2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナで『Bellator JAPAN』が開催されました。以下、試合レポート・結果です。

Bellator JAPAN Main Cards

Main Event
第6試合 スーパーファイト
▼ヘビー級 ユニファイドルール 5分3R
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(43=ロシア)
KO 1R 2分44秒
×クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(41=アメリカ)

ランペイジの顔面に鋭く重いパンチをヒットさせるヒョードル

 アメリカのBellatorがRIZINとの協力の下、日本初進出となる大会『Bellator JAPAN』を開催。メインイベントのヘビー級ワンマッチでは、PRIDEレジェンドファイターのヒョードルと“ランペイジ”・ジャクソンが拳を交えた。

 ヒョードルは2006年まで参戦したPRIDEでヘビー級絶対王者の地位を築き、その圧倒的な強さからついた異名は“60億分の1の男”や“氷の皇帝”など。2015年大晦日のRIZINで3年半ぶりに現役復帰を果たすと、2017年からはBellatorを主戦場とし、今年1月のヘビー級ワールドグランプリでは準優勝を飾っている。通算戦績は38勝6敗1ノーコンテスト(14KO・TKO/15SUB)。今大会が日本でのラストマッチだ。

 対するランペイジも2003年のPRIDEミドル級グランプリで準優勝するなど活躍。2007年にはUFC世界ライトヘビー級王座の戴冠も果たした。2013年からはBellatorを主戦場とし、キング・モー(アメリカ)、石井慧、ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)などから勝利をあげている。通算戦績は38勝13敗(20KO・TKO/4SUB)。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。ヒョードルは上下にステップを刻んでから一気に左フックで仕掛け、両手で顔を覆うランペイジに左アッパー連打を突き上げる。いったん距離を取ったヒョードルは左ジャブと右ストレート。ランペイジは右フックをフルスイングするも当てることができない。

 ヒョードルはパンチ連打から右ミドル。ケージを背負わされたランペイジが再び顔を覆う。ヒョードルはむやみに叩き込まず、ランペイジの様子をうかがって右フックを強打。側頭部付近に被弾したランペイジが前のめりに倒れ込み、試合は決着することとなった。

 ヒョードルが日本ラストマッチで圧巻の1R2分44秒KO勝ち。マイクを向けられたヒョードルは「皆さんと共にこの場で時間を過ごし、勝利を分かち合えたことを心から嬉しく思います。これが日本の皆さんに直接試合を見て頂く最後の機会になります。長いキャリアの中、皆さんにサポートして頂けたことに改めて心から感謝申し上げます」と日本のファンに感謝の言葉を贈り、最後は「皆さんに愛を届けます」と締め括った。


Co-Main Event
第5試合 スーパーファイト
▼160ポンド(72.5kg)契約 ユニファイドルール 5分3R
○マイケル・チャンドラー(33=アメリカ)
KO 1R 2分59秒
×シドニー・アウトロー(27=アメリカ)

大きく踏み込んで右の拳を振り抜くチャンドラー

 チャンドラーと当初対戦する予定であった元UFC世界ライト級王者ベンソン・ヘンダーソン(アメリカ)が負傷欠場(一報は12月5日)。アウトローが代役として参戦し、チャンドラーを拳を交えることになった。

 チャンドラーは2010年9月のプロ4戦目から25戦目となる今大会までをBellator一筋で過ごし、3度の王座獲得と3度の王座陥落を味わってきた、まさに“Mr. Bellator”とも言える存在。今年5月の『Bellator 221』でパトリシオ・ピットブル(ブラジル)に1R61秒TKO負けし、みたびBellator世界ライト級王座を失うこととなったが、団体の看板ファイターとして初進出の日本で再起を図る。

 対するアウトローは今年11月の『Bellator 234』で5年ぶり2度目となるBellator参戦を果たし、UFC経験者のロジャー・フエルタ(アメリカ)を相手に判定勝ち。急遽の参戦となった今大会で元王者に挑む。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。開始と同時にチャンドラーが間合いを縮め、鋭い踏み込みからアウトローの顔面と腹に右の拳を振るう。アウトローはチャンドラーの強烈な右ボディストレートをたびたび喰らうが、あまりダメージを感じさせることなく左ジャブ・フックと右カーフで応戦する。

