2019年10月25日(金・現地時間)インドネシア・ジャカルタの競技場イストラ・スナヤンで『ONE: DAWN OF VALOR』が開催されました。以下に試合レポートと試合結果を綴ります(試合順は入れ替えています)。

Photos(C)ONE Championship

▼ONE SUPER SERIES ムエタイ フライ級(61.2キロ) 3分3R
×アレクシ・セレピソス(25=ニュージーランド)
TKO 3R 2分48秒
○内藤大樹[たいき](23=日本)

鋭いパンチを振るう内藤

 内藤はシュートボクシングで日本スーパーバンタム級王座に就くなど活躍。2017年11月には『RISE 121』で開催された1dayトーナメント「RISE DEAD OR ALIVE -57kg」に出場し、原口健飛と工藤政英から判定勝ち、MOMOTAROから4RKO勝ちを収め、見事に優勝を飾った。

 そして大きな注目を集めたのは昨年11月の『RISE 129』。那須川天心との3年3カ月ぶりとなる再戦に臨み、1RKO負けでリベンジを果たすことはできなかったが、試合後に那須川が感極まるほど、その試合に懸けてきた思いを拳に乗せていた。

 打倒・那須川に一区切りをつけた内藤は次なる目標をONEに設定。今年9月の『Road to ONE:CENTURY』に出場し、渡辺優太から左ハイで1R1分22秒KO勝ちを収め、ONEとの契約を掴んだ。今大会でONE本戦デビューとなる。

 対戦相手のセレピソスは今年1月のONE初戦で、実力者モンコンペット・ペッティンディーアカデミー(タイ)に奮闘するも判定負け。今大会で初参戦の内藤を相手に初勝利を目指す。

 試合はサークルケージ、オープンフィンガーグローブ着用で行われた。

 1R、構えは両者ともにオーソドックス。ローの蹴り合いで開戦。内藤は左ローから右ミドルにもスムーズに繋げる。内藤の右カーフキックを喰らうと、セレピソスはヒザががくっと落ち、早くも嫌がる動き。内藤のパンチも当たり始め、左フックから振り抜く右の拳、これに右カーフキックを混ぜるコンビネーションがセレピソスを痛めつけた。

 2R、セレピソスはサウスポーにスイッチするが、今度は内藤の左カーフキックの餌食に。両足を削られたセレピソスは前に足を運びながら左ストレートを振り抜くなど、なんとかパンチを届かせんとするが、内藤はステップやスウェーで巧みにかわして左フックをヒットさせる。両手で触り合う場面になれば、エルボーと右ハイも狙う内藤。セレピソスも組み際に右の拳で内藤が仰け反らせるが、ダメージを与えることはできない。

 3R、内藤が左フックからの右ハイ、左フックからの右ストレートで序盤から押し込む。セレピソスは右フックをフルスイングするが、内藤はスウェーでかわして左右フックをヒットさせる。ほどなく後退を開始したセレピソスに対し、内藤はジリジリとにじり寄って右フックを強打。セレピソスがついにダウンする。

 セレピソスは立ち上がるも、内藤のパンチ追撃を受けて顔面から流血。内藤は相手が両腕でカバーしきれない部分に右フックと右アッパーを落ち着いて打ち込む。防戦一方のセレピソスがなすすべなくよろめいたところで、レフェリーストップがかかった。

 両足をカーフキックで削り、最後はパンチで仕留める盤石の戦いぶり。内藤がTKO勝ちでONEデビュー戦を飾った。

 試合後、マイクを向けられた内藤は「やっぱり気持ち、ハートの部分だと思います」と勝因を語り、今後の目標については「ONE SUPER SERIESのフライ級には世界の強い選手がたくさんいます。その中で日本人が勝つことはなかなか難しいですが、僕が日本人を代表してモンスターたちを倒していきたいと思います」と、堂々とした口調で答えた。


▼MMA ライト級(77.1キロ) 5分3R
×ジョニー・ヌネス(34=アメリカ)
判定0-3
○徳留一樹(32=日本)

マウントからパンチを落とす徳留

 徳留は元パンクラス・ライト級王者にして元UFCファイター。昨年7月からONEに参戦している。初陣は古豪ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル)に判定負けとなり、その4カ月後の2戦目では現ONE世界ライト級王者クリスチャン・リー(シンガポール)に1RTKO負け。今年5月にエイドリアン・パン(フィリピン)を2RTKOに下し、新天地3戦目でようやく勝利を掴んでいる。通算戦績は19勝(10KO・TKO/3SUB)10敗。

