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< Bellator 229 >
2019年10月4日(金・現地時間)
アメリカ・カリフォルニア州テメキュラ ペチャンガ・リゾート・アンド・カジノ

▼セミファイナル ライト級 5分3R 
○ゴイチ・ヤマウチ(26=ブラジル)
一本 1R 1分40秒 ※腕十字
×サヤッド・アワッド(36=アメリカ)

ヤマウチの腕十字が極まる

 ヤマウチは愛知県で生まれ、3歳の時にクリチバに移り住んだという日系ブラジル人。2010年10月のプロデビューから現在までに23勝(1KO・TKO/19SUB)4敗の好戦績を収めており、19勝をサブミッションであげている寝技の強豪だ。3連勝で臨んだ昨年1月の『Bellator 192』では、元Bellator MMA世界ライト級王者マイケル・チャンドラー(アメリカ)に判定負けしたが、同年11月の『Bellator 210』ではダニエル・ヴァイチャル(ドイツ)に判定勝ちし、再び星を白に戻している。

 対するアワッドは2006年3月にプロデビューしたベテランで、戦績は23勝(10KO・TKO/7SUB)11敗。4連勝で臨んだ昨年10月の『Bellator 208』で、元UFC世界ライト級王者ベンソン・ヘンダーソン(アメリカ)に判定負けし、今年3月の『Bellator 219』でも、ブランドン・ガーツ(アメリカ)に判定負け。今大会で連敗脱出を目指す。

 1R、構えはヤマウチがサウスポーで、アワッドがオーソドックス。互いに前手を出して触り合う展開の中、左右ローと前蹴りを当てるアワッドに対し、ヤマウチが掛け蹴りを返す。アワッドは構わず前蹴りを入れ、続けて強烈な右フックで強襲。思った以上にパンチが伸びてきたか、まともに喰らってしまったヤマウチだが、すぐに「来い来い」とゼスチャーをみせる。

 ステップして離れるヤマウチとそれを追いかけるアワッド。再び前手で触れる間合いになると、右アッパーを振るったアワッドにヤマウチがタックルを合わせる。アワッドは素早く捌いて上を取るも、ヤマウチに下から腕十字をセットされて万事休す。アワッドは体を回転させても逃れることができず、苦悶の表情でタップした。ヤマウチが2連勝をマーク。アワッドは苦しい3連敗となった。


▼メインイベント ウェルター級 5分3R
×アンドレイ・コレシュコフ(29=ロシア/元Bellator MMA世界ウェルター級王者)
判定1-2 ※28-29、29-28、28-29
○ロレンズ・ラーキン(33=アメリカ)

ラーキンに上から攻め込まれるコレシュコフ

 コレシュコフは昨年9月の『Bellator 206』で、ウェルター級ワールドグランプリの1回戦に出場。過去にBellator MMA世界ウェルター級タイトルマッチで1勝1敗だったドゥグラス・リマ(ブラジル)と対戦し、一本負けで悔しい初戦敗退となった。今年3月の『Bellator 219』で再起戦に臨み、他団体で3連勝中だったマイケル・ジャスパー(アメリカ)から判定勝ちを収め、再起を飾っている。

 対するラーキンは『UFC』からの移籍初戦となった2017年9月の『Bellator NYC』で、いきなりリマのBellator MMA世界ウェルター級王座に挑戦するも判定負け。同年9月の『Bellator 183』でもポール・デイリー(イギリス)にKO負けを喫し、移籍後2連敗となっていたが、その後は2連勝をあげ、調子を取り戻している。

 1R、構えはともにオーソドックス。コレシュコフがラーキンの右ローを左手でキャッチし、すぐに右ストレートを振り抜くもこれは外れる。そのまま両者は組み合いに。ラーキンは鋭いヒザ蹴りを入れ、ボディロックから投げを狙うが、ここはコレシュコフが踏ん張る。コレシュコフはケージを背負うが、すぐに体勢を入れ替えることに成功し、肩パンチと右エルボーを入れてさっと離れた。

