
2020年9月5日(土・現地時間)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催される『UFC Fight Night 176(UFC Vegas 9)』の前日計量が、4日(金・同)に行われた。
結果は下部に記載した通り、全選手が規定体重をパスしている。
今大会のメインイベントはヘビー級ワンマッチで、アリスター・オーフレイム(40=オランダ/同級6位)とアウグスト・サカイ(29=ブラジル/同級9位)のマッチアップだ。

アリスターはリングス、PRIDE、DREAM、K-1で活躍した日本縁のベテラン。2007年11月にStrikeforceヘビー級王座獲得、2010年12月にはDREAMヘビー級王座獲得とK-1 WORLD GP優勝を果たすといった輝かしい実績を誇り、現在もUFCヘビー級ランカーとして世界の一線で戦っている。
キャリア通算戦績(MMA)は46勝18敗1ノーコンテスト(24KO・TKO/17SUB)で、このうちUFC戦績が11勝7敗(8KO・TKO/0SUB)。
2016年9月の『UFC 203』で、UFCヘビー級タイトルマッチを一度経験しており、この時はスティペ・ミオシッチ(38=アメリカ)に1R・KO負けで戴冠ならず。その後は多少の浮き沈みもあり、タイトルコンテンダーの地位まで再び辿り着くことこそできていないが、戦績自体は勝ち越している。
2連勝で臨んだ昨年12月の『UFC on ESPN 7』では、試合終了間際にジャルジーニョ・ホーゼンストライク(32=スリナム/同級3位)の一発を浴び、痛恨の5R・KO負け。今年5月の『UFC on ESPN 8』で迎えた再起戦は、ウォルト・ハリス(37=アメリカ/同級9位)に2R・TKO勝ちし、星を白に戻している。

対するサカイはUFCデビュー4連勝中で、その前のImortal FCとDana White’s Contender Series Brazil(UFCの人材発掘トライアウト)での2試合を含めれば6連勝中と絶好調だ。Bellator MMA参戦も経験している。
キャリア通算戦績は15勝1敗1分(11KO・TKO/0SUB)で、このうちBellator戦績が4勝1敗1分(3KO・TKO/0SUB、 UFC戦績が4勝(2KO・TKO/0SUB)。
2017年5月の『Bellator 179』で、元UFC選手のシーク・コンゴ(45=フランス)にスプリット判定負けしたのが、キャリアで唯一の黒星となる。
前戦は今年5月の『UFC on ESPN 9』で、ブラゴイ・イワノフ(33=ブルガリア/同級14位)にスプリット判定勝ち。ヘビー級ランキングでトップ10入りし、今大会でビッグネームとの大一番を迎える。
アリスターが百戦錬磨のベテランとしてヘビー級上位戦線の厳しさを教えるか。それともサカイが伸び盛りの有望株としてベテランを引きずり降ろすか。
元UFCライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズ(33=アメリカ)が階級転向の意志を示したことで、新たな変革期の訪れが予感されるヘビー級。現地メディアの情報によれば、アリスターはジョーンズの階級転向を歓迎しており、対戦にも前向きのようだ。その大一番の実現に向けて、サカイ戦はアリスターにとってなおさら落とせない試合となる。

そのほか、メインカードのウェルター級ワンマッチで、ゼリム・イマダエフ(25=ロシア)と対戦するミシェル・ペレイラ(27=ブラジル)も、今大会の注目選手だ。
ペレイラは前転蹴り、バク宙フットスタンプ、そしてケージを使った三角飛び蹴りやスーパーマンパンチなど、トリッキー且つアクロバティックな打撃技で魅せるUFC期待の新鋭。日本(愛知)のHEATと韓国のRoad FCに参戦した経験を持つ。
昨年5月の『UFC Fight Night 152』で、ダニー・ロバーツ(33=イングランド)に1R・KO勝ちし、新天地デビュー戦を華々しく飾ったが、その後は2連敗。
同年9月の『UFC Fight Night 158』で、トリスタン・コネリー(34=カナダ)に判定負けすると、今年2月の『UFC Fight Night 167』では、ディエゴ・サンチェス(38=アメリカ)をダウンさせるなど後一歩のところまで追い込んだが、追撃の際に頭部へ反則の膝蹴りを入れてしまい、結果的に3Rで失格負けとなった。
キャリア通算戦績は23勝11敗2ノーコンテスト(10KO・TKO/5SUB)で、このうちUFC戦績が1勝2敗(1KO・TKO/0SUB)。今大会で連敗脱出を目指す。
対戦相手のイマダエフもUFCデビュー2連敗という難局に立つ。キャリア通算戦績は8勝2敗(8KO・TKO/0SUB)で、このうちUFC戦績が2敗(0KO・TKO/0SUB)。他団体での試合は全てKO・TKO勝ちで決めてきた強打の復活はなるか。

