UFCがフロリダ州で無観客を条件に現地時間5月9日・日本時間10日より興行を再開する。まずは延期となっていた『UFC 249』から。メインイベントはファーガソン(左)vsゲイジー(右)のライト級暫定王座決定戦だ Photo(C)UFC

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大会の延期を余儀なくされていたUFCが、2020年4月25日(金・現地時間)に活動再開として3大会の開催を発表した。

 まずは5月9日(土・同/日本時間10日)に『UFC 249』が実施され、残り2大会が13日(水・同/日本時間14日)と16日(土・同/日本時間17日)へと続く。

 いずれも会場はアメリカ・フロリダ州ジャクソンビルのVyStarベテランズ・メモリアル・アリーナ。大会は非公開・無観客での開催となり、立ち会う関係者の人数も必要最小限とのことだ。

 フロリダ州では4月9日(木・同)、食料品店や病院など知事が定める「必要不可欠なサービス」のリストに、「全国の視聴者に向けたプロスポーツとそのメディア制作」が加えられ、非公開・無観客の条件の下、活動が認められるという動きがあった。

 13日(月・同)には同条件で、プロレスのWWEが同州オーランドにある養成施設から実況放送を再開。UFCもこれに続くことになる。

 今回の発表に際し、UFCのデイナ・ホワイト代表は「ファンへ素晴らしい試合を届けられる瞬間が待ちきれない。(中略)私のチームは準備万端。ファイターたちも今回の連続開催を待ち望んでる」、ジャクソンビル市のレニー・カリー市長は「段階的な景気回復に向けて行動する中、VyStarベテランズ・メモリアル・アリーナで今回のイベントを開催することを誇りに思う。UFCは著名なエンターテインメント・ブランドであり、ジャクソンビル市の会場を使用するにあたり安全かつ賢明な計画を提示した(後略)」、

 フロリダ州ボクシング委員会・エグゼクティブディレクターのパトリック・カニンガム氏は「フロリダの州委員会および事業・職業規制部門はUFCと継続的に調整しながら、フロリダでUFCの今後のイベントを開催できるよう選択肢を検討してきた。フロリダはサンシャイン・ステートを訪れるUFCを歓迎したい(後略)」と、それぞれコメントしている。※コメント全文は下部に記載。

 UFCは3月7日(土・同)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで『UFC 248』を通常通り開催したが、その1週間後の14日(土・同)にブラジル・ブラジリアのニルソン・ネルソン・ジムナジウムで開催した『UFC Fight Night 170』については、新型コロナウイルスへの対応として無観客の措置を取った。

 以降はイギリスとアメリカ2州で予定されたFight Nightシリーズの3大会を中止。3月14日以降は大会を開催していない。

『UFC 249』に関しても、元々はメインイベントに王者ハビブ・ヌルマゴメドフ(31=ロシア)vs挑戦者トニー・ファーガソン(36=アメリカ)のUFC世界ライト級マッチというビッグマッチを組み、4月18日(土・同)にニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリンのMSGバークレー・センターで開催する予定だった。

 しかし、ニューヨークでは新型コロナウイルスの感染が深刻化。同地での大会開催は不可能となる。

 UFCのデイナ・ホワイト代表はその後も大会開催に向けて動き、自身の保有するプライベート・アイランドで設備の準備を進めていること、そしてカリフォルニア州リムーアのタチ・パレス(アメリカ先住民族の自治区で州法の適用外にある)での開催が決まったことなどが、現地で報じられていた。

 4月9日(木・同)には試合を中継するESPNから「別途通知があるまで当該イベントならびに以後の試合を延期するよう」との要請があり、18日の大会開催は断念。こうした中、先述の通りフロリダ州でプロスポーツが「必要不可欠なサービス」のリストに追加され、UFCも同地で非公開・無観客の条件の下、興行を再開することが可能となった。

 この間には母国からの出国が困難なヌルマゴメドフに代わり、ジャスティン・ゲイジー(31=アメリカ)の参戦が決まり、UFC世界女子フェザー級王者アマンダ・ヌネス(31=ブラジル)は出場を辞退するなど、対戦カードのラインナップについても情勢と選手の健康状態・意向を踏まえながら、中止となった大会分のものも加えて再編成されている。

