2.7『Invicta FC 39』のメインイベントはInvicta FC世界アトム級タイトルマッチ。王者フレイがカミンズの挑戦を受け、2度目の防衛を目指す。フレイは昨年6月のRIZINで浜崎朱加に敗れて以来、8カ月ぶりの再起戦だ Photos(C)Dave Mandel, Esther Lin, Scott Hirano, Invicta FC

 アメリカの女子総合格闘技団体『Invicta FC』が2020年の第一弾興行について、日程・会場と対戦カードを発表した。2月7日(金・現地時間)アメリカ・カンザス州カンザスシティのメモリアルホールで『Invicta FC 39』が開催される。

 メインイベントはInvicta FC世界女子アトム級タイトルマッチ。王者ジン・ユ・フレイ(34=アメリカ)が2度目の防衛を目指し、アシュリー・カミンズ(32=アメリカ)の挑戦に受けて立つ。

2017年7月の初対決でカミンズに鉄槌を落とすフレイ。試合はフレイが判定勝ちしている

 両者は2017年7月の『Invicta FC 24』で一度対戦しており、この時はフレイが判定勝ちしている。当初は昨年10月の『Invicta FC 37』でベルトを懸けての再戦に臨む予定であったが、フレイの負傷により試合は延期となっていた。今大会で2年7カ月ぶりの再戦となる。

 フレイは2016年9月の『Invicta FC 19』で、浜崎朱加のInvicta FC世界アトム級王座に挑戦して2RTKO負け。カミンズ戦の勝利を挟み、今度は韓国で『ROAD FC 045』に出場し、ハム・ソヒ(韓国)のROAD FC女子アトム級王座に挑んだが、ここも1RKO負けとなった。

 その後、浜崎がRIZIN参戦に伴い、Invicta FC世界アトム級王座を返上。2018年8月の『Invicta FC 30』で新王座決定戦が組まれ、フレイはミナ・グルサンデル(フィンランド)に判定勝ちし、念願の初戴冠を果たした。

念願の初戴冠にフレイは笑顔

 その5カ月後の『Invicta FC 33』ではダイレクトリターンマッチを戦い、フレイは再び判定勝ちでグルサンデルの挑戦を退け、初防衛に成功。そして昨年6月の『RIZIN.16』では、初参戦ながらいきなり浜崎のRIZIN女子スーパーアトム級王座に挑戦し、判定負けで返り討ちとなった。通算戦績は8勝4敗(1KO・TKO/2SUB)。

 今回のInvicta FC王座防衛戦が浜崎に敗れて以来、8カ月ぶりの再起戦だ。

 挑戦者のカミンズは2012年4月の『Invicta FC 1』から参戦している選手。Invicta FCでは8試合に出場して4勝4敗の戦績を収めており、タイトルマッチを戦うのはこれが初めてだ。通算戦績は7勝4敗(0KO・TKO/2SUB)。

右ハイで攻めるカミンズ

 昨年大晦日の『RIZIN.20』では浜崎がソヒにスプリット判定で敗れ、RIZIN女子スーパーアトム級王座が移動したばかり。

 ソヒと浜崎に続くトップ3の実力者であるフレイだが、本拠地で王座防衛を果たし、再びRIZINでタイトル戦線に絡むことになるのか。それともカミンズが王座を奪い、勢力図を塗り替えるのか。アメリカの女子軽量級戦線にも注目したい。

 コーメインイベントは次期挑戦権が懸かるフライ級ワンマッチ。パール・ゴンザレス(33=アメリカ)とミランダ・マーヴェリック(22=同)が対戦する。

昨年2月のInvicta FC世界フライ級王座決定戦で、ポルトにパンチを振るうゴンザレス。試合は4R負傷判定でポルトが勝利し、ベルトを巻いた

 ゴンザレスは2013年5月にXFC(Xtreme Fighting Championships)女子ストロー級王座を獲得した実績を持ち、この時は現UFCファイターのコートニー・ケイシー(アメリカ)に3R一本勝ちしての戴冠だった。2017年にはUFC参戦を果たしたが、2戦2敗と結果を残せず離脱。新たな活躍の場としてInvicta FCを選択することになった。