 試合は再び打撃戦。コレシュコフは頭と胸への左ジャブ打ち分けから、一気に踏み込んで右ロングフックを叩き込む。何事も無かったかのように構え直すラーキン。しかし、コレシュコフが左ジャブから電光石火の後ろ回し蹴りを放つと、ラーキンはステップバックが間に合わず、被弾しダウンする。

 右の拳を振るってフィニッシュにいくコレシュコフ。ラーキンは打たれながらも立ち上がる。コレシュコフは右フックをスイングするが、これは大振りになってかわされてしまう。すると、ひと呼吸置いて左ストレートを打ったコレシュコフに対し、今度はラーキンの左フックがカウンターでヒット。コレシュコフは片ヒザが一瞬がくっと落ちる。

 スリリングな展開に沸く会場。なおも追撃モードのコレシュコフは二段飛びヒザ蹴りを突き刺しにかかるが、これはラーキンが間一髪でかわす。着地してそのまま組んで押し込んでくるコレシュコフに、ラーキンは左エルボー。ここで両者は距離を取る。残り1分半の打撃戦でも両者が目を見開いて狙い合い、緊迫感のある攻防となった。

 2R、左ジャブの突き合いから、ラーキンが強烈な左ハイと左ミドルを蹴る。コレシュコフは後ろ回し蹴りを狙うが、今度はラーキンがすかさず組みついて潰す。続く組みの攻防で体勢が入れ替わり、ケージを背負ったのはラーキン。コレシュコフは押し込みながらヒザ蹴りとカカト蹴りを打ち込む。ラーキンもヒザ蹴りを返し、コレシュコフが一瞬組みを解いたところで左サイドにステップして距離を取る。

 するとここから徐々に流れが変化。ラーキンが左ジャブを突きながら前に出ていくようになり、コレシュコフの右オーバーハンド強襲を危うく被弾しかける場面もあったが、すぐに左右フックを返してたたみかける。ガードを固めて距離を取るコレシュコフに対し、攻め急ぐこと無く左ジャブを突きながら迫るラーキン。コレシュコフはケージ際に追い込まれたところで、電光石火のバックハンドエルボーで強襲するが、これは惜しくもヒットせず。

 残り1分30秒。ここでラーキンが仕掛け、軽めの前蹴りから一気に踏み込んで右フックを強打し、さらに首相撲の体勢から顔面ヒザ蹴り。ガードの間から喰らうかたちとなったコレシュコフがダウンする。上からエルボーを落としまくるラーキン。コレシュコフはなんとか立ち上がるが、ラーキンの右フックと顔面ヒザ蹴りを浴び、今度は崩れ落ちるようにダウンする。残り30秒。コレシュコフは足を絡ませてなんとかフィニッシュをまぬがれた。

 3R、左ジャブを伸ばして間合いを図り合う両者。コレシュコフはワンツーで仕掛けるが、ラーキンは素早くステップバックして当てさせない。たびたびヒザ関節の辺りを狙って右ローを蹴るラーキン。コレシュコフはこれを左手でキャッチすることに成功し、タックルに切り替えてテイクダウンを取る。

 ラーキンのフロントチョークを外してトップキープに入りたいコレシュコフ。だが、ラーキンは立ち上がり、背後から組みつき続けるコレシュコフにエルボーを打つ。そこからラーキンが胸を合わせてくると、コレシュコフはタックルに切り替えて再度テイクダウン。残り10秒でまたラーキンが立ち上がるが、コレシュコフも足をとらえたまま離さず、最後の最後にテイクダウンを追加した。

 互いにダウンを奪い合うなど白熱の攻防となったが、判定はスプリットでラーキンに軍配。ラーキンがホームタウンで元王者を破り、2連勝となった。


▼ミドル級 5分3R
×ジョー・シリング(35=アメリカ)
KO 3R 2分07秒
○トニー・ジョンソン(36=アメリカ)

