RIZINにも参戦したアリーシャ・ザペテラが、Invicta FCアトム級の新女王に輝いた Photos(C)Dave Mandel/Invicta FC

 日本時間2020年9月18日(金)、『Invicta FC 42』がアメリカ・カンザス州カンザスシティでが開催されました。以下、試合レポート・結果です。

Main Event
▼Invicta FCアトム級王座決定戦 5分5R
×アシュリー・カミンズ(33=アメリカ)
一本 4R 1分20秒 ※ヴォンフルーチョーク
○アリーシャ・ザペテラ(25=アメリカ)
※ザペテラが新王座に就く。

ヴォンフルーチョークでフィニッシュするザペテラ

 今年2月の『Invicta FC 39』で、ジン・ユ・フレイ(35=アメリカ)が計量オーバーで剥奪となった王座を懸け、カミンズとザペテラが対戦した。

 カミンズは同大会で、自らが勝利した場合のみ王座が認められるという変則タイトルマッチに臨んだが、フレイに判定負けとなり、結果として王座は空位に。その後、フレイがUFCと契約してInvicta FCを離脱したため、再びカミンズにチャンスが巡ってくることになった。

 対するザペテラは昨年8月の『RIZIN.18』に出場し、浅倉カンナ(22)にスプリット判定負けを喫したが、その後はInvicta FCに戻って2連勝をマーク。今大会で自身初のタイトルマッチへと辿り着いた。

 1R、パンチを打って探り合う中、右の拳を振るわんとしたザペテラに対し、カミンズの右ストレートがヒット。ザペテラの腰が一瞬落ちるが、カミンズは無理に畳み掛けない。後半はザペテラがタックルと首投げでテイクダウンを決めて反撃に転じる。

 2R、ザペテラは右のスーパーマンパンチに続いてタックル。カミンズはザペテラの組み際に右の拳を合わせる。ザペテラは膝が一瞬マットに着いたが、そのまま組みついていく。ここはテイクダウンを許さないカミンズ。打撃戦に戻ると、カミンズの右ストレートがザペテラの顎を浮かせる。

 3R、ザペテラが深いタックルでカミンズの足を捕らえ、早々にテイクダウン成功。カミンズはザペテラにサイドを許し、肘も落とされる。ザペテラがカミンズを押さえ込みむ5分間となった。

 4R、距離を取ろうとするカミンズに対し、ザペテラがタックルでテイクダウン。カミンズはギロチンチョークを合わせにいくが、ザペテラにヴォンフルーチョークを返され、しばし我慢の末、タップアウトとなった。

 ザペテラが一本勝ちでInvicta FCアトム級王座獲得。涙の初戴冠を果たした。

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Co-Main Event
▼バンタム級 5分3R
○リサ・ヴァーゾサ(24=アメリカ)
判定2-1 ※28-29、29-28、29-28
×ラケル・カヌート(29=アメリカ)

右の拳を振るうヴァーゾサ

 ヴァーゾサは今年3月の『Invicta FC:PHOENIX SERIES 3』で、ユリア・ストリアレンコ(27=リトアニア)とInvicta FCバンタム級王座決定戦を争い、両者流血の死闘を繰り広げた末、スプリット判定で惜しくも敗戦。キャリア6戦目で初黒星を喫っし、半年後の今大会で再起を図ることになった。

 対するカヌートは3年ぶりの復帰戦。前回の出場は2017年8月の『Invicta FC 25』で、ヤナ・クニツカヤ(30=ロシア)を相手にInvicta FCバンタム級王座決定戦を戦い、判定負けだった(当時はラケル・パルーヒの名前で出場)。3年ぶりの実戦復帰、そして再起戦となる。

 1R、ヴァーゾサが足を使って左右にステップしながらワンツー。カヌートはワンツーから右ミドルを返し、左右ハイで顔面も狙う。

 2R、なおもヴァーゾサはステップして距離を取り、時おりワンツーを振るう。カヌートはヴァーゾサのタックルを防ぎ、離れ際に右フックを返す場面も。

 3R、ヴァーゾサはカヌートのタックルを素早く捌いて右ストレート。カヌートはその後もタックルを仕掛けるが、ヴァーゾサに距離を取られる。ヴァーゾサも左に回り込んだところでカヌートの右ミドルを被弾。終了間際にカヌートのワンツーがヴァーゾサをとらえた。

 結果はスプリット判定でヴァーゾサに軍配。ヴァーゾサがカヌートに競り勝ち、再起戦を飾った。

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▼120ポンド(54.43kg)契約 5分3R
×ジェニファー・チエン(34=ミクロネシア)
判定0-3 ※26-30、27-30、27-30
○ヘレン・ペラルタ(32=アメリカ)

チエンの前進を右ローで止めるペラルタ

 チエンは2016年のリオ五輪ボクシングにミクロネシア代表として出場し、現在は2020年の東京五輪出場も目指しながらMMAに挑戦中。2018年10月の『Bellator 208』で迎えたMMAデビュー戦は、1R・TKO勝ちで飾っている。今回は初参戦のInvicta FCで、1年11カ月ぶりのMMA2戦目だ。

 しかしながら、事前に行われた新型コロナウイルス感染症検査の結果を受け、3人の選手が前日に大会を欠場することになり、チエンと対戦予定だったフロール・ハニ(33=ポリネシア)もこれに該当。代替選手として、ペラルタが急遽出場することになった。

 ペラルタは昨年8月にベアナックル・ボクシングの「BKFC」で女子フェザー級アメリカ王者に輝いた選手。2年ぶりのMMA復帰戦だ。チエンはハニ戦に向けてリミット115ポンド(52.16kg)のストロー級で仕上げていたが、緊急出場のペラルタとの試合は120ポンド(54.43kg)契約となる。

 1R、右ストレートで踏み込んできたチエンに対し、ペラルタは首相撲でケージに押し込みながらの膝蹴り、離れ際には肘打ちも追加。ペラルタの右ローもチエンを悩ませる。チエンは再びケージを背負わされたところで足を掛けにいくが、ペラルタに潰されテイクダウンを許す。

 2R、ペラルタは再び首相撲でチエンにケージを背負わせ、至近距離からのパンチと肘打ちで削る攻撃。チエンは終了間際にペラルタの左フック連打を浴びて背を向け、そのままなぎ倒されてしまう。

 3R、戦況は変わらず。チエンは拳を振るうもペラルタのクリンチで押し込まれる苦しい展開だ。ペラルタが最後までチエンを封じ、判定3-0で完勝。チエンはMMA2戦目で初黒星となった。

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▼ストロー級 5分3R
○ジェシカ・デルボニ(ブラジル)
判定3-0 ※30-27、30-27、29-28
×ヘリカ・ティブルシオ(ブラジル)

▼フライ級 5分3R
○ヴィクトリア・レオナルド(アメリカ)
判定3-0 ※29-28、29-28、29-28
×リズ・トレーシー(アメリカ)