 現時点で発表されたのは12カード。ファーガソンvsゲイジーのみならず、王者ヘンリー・セフード(33=アメリカ)vs挑戦者ドミニク・クルーズ(35=同)のバンタム級タイトルマッチ、フランシス・ガヌー(33=カメルーン)vsジャルジーニョ・ホーゼンストライク(32=スリナム共和国)の爆腕ヘビー級対決、さらにはドナルド・セラーニ(37=アメリカ)vsアンソニー・ペティス(33=同)のウェルター級ワンマッチ、アレクセイ・オレイニク(42=ロシア)vsファブリシオ・ヴェウドゥム(42=ブラジル)のヘビー級ワンマッチ、ユライア・ホール(35=アメリカ)vsジャカレ・ソウザ(40=ブラジル)のミドル級ワンマッチなど、ベテラン勢の対決も並んだ。※全カードは下部に記載

【関係者のコメント】

デイナ・ホワイト(UFC代表)
「ファンの皆さまに素晴らしい試合をお見せできる瞬間が待ちきれない。今回のイベント開催を実現させるにあたり、ご協力いただいたレニー・カリー氏(ジャクソンビル市長)、VyStarベテランズ・メモリアル・アリーナ、パトリック・カニンガム氏(フロリダ州ボクシング委員会のエグゼクティブディレクター)、そしてこれほどの素晴らしい試合をファンのもとへ届けてくれるメディア・パートナーのESPNならびにESPN+に本当に感謝している。私のチームは準備万端。ファイターたちも今回の連続開催を待ち望んでる」

レニー・カリー(ジャクソンビル市長)
「段階的な景気回復に向けて行動する中で、VyStarベテランズ・メモリアル・アリーナにて今回のUFCイベントを開催することを誇りに思う。UFCは著名なエンターテインメント・ブランドであり、ジャクソンビル市の会場を使用するにあたり安全かつ賢明な計画を提示した。ESPNおよびESPN+で、我々の都市が全国に中継されることに興奮を覚えている。ジャクソンビル市が他の都市や地域をしのぎ、こういった世界規模の国際的なスポーツ・エンターテイメントを手掛ける団体のイベントのホストとして、リードし続けられることを光栄に思っている」

パトリック・カニンガム(フロリダ州ボクシング委員会・エグゼクティブディレクター)
「フロリダの州委員会および事業・職業規制部門は、UFCと継続的に調整しながら、フロリダでUFCの今後のイベントを開催できるよう選択肢を検討してきた。フロリダはサンシャイン・ステートを訪れるUFCを歓迎したい。我々委員会は5月9日、13日、16日に開催されるイベントを認可する準備を整えている。協約を締結し、今回のイベントを開催するために協力していただくすべての方々の安全と健康を確実にしていく。5月に3日間のUFCイベントを主催する以外にも、フロリダは今後もUFCが同州でのイベント開催を選択してもらえるよう、さらなる機会を生み出すために引き続きUFCと強力な関係を構築していく」

【決定対戦カード】

Main Event
▼UFC世界ライト級暫定王座決定戦 5分5R
トニー・ファーガソン(アメリカ/同級1位)
vs
ジャスティン・ゲイジー(アメリカ/同級4位)

Co-Main Event
▼UFC世界バンタム級タイトルマッチ 5分5R
ヘンリー・セフード(アメリカ/王者)
vs
ドミニク・クルーズ(アメリカ/挑戦者)

▼ヘビー級 5分3R
フランシス・ガヌー(カメルーン、フランス/同級2位)
vs
ジャルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム共和国/同級6位)

▼フェザー級 5分3R
ジェレミー・スティーブンス(アメリカ/同級7位)
vs
カルヴィン・ケーター(アメリカ)

▼ウェルター級 5分3R
ドナルド・セラーニ(アメリカ)
vs
アンソニー・ペティス(アメリカ)

▼ヘビー級 5分3R
グレッグ・ハーディ(アメリカ)
vs
ヨルガン・デ・カストロ(カーボベルデ共和国)

▼ヘビー級 5分3R
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
vs
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

▼ライトヘビー級 5分3R
ライアン・スパン(アメリカ)
vs
サム・アルビー(アメリカ)

▼女子ストロー級 5分3R
カーラ・エスパルザ(アメリカ/同級7位)
vs
ミシェル・ウォーターソン(アメリカ/同級8位)

▼ミドル級 5分3R
ユライア・ホール(アメリカ/同級10位)
vs
ジャカレ・ソウザ(ブラジル)

▼ウェルター級 5分3R
ビセンテ・ルーケ(ブラジル/同級13位)
vs
ニコ・プライス(アメリカ)

▼フェザー級 5分3R
ブライス・ミッチェル(アメリカ)
vs
チャールズ・ローザ(アメリカ)

※対戦カードは当日までに変更となる場合があります。