アトム級王座決定戦の計量に臨んだザペテラ。昨年8月の『RIZIN.18』で浅倉カンナに判定負けしたが、その後はInvicta FCで2連勝を飾り、今回のチャンスを掴んだ Photos(C)Dave Mandel/Invicta FC

 日本時間2020年9月18日(金)・現地時間2020年9月17日(木)にカンザス州カンザスシティで開催される『Invicta FC 42』の前日計量が行われた。

 まず、試合のキャンセルについての情報から。新型コロナウイルス感染症の検査で、一部の選手から陽性の結果が出たことを受け、オータム・ノートン(26=アメリカ)vsブリトニー・クラウディー(30=アメリカ)のバンタム級ワンマッチ、及びジェニファー・チエン(34=ミクロネシア連邦)vsフロール・ハニ(33=ポリネシア)のストロー級ワンマッチの2試合がキャンセルされた。

 チエンは陰性だったようで、代替選手のヘレン・ペラルタ(32=アメリカ)と、120ポンド(54.43kg)契約ワンマッチで急遽対戦することに。結果として、今大会は6試合から2試合がキャンセル、1試合が追加となり、全5試合で行われることになった。

 それを踏まえた上で、計量結果は下部に記載した通り。全選手が規定体重をパスし、後は試合開始のゴングを待つのみとなった。

 今大会のメインイベントはInvicta FCアトム級王座決定戦。今年2月の『Invicta FC 39』で、ジン・ユ・フレイ(35=アメリカ)が計量オーバーにより剥奪されたベルトを懸け、アシュリー・カミンズ(33=アメリカ)とアリーシャ・ザペテラ(25=同)が争う。

 カミンズは先述の『Invicta FC 39』で、自らが勝利した場合のみ、王座が認められるという変則タイトルマッチに臨み、結果はフレイに判定負けとなり、王座は空位に。その後、フレイがUFCと契約してInvicta FCを離脱したため、再びカミンズにチャンスが巡ってくることになった。

 対するザペテラは昨年8月の『RIZIN.18』に出場し、浅倉カンナ(22)にスプリット判定負けを喫したが、その後はInvicta FCに戻って2連勝をマーク。今大会で自身初のタイトルマッチへと辿り着いた。

 2試合連続のタイトルマッチとなるカミンズが、チャンスを掴むか。それとも好調のザペテラが、初のタイトルマッチで戴冠を果たすか。どちらが勝利しても、Invicta FCの王座獲得は初となる。

コーメインで対戦するヴァーゾサ(左)とカヌート(右)

 コーメンイベントはバンタム級ワンマッチで、リサ・ヴァーゾサ(24=アメリカ)とラケル・カヌート(29=同)のマッチアップだ。

 ヴァーゾサは今年3月の『Invicta FC:PHOENIX SERIES 3』で、ユリア・ストリアレンコ(27=リトアニア)とInvicta FCバンタム級王座決定戦を争い、両者流血の死闘を繰り広げた末、スプリット判定で惜しくも敗戦。キャリア6戦目で初黒星を喫っし、半年後の今大会で再起を図ることになった。

 対するカヌートは3年ぶりの復帰戦。前回の出場は2017年8月の『Invicta FC 25』で、ヤナ・クニツカヤ(30=ロシア)を相手にInvicta FC世界バンタム級王座決定戦を戦い、判定負けだった(当時はラケル・パルーヒの名前で出場)。3年ぶりの実戦復帰、そして再起戦となる。

 ほかにも、今大会ではボクシング女子ミクロネシア連邦代表として活躍中のチエンが、Invicta FC初参戦を果たし、MMAデビュー2戦目に臨む。

 チエンは2016年のリオ五輪に出場し、現在は2020年の東京五輪出場も目指しながらMMAにも挑戦中。2018年10月の『Bellator 208』で迎えたMMAデビュー戦は、1R・TKO勝ちで飾っている。今回は初参戦のInvicta FCで、1年11カ月ぶりのMMA2戦目だ。

 しかしながら先述の通り、当初対戦が予定されていたハニが直前で欠場となったため、急遽、代替選手のペラルタと拳を交えることに。

 ペラルタはプロデビュー2連勝と好調の中、迎えた2018年9月の『Invicta FC 31』で、ケイ・ハンセン(21=アメリカ)に3R・TKO負け。キャリア3戦目での初黒星となった。

 その後はバンテージのみを巻いた拳で殴り合うベアナックル・ボクシングの「BKFC」に参戦し、昨年8月に女子フェザー級アメリカ王者に輝くなど活躍。今大会は急遽の参戦ではあるが、2年ぶりのMMA復帰戦となる。 

 試合の模様は「UFC FIGHT PASS」で、日本時間9月18日(金)10時より配信される予定だ。

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<計量結果>

Main Event
▼Invicta FCアトム級タイトルマッチ 5分5R
アシュリー・カミンズ(アメリカ)
⇒104.9ポンド/47.58kg
vs
アリーシャ・ザペテラ(アメリカ)
⇒104.4ポンド/47.36kg

※リミット105ポンド(47.63kg)。

Co-Main Event
▼バンタム級 5分3R
リサ・ヴァーゾサ(アメリカ)
⇒134.5ポンド/61.01kg
vs
ラケル・カヌート(アメリカ)
⇒135.6ポンド/61.51kg

※リミット135ポンド(61.24kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。

▼ストロー級 5分3R
ジェシカ・デルボニ(ブラジル)
⇒115.6ポンド/52.44kg
vs
ヘリカ・ティブルシオ(ブラジル)
⇒115.1ポンド/52.21kg

※リミット115ポンド(52.16kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。

▼フライ級 5分3R
ヴィクトリア・レオナルド(アメリカ)
⇒125.7ポンド/57.02kg
vs
リズ・トレーシー(アメリカ)
⇒125.3ポンド/56.84kg

※リミット125ポンド(56.7kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。

▼120ポンド(54.43kg)契約 5分3R
ジェニファー・チエン(ミクロネシア連邦)
⇒114.9ポンド/52.12kg
vs
フロール・ハニ(ポリネシア)
ヘレン・ペラルタ(アメリカ)
⇒119.3ポンド/54.11kg

▼バンタム級 5分3R
-オータム・ノートン(アメリカ)
キャンセル
-ブリトニー・クラウディー(アメリカ)
※新型コロナウイルス感染症の検査で、選手から陽性の結果が出たため、試合はキャンセルに。