臨むと、当時6戦全勝だったブローガン・ウォーカー・サンチェス(32=グアム)相手に判定勝ち。しかし、今年2月の『Invicta FC 39』では、新鋭ミランダ・マーヴェリック(23=アメリカ)に判定負けを喫することとなった。

 この一戦は次期挑戦者決定戦と位置付けられていたが、マーヴェリックはタイトルマッチに進む前にUFC入りが決定したため、ゴンザレスに今回のチャンスが巡ってきたと見られる。

 ゴンザレスのキャリア通算戦績は10勝5敗(1KO・TKO/5SUB)で、このうちUFC戦績が2敗、Invicta戦績が4勝2敗(0KO・TKO/1SUB)。UFCをリリースされた後、Invicta FCを新天地として選択し、現在に至るというところだ。

 一方、ブランチフィールドはこれが初のタイトルマッチ。プロデビューが2018年3月という(ゴンザレスは2010年2月)、伸び盛りの若手だ。

フライ級の有望株ブランチフィールド(上)は3連勝中

 昨年2月の『Invicta FC 34』で、現UFCファイターのトレイシー・コルテス(26=アメリカ)にスプリット判定負けし、キャリア4戦目で初黒星となったが、その後は3連勝。

 特に今年2月の『Invicta FC 39』では、対戦相手のヴィクトリア・レオナルド(30=アメリカ)を見事な左ハイでダウンさせ、2R・KO勝利を掴むなどインパクトを残しており、今回の王座決定戦に若手筆頭として抜擢となった。

 ブランチフィールドのキャリア通算戦績は6勝1敗(2KO・TKO/1SUB)で、このうちInvicta戦績が4勝1敗(1KO・TKO/1SUB)。Invicta FC以外ではCage Fury Fighting Championshipsという団体で2試合を戦っている。

 ベテランのゴンザレスと若手有望株のブランチフィールド。フライ級新女王の称号を掴むのは、果たしてどちらか。

昨年11月の王座決定戦では村田夏南子(右)にスプリット判定負けだったダコーティー(左)

 コーメインイベントのストロー級王座決定戦についても同様。村田夏南子(27)がUFCと契約したのに伴い、王座を返上したため、エミリー・ダコーティー(26=アメリカ)とモンセラット・ルイーズ(27=メキシコ)が、空位の王座を懸けて対戦する。

 ダコーティーはこれがInvicta FCで迎える1年ぶり2度目のタイトルマッチ。前回は昨年11月の『Invicta FC 38』で、村田を相手に王座決定戦を戦い、スプリット判定負けでベルト獲得に失敗している。

 その後、今年7月の『Invicta FC 40』で再起戦に臨み、元UFCファイターのジュリアナ・リマ(38=ブラジル)に判定勝ち。中1戦で再びチャンスが巡ってくることになった。

 ダコーティーのキャリア通算戦績は9勝6敗(1KO・TKO/4SUB)で、このうちBellator戦績が4勝4敗(0KO・TKO/2SUB)、Invicta戦績が2勝1敗(1KO・TKO/0SUB)。

 Bellator MMAでは現在のストロー級より1階級上のフライ級で活躍。2017年11月の『Bellator 186』では、Bellator MMA初代女子フライ級王座を懸けてイリマレイ・マクファーレン(30=アメリカ)と対戦したが、5R・一本負けで初戴冠を果たすことはできなかった。新天地のInvicta FCで、今度こそ悲願達成なるか。

強打者モランジン(右)相手に臆すること無くパンチで仕掛け、勝利に繋げたルイーズ(左)

 対するルイーズはこれが初のInvicta FCタイトルマッチ。キャリアの多くを母国メキシコで戦い、2018年12月の『Invicta FC 33』で、同団体に初参戦を果たしたが、その時は元UFCファイターのダニエル・テイラー(30=アメリカ)に判定負けし、キャリア9戦目で初黒星となった。

 だが、1年7カ月ぶりの再起戦として臨んだ今年7月の『Invicta FC 41』では、2018年のストロー級タイトルコンテンダーであるジャナイサ・モランジン(25=ブラジル)を相手に、1R・一本勝ち。しっかりと結果を残し、今回のタイトルマッチへと繋げている。

 ルイーズのキャリア通算戦績は9勝1敗(3KO・TKO/2SUB)で、このうちInvicta戦績は1勝1敗(0KO・TKO/1SUB)。新天地3戦目での戴冠を目指す。

 なお、その他のカードについては後日、改めて発表される。

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<決定カード>

Main Event
▼Invicta FCフライ級王座決定戦 5分5R
パール・ゴンザレス(アメリカ)
vs
エリン・ブランチフィールド(アメリカ)

Co-Main Event
▼Invicta FCストロー級王座決定戦 5分5R
エミリー・ダコーティー(アメリカ)
vs
モンセラット・ルイーズ(メキシコ)

※カードは当日までに変更となる場合があります。