 同様の展開がしばし続く中、右の拳を徐々に上げて狙いを定めるチャンドラー。アウトローもパンチの打ち合いで引かない。しかしほどなく、アウトローの踏み込み合わせて、チャンドラーが右ストレートを叩き込んで試合を決めた。

 チャンドラーはバク宙2連発で喜びを表し、モンスターエナジー片手に勝利者コールを聞く。そしてマイクを向けられた“Mr. Bellator”は「シドニー・アウトローがいなければここへ立つことができなかった」と代打参戦のアウトローに敬意を示し、「毎試合毎試合、ベストなマイケル・チャンドラーを見せたいと思って臨んでいる。まだまだタイトルに飢えている」と4度目の戴冠を誓った。


Main Card
第4試合 スーパーファイト
▼173ポンド(78.5kg)契約 ユニファイドルール 5分3R
○マイケル・“ヴェノム”・ペイジ(32=イギリス)
KO 2R 23秒
×安西信昌(34=日本)

ペイジの飛び膝蹴り。入場〜試合〜マイクまで存分に持ち味を見せた

 ペイジは持ち前のキャラクターと回転・跳躍系の蹴り技を駆使するファイトスタイルで人気を集め、その実力もBellatorウェルター級でトップクラス。今年5月の『Bellator 221』でドゥグラス・リマ(ブラジル)と同級ワールドグランプリの準決勝を戦い、2RKO負けでキャリア15戦目にして初黒星を喫することとなった。その後は2連勝し、前戦から中1カ月で今大会に臨む。通算戦績は16勝1敗(10KO・TKO/3SUB)。

 対する安西は爆発力のある剛腕を武器にパンクラスでミドル級王者にまで上り詰め、UFC参戦も経験してきた実力者。UFCでは2勝2敗の戦績を残している。通算戦績は11勝3敗(7KO・TKO/0SUB)。

 1R、ペイジは両腕を下げた半身の構えでステップを刻み、安西がタックルに出れば飛び膝蹴りで迎撃、そして間合いが開けば左ジャブ、右ストレート、二段蹴りを繰り出す。安西はペイジの飛び膝蹴りを顔面で受け止めてケージに押し込むもテイクダウンできない。

 ペイジの予測不能な鋭い打撃に顔を覆う場面もある安西。ペイジはワンツーで安西をダウンさせても追撃することなくスタンドを要求する。安西が立ち上がると、ペイジは右ストレートやアクロバティックな蹴り技の猛攻を浴びせ、独壇場へと持ち込む。

 2R、飛び膝蹴りと右ストレートのコンボで仕掛けるペイジ。粘りを見せる安西も左の拳と共に飛び込む。しかし次の瞬間、ペイジが電光石火の右ショート一閃。安西はマットに崩れ落ちた。

 ペイジが持ち味を存分に見せてのKO勝ち。試合後、マイクを向けられたペイジは「ジャパーーーーン!」と陽気に第一声を発し、「皆がまた日本に来て欲しいと言うなら、俺はいつでも戻ってくるぜ」と日本再登場を予告した。


Main Card
第3試合 Bellator×RIZIN対抗戦
▼173.5ポンド(78.7kg)契約 ユニファイドルール 5分3R 
○ロレンズ・ラーキン(33=アメリカ/Bellator)
判定3-0 ※30-27、30-26、30-26
×中村K太郎(35=日本/RIZIN)
※ラーキンがウェルター級規定体重をオーバー、試合は173.5ポンド(78.7kg)契約で実施。

常に一工夫加えるようにしているというラーキンの打撃

 1勝1敗で迎えたBellator×RIZIN対抗戦の中堅戦。Bellatorからはラーキン、RIZINからは中村が登場した。

 ラーキンはStrikeforceを経て2013年からUFCに参戦し、ホルヘ・マスヴィダル(アメリカ)やニール・マグニー(同)を破るなどウェルター級ランカーとして活躍。Bellatorでもタイトル戦線に絡んでおり、今年10月の『Bellator 229』では、元Bellator世界ウェルター級王者アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)に判定勝ちしている。

 対する中村は2015年にDEEPウェルター級王座を獲得し、今年4月まではUFCに参戦していた日本屈指の実力者。今年10月の『RIZIN.19』で4年ぶりに国内復帰し、マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)に1R75秒TKO勝ちしている。

