▼MAIN CARD ウェルター級 3分3R
○ディミトリ・メーンシコフ(21=ロシア/GLORY世界ウェルター級7位)
TKO 2R 2分59秒
×ヨアン・コンゴロ(32=スイス)

まぶたがぱっくり割れてしまったコンゴロ

 メーンシコフは昨年10月の『GLORY 60: Lyon』からGLORYに参戦し、いきなり2戦連続でKO・TKO勝利をあげた若き新鋭だ。戦績は通算で20勝(16KO)2敗。

 対するコンゴロは2017年3月の『GLORY 39: Brussels』でセドリック・ドゥンベ(フランス)のGLORY世界ウェルター級王座に挑戦し、敗れはしたが判定までもつれ込んでいる実力者。近年はプロボクシングでも14勝1敗の戦績を残すなど活躍した。GLORYには同年6月の『GLORY 42: Paris』でヨアン・リドン(フランス)に判定勝ちして以来、2年4カ月ぶりの参戦となる。戦績は通算で65勝(46KO)8敗1ノーコンテスト、GLORYで5勝(1KO)4敗1ノーコンテスト。

 1R、構えは両者ともにオーソドックス。リング中央に入ったメーンシコフに対し、コンゴロは左ハイ、右ロー、左ミドル、右ローからワンツーを丁寧に当てていく。左ボディから右ローを返すメーンシコフ。コンゴロは左右フックからヒザ蹴り、さらにワンツーも素早く突く。コンゴロは手数が多く、ハンドスピードは流石の速さ。メーンシコフも左右フックをパワフルに振るって向かっていくが、終了間際の打ち合いでコンゴロの右アッパーが被弾する。

 2R、いきなりコンゴロがワンツーで奇襲にいくが、メーンシコフが強烈な左右フックで応戦。コンゴロはいったん距離を取る。コンゴロは構えをスイッチしながらリング際を移動し、パンチのコンビネーションから左右ローと前蹴り、さらに後ろ回し蹴り、二段飛びヒザ蹴り、カカト落としなども繰り出す。

 しかし、打たれてもぬっと前に出て左右フックのカウンターを狙うメーンシコフ。コンゴロはプッシュして飛びヒザ蹴り、さらに左ハイを放つが、メーンシコフはそのまま間合いを詰めてクリンチから顔面ヒザ蹴りを三度突き上げる。するとコンゴロが顔を背けるようにしながら倒れ込み、メーンシコフが先制のダウンを奪う。

 コンゴロは立ち上がるも、再びメーンシコフのクリンチにつかまり、顔面ヒザ蹴りの連打で左まぶたをカットして大流血。レフェリーがドクターチェックを要請すると、すぐに試合が止められた。メーンシコフがタイトルコンテンダー相手にTKO勝ちし、3連勝をマーク。コンゴロは2年ぶりの復帰戦でリードしながらも、一発で形勢を引っくり返されるかたちで敗れた。


▼SUPERFIGHT SERIES ライトヘビー級 3分3R
×フェリペ・ミチェレッティ(29=ブラジル/GLORY世界ライトヘビー級2位)
延長判定0-5 ※45-50、45-50、45-50、45-50、45-50
○ステファン・サスペラギー(35=フランフ/GLORY世界ライトヘビー級7位)
※本戦は29-27(ミチェレッティ)、29-27(ミチェレッティ)、28-28、28-28、28-28。

ストレートで打ち抜くサスペラギー

 ミチェレッティは昨年10月の『GLORY 60: Lyon』でGLORYに初参戦し、いきなりWBCムエタイ世界スーパークルーザー級王者ジネディーヌ・ハウメールレイン(フランス)を相手に1RでTKO勝ち。続く今年6月の『GLORY 66: Paris』では、元Enfusionライトヘビー級王者ルイス・タヴァレス(オランダ)にも判定勝ちし、現在デビュー2連勝中だ。 戦績は通算で16勝(5KO)7敗。

 対するサスペラギーは戦績が通算で48勝(28KO)9敗2分だが、GLORYでは過去2戦して2敗と勝ち星が無い。ただ、1戦目は2013年3月の『GLORY 5: London』で元IT’S SHOWTIME 95kgMAX世界王者ダニョ・イルンガ(ドイツ)にKO負け、2戦目はそれから5年半後、昨年10月の『GLORY 60: Lyon』でタイトルコンテンダーのドネギ・アベナ(スリナム)に判定負けと、いずれもトップクラス相手だった。