 そこでいきなり新天地3連勝を飾ると、昨年2月の『Invicta FC 34』で空位のInvicta FC世界フライ級王座を懸けて、ヴァネッサ・ポルト(ブラジル)と対戦。試合はゴンザレスの偶発的なアイポークにより、ポルトが続行不能となったため、その時点(4R2分34秒)までの判定により勝敗が決められ、結果、ゴンザレスが敗れてポルトが新王者に輝いた。

 ゴンザレスはその8カ月後の『Invicta FC 37』で再起戦に臨むと、当時デビュー6連勝中だったブローガン・ウォーカー・サンチェス(アメリカ)に判定勝ち。ポルトとの完全決着を目指し、今回の次期挑戦者決定戦に進むことになった。通算戦績は10勝4敗(1KO・TKO/5SUB)。

左フックを叩き込むマーヴェリック

 一方、マーヴェリックは2016年11月の『Invicta FC 20』でプロデビューし、8戦のうち7戦をInvicta FCで戦ってきた選手だ。

 昨年9月にInvicta FCが新たに始動させた1dayトーナメントシリーズ大会の第2弾『Invicta FC Phoenix Series 2』に出場。1回戦と準決勝が5分1R制、決勝のみが通常と同じ5分3R制という変則ルールの中、決勝まで勝ち進み、半年前に敗れた相手のディアナ・ベネット(アメリカ)に3R一本勝ちでリベンジを果たすと共に優勝を飾っている(戦績に含まれるのは5分3Rの決勝のみ)。

 その戦いぶりが評価され、今回の次期挑戦者決定戦に抜擢となった。通算戦績は6勝2敗(0KO・TKO/5SUB)。

 ちなみにマーヴェリックはキャリア4戦目となった2018年7月の『Invicta FC 30』で、ゴンザレスが前戦で下した先述のウォーカー・サンチェスに判定負けしており、ここからの成長を今回の試合で示すことになりそうだ。

 ゴンザレスがキャリアの差を見せつけて、ポルトとの再戦に漕ぎ着くか。それともマーヴェリックが新たな力の台頭を勝利で示し、初のタイトルマッチへと進むか。

右フックを当てるザペテラ。昨年8月のRIZINで浅倉カンナに敗れて以来の再起戦が決まった

 また、フライ級ワンマッチのカードとして、マリヤ・アガポヴァ(22=カザフスタン)vsダイアナ・トルクァート(29=ブラジル)も組まれている。

 アガポヴァは昨年7月に「Dana White’s Contender Series Season 3」に参加し、現UFCファイターのトレイシー・コルテス(アメリカ)に判定負けしたが、その後はInvicta FCで2連勝を飾っている。通算戦績は8勝1敗(3KO・TKO/3SUB)。コルテス戦が現在までに喫した唯一の黒星となっている。

 対戦相手のトルクァートはこれまではブラジル国内を主戦場としており、Invicta FC初参戦となる選手だ。通算戦績は9勝3敗(2KO・TKO/3SUB)。「できることならUFCに行きたい」と語っているアガポヴァにとって、落とせない一戦となる。

 他にも、昨年8月の『RIZIN.18』で浅倉カンナに判定負けしたアリーシャ・ザペテラ(22=アメリカ)も、アトム級ワンマッチで再起戦に臨む。対戦相手は現在2連勝中のケリー・ディアンジェロ(32=同)となる。

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▼Invicta FC世界アトム級タイトルマッチ 5分5R
ジン・ユ・フレイ(アメリカ/王者)
vs
アシュリー・カミンズ(アメリカ/挑戦者)

▼フライ級 5分3R
パール・ゴンザレス(アメリカ)
vs
ミランダ・マーヴェリック(アメリカ)

▼フライ級 5分3R
マリヤ・アガポヴァ(カザフスタン)
vs
ダイアナ・トルクァート(ブラジル)

▼アトム級 5分3R
アリーシャ・ザペテラ(アメリカ)
vs
ケリー・ディアンジェロ(アメリカ)

▼フライ級 5分3R
エリン・ブランチフィールド(アメリカ)
vs
ヴィクトリア・レオナルド(アメリカ)

▼アトム級 5分3R
ジリアン・デコーシー(アメリカ)
vs
リンダ・マハレック(アメリカ)

▼バンタム級 5分3R
ティナ・ペティグルー(アメリカ)
vs
TBA