 ラーキンが前日計量をオーバーしたため、試合は契約体重で実施された。

 1R、サウスポーの中村が積極的に前に出ての左ジャブと左フック。オーソドックスのラーキンは距離を取りながら右ミドル、右ハイ、関節蹴りを繰り出す。ラーキンの右ハイ強襲は中村がブロック。徐々にパンチの手数とスピードを増してくるラーキンに対し、中村も右アッパーや左ハイを返す。

 2R、ラーキンが鋭い関節蹴りで中村の前進を止め、一気に踏み込んで右の拳を飛ばす。中村がパンチ連打と右ミドルでラーキンを下がらせる場面も。ラーキンは中村の左ストレートに右アッパーを合わせ、さらにパンチをまとめながらの前蹴り、飛び膝蹴り、エルボーなどで攻勢を強める。

 3R、ラーキンは中村の圧力をステップでかわし、時おり足を止めて右ストレート。中村は粘り強く追いかけていくが、被弾が増えて左まぶたから出血する。中村のタックルにはがぶって対処するラーキン。中村は懸命に足を捕らえるが、ラーキンの拳と肘を浴びてしまう。終盤にかけてはラーキンが流しつつも飛び膝蹴りと右フックを入れた。

 満場一致の判定勝ちを収めたラーキンは、「(中村は)最もタフな対戦相手の一人だ。当てれるものは全て当てたが倒れなかった」と試合を振り返った。


Main Card
第2試合 Bellator×RIZIN対抗戦
▼女子フライ級 ユニファイドルール 5分3R 
×イララ・ジョアニ(25=ブラジル/Bellator)
TKO 3R 4分39秒
○渡辺華奈(31=日本/RIZIN)

上から拳を落とす渡辺

 Bellator×RIZIN対抗戦。次峰としてBellatorからジョアニ、RIZINから渡辺が出場した。

 ジョアニは今年10月の『Bellator 231』でBellatorに初参戦し、ハム・ソヒ(韓国)に判定勝ちしたこともある元UFCのベック・ローリングス(オーストラリア)相手に、2R一本勝ちを収めた。通算戦績は9勝4敗(4KO・TKO/3SUB)。

 対する渡辺は柔道出身で2017年に総合格闘家としてプロデビュー。DEEP JEWELSを主戦場としながらRIZINにも参戦し、ベテランの杉山しずかを2度破るなど活躍している。通算戦績は8勝1分(2KO・TKO/3SUB)。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。パンチの勝負に応じる構えの渡辺だが、ジョアニの鋭い左右フックに脅かされる。組みに切り替えた渡辺は投げからテイクダウン。ジョアニは下からの三角絞めに捕らえる。しばし我慢の時間が続いた渡辺であったが、終盤にかけてはサイドから鉄槌を落とし、ジョアニの背後を取るなど巻き返す。

 2R、首相撲に捕らえて投げを狙う渡辺に対し、ケージに押し込むジョアニ。渡辺の投げを返してジョアニが素早く上を取る。立ち上がりたい渡辺はケージを背に座った状態。ジョアニは渡辺の足を束ねて押さえ込む。終盤に渡辺が返して鉄槌の猛攻を浴びせる。

 3R、渡辺が早々に投げでテイクダウン。ジョアニは下からエルボーと三角絞めを狙う。渡辺は強烈な鉄槌を返しながらマウントを狙い、終了間際にバックマウントを取って左右の拳を落としまくる。一方的に打ち込まれるジョアニの様子を見て、レフェリーがストップに入った。

 最後は渡辺の拳で試合が決着。粘り強く戦った渡辺が対抗戦でRIZINに1勝目をもたらし、「ありがとうござます。ジョアニ選手はすごく強かったので、勝ててホッとしています。RIZIN代表としてファンの皆さんの思い、他の選手の皆さんの思いを背負って戦いました」と勝利のコメントを述べた。


Main Card
第1試合 Bellator×RIZIN対抗戦
▼157.8ポンド(71.6kg)契約 ユニファイドルール 5分3R
○ゴイチ・ヤマウチ(26=ブラジル/Bellator)
一本 1R 3分11秒 ※リアネイキドチョーク
×ダロン・クルックシャンク(34=アメリカ/RIZIN)
※ゴイチがライト級規定体重をオーバー、試合は157.8ポンド(71.6kg)契約で実施。

