3年9カ月の時を経てようやく実現した再戦。チャンドラーがヘンダーソンを1Rでマットに這わせ、返り討ちにした Photos(C)Bellator MMA

 2020年8月7日(金・現地時間)、『Bellator 243』がアメリカ・コネチカット州アンカスヴィルのモヒガン・サン・アリーナ(無観客)で開催されました。以下、試合レポート・結果です。

Main Event
▼ライト級 5分3R
○マイケル・チャンドラー(34=アメリカ)
KO 1R 2分09秒
×ベンソン・ヘンダーソン(36=アメリカ)

右ストレートで仕掛けるチャンドラー

 元Bellator世界ライト級王者のチャンドラーと元UFC世界ライト級王者のヘンダーソンが、3年9カ月ぶりとなる再戦に臨んだ。

 両者の初対決は2016年11月の『Bellator 165』。この時は5分5RのBellator世界ライト級タイトルマッチだったが、両者譲らずの激闘を繰り広げた末、結果はスプリット判定でチャンドラーに軍配が上がり、王者の初防衛成功となった。

 その後もファンからは再戦が待ち望まれ、昨年末の『Bellator 237』(Bellator JAPAN)で一度は試合が決まるも、ヘンダーソンの負傷欠場により実現ならず。今年6月の『Bellator 244』(イリノイ州シカゴ)で、改めて試合が組まれることになったが、今度は新型コロナウイルスの流行により、大会自体が中止に。二度に渡る延期を経て、今回、ついに再戦実現となった。

 1R、オーソドックスのチャンドラーが前手で距離を測りながら右ミドル。サウスポーのヘンダーソンは左ミドルでチャンドラーの前進を食い止めんとし、鋭いワンツーも振り抜く。チャンドラーが細かい左ジャブの連打から右ストレートで仕掛ければ、ヘンダーソンは右アッパーと左ストレートで迎撃。緊迫感のあるパンチの攻防だ。

 チャンドラーは右ミドルの蹴り足をそのまま前に降ろしてサウスポーにスイッチ。するとこの直後、チャンドラー渾身の左ストレートがヘンダーソンの顔面をとらえた。膝から崩れ落ちるヘンダーソン。チャンドラーはとどめの右拳を振り落とし、ヘンダーソンをマットに這わせた。

 衝撃のKO決着。チャンドラーがヘンダーソンを返り討ちにした。

 この試合でBellatorとの現契約が満了となるチャンドラー。今後については「いずれ分かることになる。この地球上にいる全てのライト級選手達よ、時は迫っている。これは警告だ」と、含みを持たせ、「Bellatorがあってこその自分だ」と、団体に向けて感謝の言葉も伝えた。

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Co-Main Event
▼ヘビー級 5分3R
×マット・ミトリオン(42=アメリカ)
TKO 1R 3分14秒
○ティモシー・ジョンソン(35=アメリカ)

ミトリオンを押さえ込むジョンソン

 ミトリオンは元UFCファイター。前回の試合出場は昨年8月の『Bellator 225』で、セルゲイ・ハリトーノフ(39=ロシア)に2R・TKO負けだった。

 対するジョンソンも元UFCファイター。前回の試合出場は今年2月の『Bellator 239』で、当時8戦全勝とノリに乗っていたタイレル・フォーチュン(30=アメリカ)相手に1R・KO勝ちし、新天地3戦目で初白星を掴むこととなった。

 1R、構えは両者共にサウスポー。ファーストコンタクトでいきなり両者の巨体がぶつかり、ミトリオンが転倒する。ジョンソンはサイドから押さえ込み。ほどなくしてミトリオンはエスケープしようと体を反転させるが、ジョンソンに背後から潰されて鉄槌連打も喰らう。頭を抱えたまま動けなくなるミトリオン。レフェリーが試合を止め、ジョンソンのTKO勝ちが決まった。


Preliminary Bout
▼女子フライ級 5分3R
○ヴァレリー・ルレーダ(22=アメリカ)
KO 2R 5分00秒
×タラ・グラフ(34=アメリカ)

会心のTKO勝ちにルレーダはこの表情だ

 ルレーダはBellatorでプロキャリアをスタートさせ、現在までの通算戦績が2戦全勝(1KO・TKO/0SUB)。テコンドー仕込みの蹴り技とフットワークを持ち味とし、アグレッシブに繰り出すパンチも強烈だ。前戦は昨年7月の『Bellator 222』で、ラーキン・ダッシュ(23=アメリカ)に判定勝ち。今回は1年ぶりの参戦となる。

 対するグラフはKOTC(King of the Cage)でプロキャリアをスタートさせ、現在までの通算戦績が1勝1敗(1KO・TKO/0SUB)。前戦は2018年11月の『KOTC: In The Mix』まで遡り、アリベス・ロール・ミリロン(30=アメリカ)に3R・TKO負けだった。今回は1年10カ月ぶりの復帰戦にしてBellator初陣となる。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。右方向へサークリングするルレーダに対し、グラフがケージ中央から追いかける。ルレーダは足を止めて鋭いワンツーを突き刺すと、すぐにサークリングを再開。グラフは懸命に追いかけて左右オーバーハンドを振るうが、ルレーダにかわされるか、カウンターを返されてしまうか、という状況が続く。 

 2R、戦況は変わらず、ルレーダのペース。ルレーダは右方向へのサークリングからストップしてワンツーもしくは左右フック。ルレーダはいずれかの攻撃を当てると、サークリングを再開してグラフの返す左右オーバーハンドから遠ざかることもあれば、足を止めて左右フックのカウンターを狙うこともある。

 すると終了間際、左インローを蹴ったグラフに対し、ルレーダ渾身の右フックが見事に炸裂。グラフは腰から完全に崩れ落ちて脱力する。ルレーダーはすかさず鉄槌を連打。終了のゴングが鳴らされたところで、レフェリーストップとなり、ルレーダのTKO勝ちが決まった。


Main Card Bout
▼ライト級 5分3R
○マイルズ・ジュリー(アメリカ)
判定2-1 ※27-30、30-27、29-28
×ジョージ・カラカニヤン(ロシア)

Main Card Bout
▼175ポンド(79.38kg)契約
○サバ・ホマシ(アメリカ)
判定3-0 ※29-28、29-28、29-28
×カーティス・ミレンダー(アメリカ)

Preliminary Bout
▼154.6ポンド(70.13kg)契約 5分3R
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
判定2-1 ※29-28, 28-29, 29-28
マイク・ヘメル(アメリカ)
※ヘメルの体重超過により、試合はリミット150ポンド(68.04kg)契約から154.6ポンド(70.13kg)に変更して行われた。

Preliminary Bout
フェザー級 5分3R
○クリス・レンシオーニ(アメリカ)
判定3-0 ※30-26、30-27、29-28
×AJ・アガザーム(アメリカ)

Preliminary Bout
▼ライトヘビー級 5分3R
○グラント・ニール(アメリカ)
判定3-0 ※30-26、30-27、30-24
×ハムザ・サリーム(アメリカ)

Preliminary Bout
▼ライト級 5分3R
×ナイノア・ダン(アメリカ)
TKO 2R 1分42秒
○チャーリー・キャンベル(アメリカ)

Preliminary Bout
▼ミドル級 5分3R
○ダルトン・ロスタ(アメリカ)
TKO 1R 終了時点 ※ドクターストップ
×マーク・ガードナー(アメリカ)