 対するヌネスはWSOFとBellatorに参戦経験を持ち、今大会が7勝(2KO・TKO/1SUB)1敗の通算戦績で迎えるONE初戦だ。

 1R、構えはヌネスがオーソドックス、徳留がサウスポー。開始早々にヌネスが右の拳を振りかざしながら突進するようにタックル。徳留はこれを潰してすぐにマウントを取る。徳留は両足でヌネスの両腿を束ねながら動きを制し、しばしこの体勢をキープしてからサイドへ移行。ヌネスはスクランブルに持ち込んで立ち上がる。

 ヌネスが再び右の拳を振りかざして突進。徳留はバックステップでかわす。タックルが失速して一瞬打っ伏すヌネス。徳留はすかさずバックチョークを狙うが、組みが緩んだところでヌネスにスタンドを許す。しかし、ヌネスはこの攻防で疲労した様子。徳留はワンツーをヒットさせ、ヌネスのタックルには左アッパーを合わせる。残り時間1分を切ったところで、ヌネスは徳留の左ハイを潰してテイクダウン。徳留が下から足を絡めたところでゴングが鳴った。

 2R、序盤に徳留の左オーバーハンドとヌネスの右オーバーハンドが交錯するが、以降は両者が見合う展開が続き、レフェリーから「アクション」の声。ほどなくヌネスが左右フックで仕掛け、徳留はこれをエルボーで迎え撃つ。そこから組みの攻防になると、徳留が足をかけてテイクダウンに成功。徳留がサイドから押さえ込み続け、終了間際に立ち上がって拳を振り落とす。徳留が攻めあぐねながらも印象を残したか。

 3R、頭を下げながら右の拳を振るうヌネスに対し、エルボーで迎え撃たんとする徳留。ヌネスのタックルで徳留は尻餅を着くが、ケージを背負いながら起き上がると、ボディロックからの投げでテイクダウンを取り返す。ヌネスは徳留に押さえ込まれ続けるが、マウントを狙われればブリッジから返すなど要所は譲らない。最後は両者がスタンドでパンチを振るうも、空を切って終了となった。

 徳留が攻めあぐねながらもヌネスの動きを制圧して満場一致の判定勝ち。2連勝をマークした徳留は「いやあ、疲れました。まあなんとか生き残ったんで良かったです。Terima kasih(ありがとう)」と、笑顔で勝利のコメントを述べた。


▼メインイベント MMA ONE世界ウェルター級(83.9キロ)タイトルマッチ 5分5R
×ゼバスチャン・カデスタム(29=スウェーデン/王者)
判定0-3
○キャムラン・アバソフ(26=キルギス/挑戦者)
※カデスタムが2度目の防衛に失敗、アバゾフが新王座に就く。

アバゾフがパワフルな左フックで攻める

 ベン・アスクレン(アメリカ)のUFC移籍に伴い、ONE世界ウェルター級王座は空位となっていたが、昨年11月に新王座決定戦が行われ、タイラー・マグワイア(アメリカ)を3RKOに下したカデスタムが新王者に輝いた。

 そのカデスタムは今年3月にはゲオルギー・キシギン(カザフスタン)の挑戦を2RTKOで退け、初防衛に成功。3戦連続KO・TKO勝利中と好調のまま、今大会で2度目の防衛戦に臨む。

 挑戦者のアバソフは昨年3月のONEデビュー戦こそ、大ベテランのルイス・“サッポ”・サントス(ブラジル)に判定負けしたが、同年12月の2戦目でアギラン・ターニ(マレーシア)に1R一本勝ち、今年5月の3戦目で岡見勇信に2RTKO勝ち。他団体での判定勝ちも含め、3連勝で初のONEタイトルマッチに臨む。

 1R、構えは両者ともにオーソドックス。カデスタムが左フックからの右ローで先制。アバゾフもカデスタムも右ミドルをキャッチすると、右フックを振るいながら組みつく。しばしアバソフが押し込む展開が続くが、ヒザ蹴りがローブローとなってしまい、カデスタムにインジャリータイムが設けられた。

 試合が再開されると、自らの右ハイで尻餅を着くカデスタム。アバゾフはすぐさま左右フックとクリンチからのヒザ蹴りで襲いかかる。カデスタムは右カーフキック、右ミドル、右ハイを当てるが、アバゾフに組まれてテイクダウンを許してしまう。アバゾフは上をキープし、終了間際にカデスタムの立ち際を狙ってチョーク。ここでゴングが鳴った。