チョークでクルックシャンクを絞め上げるゴイチ

 Bellator×RIZIN対抗戦の先鋒戦。Bellatorからは寝技の強豪ゴイチ、RIZINからはストライカーのクルックシャンクが出場した。

 ゴイチは2010年のプロデビューから23勝4敗(1KO・TKO/19SUB)の好戦績をあげ、このうち実に19勝がサブミッションによるもの。3連勝で臨んだ昨年1月の『Bellator 192』では、元Bellator世界ライト級王者マイケル・チャンドラー(アメリカ)に判定負けしたが、同年11月の『Bellator 210』ではダニエル・ヴァイチャル(ドイツ)に判定勝ちし、再び星を白に戻している。

 対するクルックシャンクはテコンドーとレスリングを経て、2009年にプロデビュー。2012年から3年半をUFCで過ごし、6勝6敗1ノーコンテスト(3KO・TKO/0SUB)の戦績を残している。RIZIN戦績は5勝4敗(5KO・TKO/0SUB)。修斗世界ライト級王者・松本光史や元UFCのディエゴ・ブランダオン(ブラジル)にKO・TKO勝ちしている。

 ゴイチが前日計量をオーバーしたため、試合は契約体重で実施された。

 1R、構えは両者共にサウスポー。間合いの駆け引きの中、バックハンドブローを狙ったクルックシャンクに対し、素早く組みつくゴイチ。クルックシャンクはゴイチを背負った状態となる。ゴイチはケージを蹴ってクルックシャンクを崩してグラウンドに持ち込み、ほどなくチョークに捕らえて絞め上げ。クルックシャンクはタップ直後に気を失った。

 ゴイチがクルックシャンクに打撃を出させる間もなく一本勝ち。ゴイチが対抗戦でBellatorに1勝目をもたらした。


Bellator JAPAN Postlims, Powered by RIZIN

Postlim
第14試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼71.0kg RIZIN MMAルール 5分3R ※肘あり
○矢地祐介(29=日本)
TKO 3R 4分33秒
×上迫博仁(32=日本)

最初にダウンを奪われた矢地(左)だが、最後まで集中力を切らさず、上迫(右)を逆転TKOした

 矢地は2012年に修斗環太平洋ライト級王座、2015年にPXCフェザー級王座に就いた実績を持ち、2016年からはRIZINの看板ファイターとして活躍中。元UFCのダロン・クルックシャンク(アメリカ)をKOに下すなどし、いきなり5連勝を飾ったが、ここ3試合はルイス・グスタボ(ブラジル)にKO負け、ジョニー・ケース(アメリカ)にTKO負け、朝倉未来に判定負けという状況だ。

 対する上迫は2017年にDEEPフェザー級王座を戴冠。Road to UFC JAPANにエントリーされるなど、国内のフェザー級とライト級における実力者として活躍してきた。RIZINには今年8月に初参戦し、イーブス・ランドゥー (フランス)に2RTKO勝ち。10月にはライト級GPに出場したが、グスタボに1RTKO負けし、1回戦敗退となった。

 1R、構えは矢地がサウスポー、上迫がオーソドックス。鋭い左ミドルを蹴っていくのは矢地。上迫は左ジャブで圧力をかけ、矢地をケージ際に追い込んでから右ストレートを振り抜く。矢地も右方向へ足を運びながら徐々にパンチを返すようになり、右フックからの左ハイがヒット。上迫は顔面から出血が見られる。

 2R、ドクターチェックを受けてから試合に入る上迫。パンチで迫る上迫に対し、矢地が間合いを保ちながら左インローと左ミドルを蹴る。上迫が右ストレートを当てれば、矢地も左ストレートを返して譲らず。試合が動いたのは中盤。上迫が右の拳で矢地をダウンさせる。上迫が得意のサッカーボールキック、そしてパウンド連打。矢地はガードポジションで堪える。

 3R、ジャブを突き合う両者。上迫が間合いを詰めた所で矢地が首相撲から膝蹴りを突き上げる。上迫が右ミドルを蹴れば矢地が左ミドル。組みにいく動きも見せる上迫に対し、矢地が左ストレートを返していく。圧力が落ちない上迫であったが、終盤に矢地の左ジャブからの右フックを被弾してダウン。矢地はサッカーボールキックでとどめを刺し、レフェリーストップを呼び込んだ。