コーメイベントはオヴィンス・サン・プルー(37=アメリカ)とアロンゾ・メニフィールド(32=同)のライトヘビー級ワンマッチ。この試合は当初、8月22日(土・同)の『UFC on ESPN 15』で組まれていたが、サン・プルーが事前の新型コロナウイルス検査で陽性となったため、今大会に延期されていた。
サン・プルーは2016年のUFCライトヘビー級タイトルコンテンダーで、必殺のヴォンフルーチョークが有名。昨年9月の『UFC Fight Night 160』で、ミハル・オレクシェイチュク(25=ポランド)にヴォンフルーチョークで2R・一本勝ちし、3連敗を免れたが、今年5月の『UFC Fight Night 171』では、ベン・ロズウェル(38=アメリカ)にスプリット判定負けし、黒星先行となっている。
キャリア通算戦績は24勝14敗(11KO・TKO/8SUB)で、このうちUFC戦績が12勝9敗(4KO・TKO/6SUB)。今大会で再浮上のきっかけを掴めるか。
対するメニフィールドはUFCデビュー2連勝からの黒星という戦いぶり。2戦連続KO・TKO勝利で臨んだ今年6月の『UFC 250』で、デヴィン・クラーク(30=アメリカ)に判定負けし、キャリア10戦目にして初黒星を喫することとなった。
キャリア通算戦績は9勝1敗(8KO・TKO/1SUB)で、このうちUFC戦績が2勝1敗(2KO・TKO/0SUB)。その強打と決定力で連勝街道復帰を目指す。
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<計量結果>
Main Event
▼ヘビー級 5分5R
アリスター・オーフレイム(オランダ/同級5位)
→252.5ポンド・114.53kg
vs
アウグスト・サカイ(ブラジル/同級8位)
→261.5ポンド・118.61kg
※リミット265ポンド(120.2kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Co-Main Event
▼ライトヘビー級 5分3R
オヴィンス・サン・プルー(アメリカ)
→205.5ポンド・93.21kg
vs
アロンゾ・メニフィールド(アメリカ)
→204ポンド・92.53kg
※リミット205ポンド(92.99kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Main Card
▼ウェルター級 5分3R
ミシェル・ペレイラ(ブラジル)
→170.5ポンド・77.34kg
vs
ゼリム・イマダエフ(ロシア)
→171ポンド・77.56kg
※リミット170ポンド(77.11kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Main Card
▼フェザー級 5分3R
ブライアン・ケレハー(アメリカ)
→146ポンド・66.22kg
vs
ケビン・ナティブダド(アメリカ)
→144.5ポンド・65.54kg
※リミット145ポンド(65.77kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Main Card
▼ライト級 5分3R
ティアゴ・モイゼス(ブラジル)
→155.5ポンド・70.53kg
vs
ジェイリン・ターナー(アメリカ)
→155ポンド・70.31kg
※リミット155ポンド(70.31kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Preliminary Card
▼ミドル級 5分3R
アンドレ・ムニス(ブラジル)
→185.5ポンド・84.14kg
vs
バルトス・ファビンスキ(ポーランド)
184.5ポンド・83.69kg
※リミット185ポンド(83.91kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Preliminary Card
▼女子フライ級 5分3R
ビビアン・アラウジョ(ブラジル)
→126ポンド・57.15kg
vs
モンタナ・デ・ラ・ロサ(アメリカ)
125.5ポンド・56.93kg
※リミット125ポンド(56.7kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Preliminary Card
▼ヘビー級 5分3R
アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)
→259ポンド・117.48kg
vs
マルコス・ホジェリオ・デ・リマ(ブラジル)
→260.5ポンド・118.16kg
※リミット265ポンド(120.2kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。
Preliminary Card
▼バンタム級 5分3R
コール・スミス(カナダ)
→135ポンド・61.24kg
vs
ハンター・アジュール(アメリカ)
→135.5ポンド・61.46kg
※リミット135ポンド(61.24kg)。ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。