2019年12月14日(土・現地時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナで『UFC 245』が開催される。メインイベントはUFC世界ウェルター級王者カマル・ウスマン(32=ナイジェリア)の初防衛戦。挑戦者は同級2位コルビー・コヴィントン(31=アメリカ)だ。
決戦に臨む両選手のコメントがUFCより届いたので掲載したい。
まくしたてるようなトラッシュトーク、ややもすれば差別的にもとれる過激な発言、ドナルド・トランプ大統領との親交、愛国者、ここへ来てのビジネスキャラ疑惑など、話題に事欠かないコヴィントン。そしてそのコヴィントンから挑発を受けて、ホテルでの乱闘騒ぎやテレビ番組での大舌戦などを繰り広げてきたウスマン(※ページ下部に動画があります)。
両者の因縁がいよいよ決着の時を迎える。
■コルビー・コヴィントン
コヴィントンは昨年6月の『UFC 225』でハファエル・ドス・アンジョス(ブラジル)に判定勝ちし、UFC世界ウェルター級暫定王座を獲得したが、その3カ月後に負傷のため王座統一戦を戦えず、ベルト剥奪の処分を受けることに。
しかし、今年8月の『UFC on ESPN 5』で1年2カ月ぶりとなる復帰戦に臨むと、ロビー・ローラー(アメリカ)に判定勝ちし、再びタイトルマッチのチャンスを得ることとなった。
UFC戦績は11勝1敗(2KO・TKO/2SUB)、通算戦績は15勝1敗(2KO・TKO/5SUB)。ウスマンと同じく、高いレスリング技術を持ち味とする。
Q. 過去の因縁について
コヴィントン「あいつはみんなから“マーティ・フェイク・ニュースマン”って呼ばれている。やつのどこが俺より愛国的なんだ? 俺の口の利き方やアピールの方法を見て、周りはいつも俺のスキルを無視しやがる。オクタゴンでの戦い方じゃなく、俺の発言をどうにかしろって言うんなら、それはそいつらのせいだろう」
Q. ライバルのファイトスタイルについて
コヴィントン「やつのレスリングの統計なんざどうでもいい。別にテイクダウンを奪おうなんて思っちゃいない。最前列まで頭を吹っ飛ばしてやるつもりだからな。とにかく、やつが俺をテイクダウンすることだけはあり得ない。それをやろうとするなら勝手にガス欠になるだけ。もっと早くフィニッシュしてやる。俺はレスリングは得意だった…。でも、MMAをやるために生まれてきたんだ」
Q. 王者と元王者という立場について
コヴィントン「このタイトルには“元”なんてない。俺はアメリカの王者、人々の王者だ。もっと重要なことがある。ドナルド・トランプの一番のお気に入りファイターは俺だ。だからこのスポーツで今、誰もが欲しがるタイトルを持っているのは俺ってことになる。今週末それを防衛するのが待ち切れない」
Q. フィニッシュ予想について
コヴィントン「フィニッシュだな、間違いない。“コルビー・コヴィントン・カオス・トレイン”の直撃を受けて、やつはそのプレッシャーに砕け散ることだろう。線路に入らなければ良かったものを、自分からひかれにくるとはな」
■カマル・ウスマン
ウスマンは今年3月の『UFC 235』で、難攻不落のタイロン・ウッドリー(アメリカ)に判定勝ちし、UFC世界ウェルター級王座を奪取。アフリカ人史上初のUFC世界王者に輝いた。
試合はレスリングを得意とする者同士の対決であったが、当時4年以上負けなしだったウッドリー相手に、ウスマンは終始圧力をかけ、ケージに押し込んではエルボーとヒザ蹴りとボディブローとアッパー、テイクダウンを決めれば鉄壁のトップコントロール、勝負所ではパンチのラッシュなど、まさに完全制圧という内容で、大差をつけての勝利だった。
その前にもレオン・エドワーズ(ジャマイカ)、デミアン・マイア(ブラジル)、ハファエル・ドス・アンジョス(同)といった強豪達に手堅く勝利を収めている。UFC戦績は10戦全勝(1KO・TKO/1SUB)のパーフェクト、通算戦績は15勝1敗(1KO・TKO/1SUB)。
Q. ウェルター級について
ウスマン「ウェルター級は層が厚い。レオン・エドワーズはどんな戦い方をしてくるか知っているし、すごくタフな相手だと思う。スティーブン・トンプソンもそうだ。彼とは戦ったことがない。俺は自分の手札を知っているけど、それに対して向こうがどう反応してくるか詳しくは分からない。でも俺は自分がハイブリッドだと考えている。誰が相手であれ最大級の危険人物さ」
Q. 過去の因縁について
ウスマン「こういうライバル関係だと、ただのビジネスっていうよりもう少し根深いものがある。これまでの彼の発言や話題の中には、すごく個人的で気に入らないものも実際あった。でも、俺の仕事は試合で自分を管理し、UFC世界ウェルター級王者になることだ。同時に、その気になれば同じようにやり返すこともできるけどな」
Q. ライバルのファイトスタイルについて
ウスマン「あの極端な性格を除けば、才能はあると思うよ。レスリングはうまいし、持久力がある。打撃力がすごく高い。確かに優秀なファイターではあるんだろう。でも、俺の前ではそうじゃない。以前、時々こう思うことがあった。『どうしてこいつらは俺と戦う時になると、想像していたような実力を出さなくなるんだ?』って。それは俺の試合へのアプローチが他とは一味違うからだ。彼もそれを実感するだろう」
Q. 王者と元王者という立場について
ウスマン「俺はUFCの世界ウェルター級王者だ。それは世界中の誰もが知っていること。ここに来る前にAlexa(アレクサ=AIアシスタント)に聞いてみたんだ。『UFC世界ウェルター級王者は誰?』って。機械のAlexaでさえ知ってるんだぜ! 俺はこの階級の王、誰もが認めるチャンピオンだ」
Q. フィニッシュ予想について
ウスマン「俺と医師たち、それからレフェリーが彼を上からのぞきこんで、起こそうとしている光景が目に浮かぶ」
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