 1R、構えは両者ともにオーソドックス。サスペラギーが開始早々に伸びのある右ストレートを顔面と腹に打ち分け、ミチェレッティの出鼻をくじく。サスペラギーが攻めては左ミドルと左フックの連続攻撃を当て、守っては左右に足を使って動き、ミチェレッティに当てさせない。

 しかし、残り30秒に迫ったところで、右ミドルを蹴ったサスペラギーに対し、ミチェレッティはブロッキングから全く無駄のない動きで左ショートフックをリターンし、だめ押しの右フックでサスペラギーをダウンさせる。立ち上がったサスペラギーがバックハンドブローからクリンチしたところでゴングとなった。

 2R、サスペラギーが右ハイから右ストレートを打ち下ろし、さらに左右フックの連打から飛びヒザ蹴り。ロープを背負ったミチェレッティはクリンチに逃れる。サスペラギーはダメージを感じさせない動きだ。サスペラギーは左ジャブからの右ロー、そして右ハイで強襲が、ミケレッティの首をとらえる。ミチェレッティは掛け蹴りを返すも、これは不発。サスペラギーはワンツーの右ストレートをミチェレッティのガードの隙間から突き刺すなど、1Rのダウンを挽回する攻めをみせた。

 3R、なおもサスペラギーは細かく動き回って、ミチェレッティに的を絞らせない。左ジャブから右ローと右ミドルに繋げていくサスペラギーに対し、ミチェレッティは強引に間合いを潰しながらダブルの左フック、さらに左右フックを振るっていく。ミチェレッティがパワーと手数で五分に戻したか。ジャッジ3名が28-28の同点をつけ、試合はマジョリティードローにより延長Rに突入する。

 サスペラギーはガードの上から左ハイを叩き込むと、素早くサイドへステップし、ミチェレッティの右フック空振りを誘う。右ストレートを振り抜いてきたサスペラギーに対し、ミチェレッティはすかさず左右フックと右ハイ。サスペラギーはブロックしながらステップバックして当てさせない。それでも力のこもった左右ミドルと右ローを懸命に返すミチェレッティ。サスペラギーは巧く出入りして腹への左ジャブ、蹴りをかわして右ストレートや左フックをヒットさせた。

 サスペラギーが逆転に成功し、満場一致の判定勝ちでGLORY初白星。ミチェレッティは3戦目で初黒星となった。


▼SUPERFIGHT SERIES 女子スーパーバンタム級 3分3R
○クリスティ・ブレレトン(イギリス/GLORY世界女子スーパーバンタム級3位)
判定3-2 ※29-28、28-29、30-27、28-29、30-27
×サラ・ムサダク(フランス)

▼SUPERFIGHT SERIES ライトヘビー級 3分3R
×バハラーム・ラジャブザデ(アゼルバイジャン)
判定0-5 ※26-30、27-29、27-29、27-29、27-29
○セルゲイ・マスロボイエフ(リトアニア)

▼SUPERFIGHT SERIES ウェルター級 3分3R
×ダニ・トラオレ(ドイツ)
判定0-5 ※26-30、27-29、27-29、27-29、27-29
○アリアン・サディコヴィッチ(ドイツ)

▼PRELIMINARY CARD ライト級 3分3R
○ヴラド・トゥイノフ(ロシア)
判定5-0 ※30-26、30-26、30-26、30-26、30-26
×アルトゥール・サラディアク(ロシア)

▼PRELIMINARY CARD ライト級 3分3R
○マサロ・グランダー(モロッコ)
判定5-0 ※29-28、30-27、30-27、30-27、30-27
×アルビ・エミエフ(ロシア)

▼PRELIMINARY CARD フェザー級 3分3R
○リヴァー・ダズ(オーストラリア)
判定5-0 ※29-28、29-28、30-27、30-27、30-27
×アントニオ・カンポイ(スペイン)

▼PRELIMINARY CARD ミドル級 3分3R
○ヤコブ・スタイベン(ドイツ)
判定4-1 ※29-28、28-29、29-28、29-28、30-27
×ケヴィン・ヴァン・ヒークレン(オランダ/GLORY世界ミドル級9位)

▼PRELIMINARY CARD ライト級 3分3R
○ヨス・ヴァン・ベルゼン(オランダ)
判定3-2 ※30-27、30-27、28-29、28-29、29-28
×マシュー・スティーヴンズ(オーストラリア)