2019年10月12日(土・現地時間)フロリダ州タンパのアマリー・アリーナで開催される『UFC Fight Night 161』(or 『UFC on ESPN+ 19』)の前日計量が、11日(金・同)に行われ、全選手がパスした。

 今大会のメインイベントは女子ストロー級ワンマッチで、元UFC同級王者ヨアンナ・イェンドジェイチェク(32=ポーランド)とミシェル・ウォーターソン(33=アメリカ)が対戦する。

 ウォーターソンはきびきびとした動作とはつらつとした表情で秤に乗り、力強くポーズを決めて投げキス。3連勝中の自信と好調ぶりがうかがえた。

 一方、現地では減量苦により試合中止との報道もあったヨアンナは少々やつれたようにみえるものの、計量を無事にパスしてポーズを決めると、「速くタイピングしなさい。噂は破壊した」と、会場の記者たちに向けて言葉を発した。

 ヨアンナは昨年12月の『UFC 231』で階級をひとつ上げ、UFC世界女子フライ級王座決定戦に臨んだが、ワレンチナ・シェフチェンコ(キルギスタン)に判定負け。今大会で再びストロー級に戻し、再起戦となる。

 対するウォーターソンは今年3月の『UFC on ESPN 2』で、カロリーナ・コバルケビッチ(ポーランド)に判定勝ちして以来、7カ月ぶりの出場だ。

 遡ること4年半前。ヨアンナは2015年3月の『UFC 185』でカーラ・エスパルザ(アメリカ)をKOに下して、UFC世界女子ストロー級王座を獲得。その後も5度の防衛に成功し、無敗の絶対女王に君臨していた。

 しかし、2017年11月の『UFC 217』で、ローズ・ナマユナス(アメリカ)に衝撃的なKO負けを喫し、6度目の防衛戦でついに女王の座から陥落。これはキャリア15戦目にして初黒星であった。そして、昨年4月の『UFC 223』で挑戦者としてダイレクトリマッチに臨んだが、判定負けで王座奪還ならず。

 同年7月の『UFC on FOX 30』では、ティーシャ・トーレス(アメリカ)に判定勝ちしており、ストロー級での試合はこの時以来、1年2カ月ぶりだ。戦績は通算で15勝(4KO・TKO/1SUB)3敗、UFCで9勝(2KO・TKO)3敗となっている。

 一方、ウォーターソンは2013年4月の『Invicta FC 5』でジェシカ・ペネ(アメリカ)から一本勝ちを収め、浜崎朱加(日本)も巻いたInvicta FC世界女子アトム級王座のベルトを獲得。『UFC』には2015年7月の『The Ultimate Fighter 21 Finale』から参戦している。

 UFCデビュー2連勝からナマユナスとトーレスに2連敗するも、その後は3連勝を収め、好調を維持して臨む今大会。戦績は通算で17勝(3KO・TKO/9SUB)6敗、UFCで5勝(2SUB)2敗となっており、フィニッシュ率はヨアンナよりも高い。

 これが初顔合わせとなる両者。ヨアンナが復権に向けて意地を見せるか。ウォーターソンが元絶対女王を越え、初のタイトルマッチへと歩を進めるか。

 今大会ではセミファイナルにも注目の一戦、カブ・スワンソン(35=アメリカ)vsクロン・グレイシー(31=ブラジル)のフェザー級ワンマッチが組まれている。

 フェイスオフでは険しい表情でクロンが両拳を相手のアゴ元に突き出すと、スワンソンはその拳の上に自らのアゴを乗せてニヤリ。スワンソンが修羅場をくぐってきたベテランらしさをみせた。

 スワンソンは今大会でキャリア36戦目。UFC世界フェザー級の上位ランカーとしても活躍してきた。戦績は通算で25勝(8KO・TKO/7SUB)11敗、UFCで10勝(4KO・TKO)7敗。何よりその激闘ぶりで知られる選手でもある。

 近年では2016年12月の『UFC 206』。チェ・ドゥホ(韓国)とダウンを奪い合う、まさに壮絶な打撃戦を繰り広げ、年間ベストファイトを獲得している。その試合の4カ月前の『UFC Fight Night 92』では、川尻達也とも白熱の攻防を繰り広げ、苦戦の末に判定勝ちを収めていた。