 2R、カデスタムが後ろ回し蹴りを空振りさせると、アバソフはすかさずクリンチからヒザ蹴り。カデスタムも蹴りを散らしつつ、カデスタムがにじり寄ってきたところをエルボーで斬りつけていく。ほどなく、アバゾフは弾丸タックルでテイクダウンを決めるが、左の側頭部からは出血がみられる。

 カデスタムはケージ際で立ち上がり、しぶとく足を掴んでくるアバゾフにエルボー。そこから打撃戦に戻ると両者が互いのカーフキックを嫌がる場面も。カデスタムが左ボディと右ミドル、アバゾフが右アッパーと右ストレートで、それぞれダメージを与えた。

 3R、開始早々にアバゾフの左フックでカデスタムがダウン。カデスタムはアバゾフが右の拳を振り落とさんとしたところで素早く上体を起こして立ち上がる。だが、アバゾフはすぐさまボディロックからテイクダウン。カデスタムはサイドを許し、アバゾフのヒザ蹴りで右目尻をカットされる。

 4R、開始早々にアバゾフが左右フックと顔面ヒザ蹴りの猛攻を仕掛け、カデスタムは両手で顔を覆いながらケージを背負う状態。アバゾフはタックルからのテイクダウン、マウント奪取、そしてバックチョークでたたみかける。アバゾフはチョークがすっぽ抜けてしまい、一度はカデスタムに立たれてしまうが、焦らず組んでテイクダウン成功。アバゾフはサイドをキープし、今度はヒザ蹴りを顔面と腹に打ち分けて削る。

 ゴングが鳴ると小走りで自陣に戻ったアバゾフに対し、右目が腫れて塞がったカデスタムはなかなか立ち上がれない。

 5R、互いに消耗が激しく動きは重いが、アバゾフが単発ながらも左右フック、右アッパー、バックハンドブローを放つ。カデスタムが左ジャブを伸ばして右フックを入れれば、アバゾフはすぐに左右フックで迎撃。終盤にかけてカデスタムも左フック、右オーバーハンド、エルボーを振るうが、アバゾフには届かず。試合はこのまま終了し、勝敗はジャッジに委ねられることに。

 アバゾフがテイクダウンと4R序盤の猛攻で攻勢を印象づけ、満場一致の判定勝ちでベルトを奪取。カデスタムは2度目の防衛戦で王座陥落となった。


▼セミファイナル ONE SUPER SERIES キックボクシング 世界ライト級(77.1キロ)タイトルマッチ 3分5R
○レギン・アーセル(26=オランダ/王者)
判定3-0
×ニキー・ホルツケン(35=オランダ/挑戦者)
※アーセルが初防衛に成功。

アーセルがホルツケンを圧倒返り討ち

 両者は今年5月のONE SUPER SERIESキックボクシング世界ライト級王座決定戦で激突。白熱の攻防の中、アーセルが4Rに顔面ヒザ蹴りでホルツケンをダウンさせ、最終的には判定勝ちでベルトを手にした。今回は5カ月ぶりのダイレクトリターンマッチとなる。

 アーセルはLion Fightスーパーミドル級王者の肩書きを持ち、中国の武林風にもたびたび出場。ONEには昨年4月から参戦し、3連勝で頂点まで辿り着いた。

 対するホルツケンはK-1 WORLD MAXに参戦した経験を持ち、GLORY世界ウェルター級王者にも輝いたオランダキックボクシング界の雄。近年はボクサーとしても活動し、昨年2月には代役というかたちではあったが「World Boxing Super Series」(スーパーミドル級)に出場し、カラム・スミス(イギリス)を相手に判定までもつれ込む健闘をみせた。ONEには昨年11月から参戦し、これが2勝1敗で迎える4戦目だ。

 アナウンスされた戦績はアーセルが54勝4敗で、ホルツケンが92勝15敗。試合はサークルケージ、ボクシンググローブ着用で行われる。

 1R、構えは両者ともにオーソドックス。最初のコンビネーションのぶつけ合いからほどなく、バックハンドブローが不発に終わったホルツケンに対し、アーセルが二段飛びヒザ蹴りで強襲。ホルツケンはその場で倒れるが、これは完全なダウンとはみなされない。立ち上がるホルツケンからはダメージがうかがえる。

 長身のアーセルはワンツーを顔面と腹に打ち分けたり、右ローと左右ボディで削ったり、突如ヒザ蹴りを突き上げたりと、そのコンビネーションは実に多彩。ホルツケンは翻弄される中、終盤にアーセルの右ハイを被弾し、やや時間を置いてからダウンする。しかし、ホルツケンも立ち上がると意地を見せ、残り時間わずかな中で追撃モードのアーセルに飛びヒザ蹴りと右フックをヒット。アーセルがよろめいたところでゴングとなった。