シリング相手に殴り勝ったジョンソン(右)

 シリングはWBCムエタイ世界スーパーミドル級王座を獲得した実績を持ち、『GLORY』などでも活躍してきたキックボクサー。MMA(総合格闘技)の試合にもたびたび出場し、2014年11月の『Bellator 131』ではメルヴィン・マヌーフ(オランダ)相手にKO勝ちを収めたことも。MMAの試合は今年3月の『Bellator 219』で、キース・ベリー(アメリカ)に判定勝ちして以来となる。MMA戦績は4勝(2KO・TKO/1SUB)5敗。

 対するジョンソンは8勝(5KO・TKO)2敗の戦績を持ち、他団体の試合も含めて現在5連勝中。『Bellator』では過去1戦1勝で、今大会が2戦目だ。

 1R、シリングが鋭い左ミドル、左右ロー、右ストレートを飛ばし、片手クリンチからエルボーも狙う。ジョンソンは序盤から足を刈られて転倒するなど打撃戦で分が悪い状況が続いたが、終盤にケージを背負いながらの右フックでシリングをなぎ倒し、ダウンさせる。ジョンソンはパンチを落とし、ダースチョークにとらえるが極めきることはできなかった。

 2R、打撃戦が続き、シリングが腹への前蹴りからの右ストレート、単発の顔面前蹴りなどをヒットさせていく。中盤にジョンソンはタックルでテイクダウンに成功するが、シリングはすぐに立ち上がる。シリングは疲労してきたか、口が開き始め、終盤にはジョンソンの左右フックを被弾する場面も。

 3R、ステップも緩慢になってきたシリングに対し、ジョンソンはガンガン前に出てパンチを振るう。シリングの突き出した手がアイポークとなり、レフェリーが注意を与える。再開後、シリングの強烈なバックハンドブローを喰らっても、ジョンソンは間合いを詰めていく。シリングはエルボーを振るうも、これはジョンソンのガードの上。シリングはそのまま左ジャブを伸ばすが、ここでジョンソンに強烈な左フックを叩き込まれ、マットに大の字となった。


▼118ポンド(53.52キロ)契約 5分3R
○ケリ・テイラー・メレンデス(アメリカ)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
×マンディ・ポーク(アメリカ)

▼フェザー級 5分3R
○サリーム・ムハイディノフ(タジキスタン)
判定3-0 ※29-27、30-26、30-27
×アデル・アルタミミ(イラク)

▼ミドル級 5分3R
○アナトリー・トコフ(ロシア)
TKO 2R 4分38秒
×フラチョ・ダルピニャン(アルメニア)

▼ウェルター級 5分3R
○デレック・アンダーソン(アメリカ)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
×ギリェルミ・ボンバ(ブラジル)

▼ウェルター級 5分3R
○ジョーイ・ディヴィス(アメリカ)
KO 1R 1分00秒
×ジェフ・ピーターソン(アメリカ)

▼ミドル級 5分3R
○ジョニー・エブレン(アメリカ)
判定3-0 ※30-26、30-27、30-27
×マウリシオ・アロンゾ(ブラジル)

▼ミドル級 5分3R
○ウラジミール・トコフ(ロシア)
判定3-0 ※30-26、30-27、30-27
×ブランドン・ヘースティングズ(アメリカ)

▼ミドル級 5分3R
○ジョーダン・ニューマン(アメリカ)
TKO 1R 4分28秒
×ライリー・ミラー(アメリカ)

▼ミドル級 5分3R
×スンニ・イムホテップ(アメリカ)
判定1-2 ※28-29、29-28、28-29
○ケルヴィン・ゲンタパナン(グアム)

▼フェザー級 5分3R
○ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)
一本 1R 1分33秒 ※リアネイキドチョーク
×ホルヘ・フアレス(アメリカ)