 しかし、2017年4月の『UFC Fight Night 108』でアルテム・ロボフ(ロシア)に判定勝ちして以降は、4連敗と苦しい状況。そして今大会で拳を交える相手もまた強敵だ。

 日本でもお馴染みのクロン。『RIZIN』で山本アーセン、所英男、川尻達也の日本人3選手から一本勝ちし、その後、約2年の時を経て、今年2月の『UFC on ESPN 1』でついにオクタゴンに上がった。そして、アレックス・カサレス(アメリカ)を開始2分06秒のリアネイキドチョークで絞め上げ、一本勝ちで初陣を飾っている。

 クロンは通算で5戦全勝の戦績をあげ、全ての試合で一本勝ち。MMAのキャリアと経験で大きく勝る激闘男スワンソンを相手に、どのような戦いを繰り広げるか。目が離せない一戦になりそうだ。

< 全選手の計量結果 >

MAINCARD

▼メインイベント 女子ストロー級(115ポンド・52.2キロ) 5分5R
ヨアンナ・イェンドジェイチェク(ポーランド/UFC世界女子ストロー級5位)=115.5ポンド・52.39キロ
vs
ミシェル・ウォーターソン(アメリカ/UFC世界女子ストロー級7位)=115ポンド・52.16キロ

▼セミメインイベント フェザー級(145ポンド・65.8キロ) 5分3R
カブ・スワンソン(アメリカ)=146ポンド・66.22キロ
vs
クロン・グレイシー(ブラジル)=145.5ポンド・66.00キロ

▼ウェルター級(170ポンド・77.1キロ) 5分3R
ニコ・プライス(アメリカ)=170ポンド・77.11キロ
vs
ジェームズ・ヴィック(アメリカ)=170.5ポンド・77.34キロ

▼女子ストロー級(115ポンド・52.2キロ) 5分3R
マッケンジー・ダーン(アメリカ)=115ポンド・52.16キロ
vs
アマンダ・ヒバス(ブラジル)=115ポンド・52.16キロ

▼ライト級(155ポンド・70.3キロ) 5分3R
マット・フレヴォラ(アメリカ)=154ポンド・69.85キロ
vs
ルイス・ペーニャ(イタリア)=154.5ポンド・70.08キロ

▼ミドル級(185ポンド・83.9キロ) 5分3R
エリク・アンダース(アメリカ)=186ポンド・84.37キロ
vs
ジェラルド・マーシャート(アメリカ)=184.5ポンド・83.69キロ

PRELIMS

▼ライトヘビー級(205ポンド・93.0キロ) 5分3R
ライアン・スパン(アメリカ)=205ポンド・92.99キロ
vs
デヴィン・クラーク(アメリカ)=205.5ポンド・93.21キロ

▼ライト級(155ポンド・70.3キロ) 5分3R
マイク・デイビス(アメリカ)=155.5ポンド・70.53キロ
vs
トーマス・ギフォード(アメリカ)=155ポンド・70.31キロ

▼ウェルター級(170ポンド・77.1キロ) 5分3R
マックス・グリフィン(アメリカ)=169.5ポンド・76.88キロ
vs
アレックス・モロノ(アメリカ)=170ポンド・77.11キロ

▼フライ級(125ポンド・56.7キロ) 5分3R
デイヴソン・フィゲイレード(ブラジル/UFC世界フライ級3位)=125.5ポンド・56.93キロ
vs
ティム・エリオット(アメリカ/UFC世界フライ級6位)=125.5ポンド・56.93キロ

▼バンタム級(135ポンド・61.2キロ) 5分3R
マルロン・ヴェラ(エクアドル)=135ポンド・61.24キロ
vs
アンドレ・イーウェル(アメリカ)=135ポンド・61.24キロ

▼ウェルター級(170ポンド・77.1キロ) 5分3R
ミゲル・バエザ(アメリカ)=170ポンド・77.11キロ
vs
ヘクター・アルダナ(メキシコ)=170ポンド・77.11キロ

▼ミドル級(185ポンド・83.9キロ) 5分3R
マービン・ヴェットーリ(イタリア)=185ポンド・83.91キロ
vs
アンドリュー・サンチェス(アメリカ)=184ポンド・83.46キロ

▼女子フライ級(125ポンド・56.7キロ) 5分3R
J.J.アルドリッチ(アメリカ)=125ポンド・56.70キロ
vs
ローレン・ミューラー(アメリカ)=125.5ポンド・56.93キロ