 2R、アーセルは左ジャブを上下に打ち分けながら左インローと右ローも蹴り、ダメージからはすでに回復している様子。ホルツケンが左ミドルで快音を鳴らせば、アーセルもすぐに右ミドルを叩き込む。以降は互いに後ろ回し蹴りや飛びヒザ蹴りを放ち合う場面もみられたが、徐々にコンビネーションの引き出しで勝るアーセルが主導権を握り、左ジャブの打ち分けから右フックや左インローに繋げていく。

 3R、ホルツケンの劣勢が続く。アーセルは細かいパンチの連打からクリンチにとらえての顔面ヒザ蹴り。ホルツケンはアーセルの休みなく続くコンビネーション攻撃に翻弄され、特に飛びヒザ蹴りと右ハイを嫌がる。

 4R、アーセルはなおも左ジャブの打ち分けを起点に、ワンツーと右アッパー、左ローからの左ハイ、右ローから右ストレートといった連続攻撃、さらには後ろ回し蹴りと顔面ヒザ蹴りも加えていく。 ホルツケンは完全にブロックを固めてクリーンヒットこそ許さないが、自ら仕掛けることはできない。

 5R、アーセルが序盤に左ジャブからの飛び後ろ回し蹴りで強襲。ホルツケンはガードを固めながら前に出るが、アーセルの連続攻撃を前に手が出せない。終盤に入っても足捌きが軽快なアーセルは、ホルツケンのガードを払って右ハイ、左インローからの顔面前蹴り、左フックからの右ストレートと顔面前蹴りなどをまとめた。

 フィニッシュこそ逃したが、アーセルが1Rにダウンを奪うなど、多彩なコンビネーションで終始試合を支配し、満場一致の判定勝ちでホルツケンを返り討ち。圧巻のパフォーマンスで初防衛に成功したアーセルは、「素晴らしい。本当に素晴らしい気分だ。まず、ニキー・ホルツケンとそのファンに感謝したい。彼らのおかげでモチベーションを保つことができた。次にコーチとチームメイト。そして最後にジャカルタ!インドネシア!I love you」と、勝利のコメントを述べた。


▼MMA バンタム級(65.8キロ) 5分3R
○ジョン・リネカー(29=ブラジル)
判定3-0
×ムイン・ガフロフ(23=タジキスタン)

持ち前のパンチ力で好機を作ったリネカー

 リネカーは強くて回転が速いパンチを武器に、UFCで12勝4敗の戦績を残している実力者。計量オーバーを重ねたため、フライ級からバンタム級に階級を上げたが、近年もランキングに名を連ねていた。

 しかし、今年4月の『UFC Fight Night 150』(or『UFC on ESPN+ 8』)で新星コーリー・サンドヘイゲン(アメリカ)に判定負けした試合を最後に、自らUFCを離脱してONEと契約。今大会で新天地デビュー戦を迎えることになった。通算戦績は31勝(14KO・TKO/4SUB)9敗だ。

 対戦相手のガフロフは16勝(9KO・TKO/7SUB)3敗の通算戦績を誇るフィニッシャー。昨年10月の試合では、ONEバンタム級タイトルマッチ経験者にして元UFCファイターのレアンドロ・イッサ(ブラジル)を1RKOに下し、ONEでの戦績を2勝2敗としている。

 1R、構えは両者ともにオーソドックス。開始直後にガフロフがリネカーの右カーフキックに刈り飛ばされて転倒。いきなり出鼻をくじかれたガフロフは後ろ回し蹴りを返すも空を切る。リネカーがなおも右カーフキックを狙えば、ガフロフはサウスポーにスイッチして左右フックを振るいながら前進。リネカーはしっかりとブロッキングして、右ボディを打ち込む。

 するとほどなく、リネカーの右ミドルを腹に効かされたガフロフが大きく後退。リネカーはパンチのコンビネーションをまとめて追撃にいく。リネカーの左右ボディに体を前傾させながらも耐えるガフロフ。リネカーも攻め急がなくなり、残り1分を切ったところで右カーフキックも混ぜながら再び仕掛けるが、ガフロフを仕留めることができなかった。

 2R、リネカーの右ローにガフロフがタックルを合わせて開戦。リネカーはチョークで迎え撃つが、これはガフロフが外す。ケージに背をつけながら立ち上がるリネカー。ガフロフは再び下に引き込み、リネカーの立ち際にチョークを狙う。ここはリネカーが振り払ってスタンドに戻る。

