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 2019年12月7日(土・現地時間)アメリカ・ワシントンD.C.のキャピタル・ワン・アリーナで開催される『UFC on ESPN 7』の変更カードが発表されている。

 当初、メインイベントのヘビー級ワンマッチで、アリスター・オーフレイム(39=オランダ)との対戦が予定されていたウォルト・ハリス(36=アメリカ)が欠場。代わってジャルジーニョ・ホーゼンストライク(31=スリナム)が参戦し、メインイベントでアリスターと拳を交えることになった。

 まずはアリスターとホーゼンストライクの戦歴について触れたい。

 アリスターはプロデビュー間もない1999年からリングスに参戦し、2010年までにPRIDE、K-1、DREAMで活躍した日本縁のベテランファイター。2007年にStrikeforce世界ヘビー級王座獲得、2010年にはK-1 WORLD GP優勝といった輝かしい実績を持つ。

Photo(C)UFC/ Zuffa LLC

 UFCには2011年から参戦。これまでにブロック・レスナー(アメリカ)、フランク・ミア(同)、ジュニオール・ドス・サントス(ブラジル)、マーク・ハント(ニュージーランド)、ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)といった強豪たちから勝利をあげ、2016年9月の『UFC 209』ではUFC世界ヘビー級タイトルマッチも経験している(当時の王者スティペ・ミオシッチ(アメリカ)に1RKO負け)。

 近年は2連敗からの2連勝という戦いぶり。2017年12月の『UFC 218』でフランシス・ガヌー(カメルーン)に1RKO負け、昨年6月の『UFC 225』ではカーティス・ブレイズ(アメリカ)に3RTKO負けしたが、同年11月の『UFC Fight Night 141』でセルゲイ・パブロビッチ(ロシア)に1RTKO勝ち、今年4月の『UFC Fight Night 149』(もしくは『UFC on ESPN+ 7』)でアレクセイ・オレイニク(同)に1RTKO勝ちとなっている。

 現在までの通算戦績は45勝(23KO・TKO/17SUB)17敗1ノーコンテスト。今大会では3連勝を目指し、ハリスとの初対決に臨むことになっていた。

 そのアリスターの対戦相手に急遽抜擢されたホーゼンストライクは、現在までの通算戦績が9戦全勝(8KO・TKO/0SUB)というストライカー。プロデビューが2012年で、2戦目から3戦目までに4年半ほどのブランクがあり、2017年からMMA(総合格闘技)のキャリアを本格始動させている。

 というのも、キックボクサーとしてのキャリアの方が長く、2016年には中国の武林風でヘビー級トーナメントを制覇するなど活躍。そのトーナメントでは、GLORY世界ライトヘビー級タイトルコンテンダーのドネギ・アベナ(スリナム)に1RKO勝ちしており、その強打者ぶりはMMAの戦績にも反映されている。

 また、唯一の判定決着となっているのが、昨年5月の『RIZIN.10』でアンドレイ・コヴァレフ(ウクライナ)を下した試合だったというのも、多少なりとも日本に縁を感じさせるところだろうか。そこから1戦を挟み、今年2月の『UFC Fight Night 144』(もしくは『UFC on ESPN+ 2』)でオクタゴンへステップアップを果たした。

 最高峰の舞台でもその強打は健在。初戦は2R54秒KO勝ち、7月の2戦目は1R9秒KO勝ち、そして11月の『UFC 244』で迎えた3戦目は元UFC世界ヘビー級王者アンドレイ・アルロフスキー(ベラルーシ)に1R29秒KO勝ちという戦いぶりだ。今大会はホーゼンストライクにとって、ベテランでありK-1 WORLD GPを制したストライカーでもあるアリスターを相手に、その本当の実力が試される試金石となりそうだ。

 そして最後に記しておきたいのが、ハリスの欠場ついて。これは継娘のアニア・ブランチャードさん(19)が現在、行方不明となっており、捜索活動を続けていることが理由だ。現地の報道によると、ブランチャードさんが最後に目撃されたのは、10月23日(水・同)アラバマ州オーバーンだった。ハリスはインスタグラムを通じて情報提供を呼びかけている。無事に発見されることを心から祈りたい。