 逆転TKOで連敗脱出を果たした矢地はマイクを握ると、「去年から負けが込んでいる中、チームメイト、家族、ファン、そしてスポンサーの皆さんが懲りずに応援してくて、ありがとうございました。本当に嬉しいです」と勝利のコメントを述べ、涙を流しながら花道を歩いた。


Postlim
第13試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼49.0kg RIZIN女子MMAルール 5分3R ※肘あり
○浅倉カンナ(22=日本)
一本 3R 3分33秒 ※アームロック
×ジェイミー・ヒンショー(30=アメリカ)

粘り強いヒンショー(右)を粘りのアームロックで仕留めた浅倉(左)

 浅倉は2017年にRIZIN女子スーパーアトム級トーナメントに出場し、決勝でRENAに一本勝ちして優勝。だが、昨年12月の同級王座決定戦では浜崎朱加に一本負けし、初戴冠を逃している。前戦は今年8月の『RIZIN.18』、山本美憂に判定負けしてからの再起戦でアリーシャ・ザペテラ(アメリカ)に判定勝ち。今大会で連勝を狙う。

 対するヒンショーはKOTC(King of the Cage)女子アトム級王者。昨年5月の『RIZIN.10』で浅倉カンナと判定までもつれたメリッサ・カラジャニス(カナダ)とは2度対戦し、いずれも一本勝ちしている。

 1R、構えは浅倉がサウスポー、ヒンショーがオーソドックス。浅倉は左インロー、左ストレート、右フックなど打撃を散らし、右ジャブからのタックルでテイクダウン。ヒンショーは下から足を暴れさせて抵抗する。浅倉はこれを捌いてマウント。ヒンショーは浅倉に転がされ、バックマウントからのチョークで攻め込まれる。

 2R、左ジャブを打つヒンショーに対し、浅倉が強烈な左ミドル。浅倉のタックルはヒンショーが防ぐ。浅倉はパンチを散らして再びタックルを仕掛けると、今度はテイクダウンに成功。浅倉はサイドからアームロックに捕らえ、ヒンショーが返したところで腕十字に切り替える。ヒンショーは腕が伸び切るもなんとかゴングに救われた。

 3R、浅倉が早々にタックルでテイクダウンし、スクランブルに持ち込もうとするヒンショーを押さえ込む。ヒンショーの上体に乗った体勢からアームロックを仕掛け続ける浅倉。ヒンショーは腕を捻じ曲げられても粘りを見せるが、最後はレフェリーストップとなった。

 浅倉がKOTC王者を相手に会心の一本勝ち。2連勝となった浅倉は、「応援ありがとうございます。今年最後の試合で一本勝ちできて嬉しいです。煽りVでは独りの感じになってしまいましたが、こうして会場の皆が応援してくれて、一緒に喜ぶことができて本当に幸せ者だなと思います。来年も頑張るので皆さんも応援宜しくお願いします」と、時おり涙に声を詰まらせながらもしっかりと前を向いた。


Postlim
第12試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼53.0kg RIZIN MMAルール 5分3R ※肘あり
×越智晴雄(35=日本)
判定0-3
○ジャレッド・ブルックス(26=アメリカ)

ブルックス(右)は得意のかたちに持ち込み、越智(左)との再戦を制した

 両者は今年8月の『RIZIN.18』で対戦。1R開始直後のバッティングで越智が流血し、ノーコンテストに終わっている。今大会で再戦となった。

 越智はDEEPストロー級王者。昨年9月の『RIZIN.13』ではパンクラス3階級制覇の砂辺光久をKOに下している。対するブルックスはパンクラス参戦を経てUFCに出場。UFCフライ級で2勝2敗の成績を残している。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。ブルックスのバックハンドブローと越智のタックルが交錯。ブルックスは越智を抱え上げると、ケージ際に運んでからマットに落とす。越智の立ち際に背後から飛びつくブルックス。越智はブルックスのチョークに備える。ブルックスが越智の背中に乗ったまま拳を落とし続けた。