 この攻防でリネカーは消耗。ガフロフはここぞとばかりに後ろ回し蹴りをリネカーの腹と顔面に当てる。しかし、ガフロフも大技を狙い過ぎたか肩で息をし始め、リネカーと見合う展開に。終了間際のガフロフのタックルは、リネカーがケージを背負って防いだ。

 3R、リネカーが再びジリジリと前に出始め、左ジャブと右ローで圧力をかける。ガフロフのタックルは決まらない。ガフロフはたびたび後ろ回し蹴りで顔面を狙うが、これはリネカーが全てブロックする。

 中盤にガフロフはリネカーの右カーフキックでバランスを崩しながらも、タックルで尻餅を着かせることに成功。リネカーが立ち上がるとガフロフはヒザ蹴りを打つが、これはローブローとなってしまう。再開後、ガフロフのタックルに対し、リネカーはケージを背負って踏ん張りながら、エルボーを落として試合終了のゴングを聞いた。

 リネカーは1Rの好機を逃して消耗する場面もあったが、堅いデフェンスでガフロフに攻めを許さず、満場一致の判定勝ちで新天地白星デビュー。目を閉じて祈るような表情でコールを待ち、勝利が告げられると喜びを爆発させたリネカーの姿が、試合の難しさと懸けた思いを印象づけた。


▼ONE SUPER SERIES キックボクシング ストロー級(56.7キロ) 3分3R
×フェデリコ・ローマ(34=アルゼンチン)
TKO 1R 2分59秒
○ワン・ジュングァン(24=中国)

タフなローマをジュングァンが叩きのめした

 ローマは今年3月のRISE世界トーナメント「RISE WORLD SERIES 2019 -58kg」に出場し、1回戦で那須川天心と対戦。那須川が終始優勢を保ち、最後は左ハイで3RKOに仕留める試合だったが、ローマは気持ちの強さとタフさをみせている。

 対するジュングァンは2017年9月に新生K-1のリングに上がり、K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチで武尊の王座に挑み、敗れはしたものの王者に苦戦を強い、判定までもつれ込んでいる。

 アナウンスされた戦績はジュングァンが23勝3敗1分で、ローマが64勝4敗1分。試合はサークルケージ、ボクシンググローブ着用で行われる。

 1R、構えは両者ともにオーソドックス。ハイガードで間合いを詰めてくるローマに対し、ジュングァンは前蹴りを細かく入れ、距離が詰まったところではヒザ蹴りも突き刺す。するとほどなく、ジュングァンが近距離での前蹴りとヒザ蹴りのコンボから左フックを綺麗に決め、ローマをダウンさせる

 立ち上がってガードを固めるローマ。ジュングァンは攻め急がず、前蹴りを顔面と腹に打ち分け、右ローと右ミドルも混ぜて散らす。腹へのダメージも蓄積してきた様子のローマはたまらず左右フックで仕掛けるが、ジュングァンのコンパクトな右ストレートを被弾し、2度目のダウンを喫してしまう。

 なんとか立ち上がるローマ。残り時間わずかだが、ジュングァンはパンチのラッシュでローマをサンドバッグ状態にし、しっかりとレフェリーストップを呼び込んだ。ジュングァンが圧巻のTKO勝ちで初陣を飾った。


▼MMA 女子アトム級(52.2キロ) 5分3R
○プリシラ・ヘルタティ・ルンバン・ガオール(インドネシア)
判定3-0
×ボツヘナ・アントニア(インドネシア)

▼MMA バンタム級(65.8キロ) 5分3R
○マーク・フェアテックス・アベラルド(ニュージーランド)
判定3-0
×アイデン・ジュマイ(中国)

▼MMA フライ級(61.2キロ) 5分3R
○エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
TKO 1R 19秒 ※エビンが腕を負傷
×カジ・エビン(フィリピン)

▼MMA ストロー級(56.7キロ) 5分3R
×エイドリアン・マティス(インドネシア)
判定0-3
○ステファー・ラハルディアン(インドネシア)

▼MMA ライト級(77.1キロ) 5分3R
○ピーター・バウシュト(オランダ)
判定3-0
×アントニオ・カルーソ(オーストラリア)

▼MMA フライ級(61.2キロ) 5分3R
×ルディ・アグスティアン(インドネシア)
判定0-3
○アブロ・フェルナンデス(インドネシア)

▼MMA フライ級(61.2キロ) 5分3R
×エギ・ロズデン(インドネシア)
一本 1R 2分00秒 ※リアネイキドチョーク
○エリピツア・シレガー(インドネシア)

▼MMA ストロー級 5分3R
○アニー・パルヤント(インドネシア)
TKO 1R 1分04秒
×アンジェロ・ビモアジ(インドネシア)