 2R、ブルックスが二段蹴りからのタックル。越智はケージを背に尻餅を着く。ブルックスは立ち上がろうとする越智をしぶとく組み伏せると、再び背中に飛び乗っての拳と肘で攻め込む。越智は我慢の展開が続く。

 3R、ブルックスが右方向へサークリング。越智は追いかけて左右フックを振るうが、ブルックスにタックルを合わされてしまう。スープレックスで越智を投げるブルックス。越智も下からのチョークで惜しい場面を作るが、ブルックスはこれを外して上をキープ。ブルックスがスクランブルからチョークを狙った所で試合終了となった。

 ブルックスが得意の体勢に持ち込み続けて越智を完封し、判定勝ちで再戦を制すと共にRIZIN2戦目で初勝利となった。


Postlim
第11試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼68.0kg RIZINキックボクシングルール 3分3R
○平本 蓮(21=日本)
TKO 1R 2分45秒
×芦田崇宏(30=日本)

平本(左)が1年9カ月ぶり復帰戦で芦田(右)を圧倒KOした

 平本は“新生K-1の申し子”と呼ばれ、2017年2月のK-1ライト級王座決定トーナメントで準優勝するなど活躍。昨年3月には日本人で初めてゲーオ・ウィラサクレック(タイ)にKO勝ちしている。その後、K-1を離れて新天地に向かうことを決断。Bellator Kickboxingの王座獲得も視野に入れ、今大会で1年9カ月ぶりの戦線復帰を果たす。

 対する芦田は2017年12月にDEEPフェザー級王座を獲得した実績を持つ総合格闘家。今年10月の『DEEP 92 IMPACT』では強打者の長倉立尚を判定で下している。

 1R、開始早々から平本が強烈な右ミドルと右ストレートを飛ばし、芦田が詰めてくれば膝蹴り。しばし見合った所から平本が右ハイを蹴り、芦田をよろめかせる。平本はパンチの連打で猛攻。足がもつれるようになった芦田は平本の左の拳を喰らってダウンする。

 出血が見られる芦田にドクターチェックが入り試合再開。芦田は距離を取りながら前蹴りと左ハイを返すが、平本の右ストレートで2度目のダウン。平本は芦田のクリンチ際に右フックヒットさせ、3度目のダウンを取ってTKO勝ちを収めた。
 
 圧勝で復帰戦を飾った平本は「K-1から来ました平本です」と自己紹介し、「僕の土俵で勇気を持って戦ってくれた芦田選手に拍手をお願いします。一生試合ができないんじゃないかと思うこともあって、そんな時に支えてくれた家族や友人、スポンサーの皆さんに感謝したいです。これからRIZINの看板選手になるので応援お願いします」と涙を流しながら懸命に感謝の言葉を伝えた。


Postlim
第10試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼58.0kg RIZIN MMAルール 5分3R ※肘あり
×中村優作(33=日本)
判定0-3
○神龍 誠(19=日本)

ノンストップの攻めで中村(左)に息つく暇を与えなかった神龍(右)

 WSOF GCフライ級王座を保持する33歳の中村と19歳のDEEPフライ級王者・神龍の一戦。1Rにいきなり神龍のタックルと中村の飛び膝蹴り交錯。神龍がテイクダウンを決め、ケージに押し込みながら右フックと足への踏みつけ、終盤には中村の立ち際にチョークを極めかけるなど攻め込む。

 2R序盤に神龍のバッティングと中村のローブローで試合が中断。苦悶の表情の神龍だが再開直後にはタックルと打撃で次々と仕掛け、中村を押し込む展開が続く。3Rには神龍がタックルの仕掛けからチョークに捕らえ、押さえ込みながらのパウンド。神龍が中村を判定で下し、RIZIN初陣を飾った。


Postlim
第9試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼49.0kg RIZIN女子MMAルール 5分3R
×アンディ・ウィン(アメリカ)
判定1-2
○あい(日本)

Postlim
第8試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼77.0kg RIZIN MMAルール 5分3R ※肘あり
×住村竜市朗 (日本)
KO 1R 3分46秒
○ジョン・タック(グアム)

Postlim
第7試合 RIZIN提供スペシャルワンマッチ
▼120kg RIZIN MMAルール 5分3R ※肘あり
○シビサイ頌真(日本)
一本 1R 49秒 ※アキレス腱固め
×セルゲイ・シュメトフ(ロシア)