2019年12月14日(土・現地時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナで『UFC 245』が開催されました。以下、試合レポート・結果です。

Photos(C)Jeff Bottari/ UFC/ Zuffa LLC via Getty Images

Main Event
▼UFC世界ウェルター級タイトルマッチ 5分5R
○カマル・ウスマン(32=ナイジェリア/王者)
TKO 5R 4分10秒
×コルビー・コヴィントン(31=アメリカ/同級2位/挑戦者)
※ウスマンが初防衛に成功。

コヴィントンに右の拳を叩き込むウスマン

 ウスマンは今年3月の『UFC 235』で、同じレスリング出身のタイロン・ウッドリー(アメリカ)を完全制圧して判定勝ちし、UFC世界ウェルター級王座を奪取。アフリカ人として初めてUFCの頂点に立った。UFC戦績は10戦全勝(1KO・TKO/1SUB)のパーフェクト、通算戦績は15勝1敗(1KO・TKO/1SUB)。今回が初防衛戦だ。

 対するコヴィントンは昨年9月、負傷を理由に王座統一戦を戦わなかったことから、UFC世界ウェルター級暫定王座を剥奪されてしまうが、1年2カ月ぶりの復帰戦となった今年8月の『UFC on ESPN 5』で、ロビー・ローラー(アメリカ)に判定勝ちし、再び戴冠のチャンスを掴んだ。UFC戦績は11勝1敗(2KO・TKO/2SUB)、通算戦績は15勝1敗(2KO・TKO/5SUB)。

 トラッシュトーカーとして名高いコヴィントンの挑発を受け、その都度、舌戦に応じてきたウスマン。時にはチームメイトを巻き込んだ乱闘騒動も繰り広げられ、さらに遺恨が深まったところで開戦の時を迎えた。

 1R、構えはウスマンがオーソドックス、コヴィントンがサウスポー。パンチを散らしながら左ミドルを蹴るコヴィントンに対し、ウスマンもパンチで応戦。ウスマンは右フックと右ストレートを当てるが、コヴィントンの鋭い右ジャブを連続でもらうと、サウスポーにスイッチする。

 コヴィントンは組む動きをフェイントで見せて巧く左フックをヒット。ウスマンは首相撲を狙うも捕らえられない。コヴィントンは左フックから右アッパー、左フックから左ミドル、そして飛びヒザ蹴りも追加。その後もパンチの攻防が続き、コヴィントンが左オーバーハンド、ウスマンがクリンチからの右ボディアッパーをそれぞれ強打させる。

 2R、コヴィントンが伸ばし当てるようなダブルの左ストレートから右アッパー。オーソドックスに戻したウスマンは前手で細かく触ってから右ボディアッパーを返す。そして激しくなるのはジャブの突き合いだ。

 コヴィントンは左オーバーハンドに続けて頭を下げるフェイントからの右フック、さらにはダブルの右ジャブから左ミドル、腹と顔面への左ストレート打ち分け、左ボディからの右フックなど、連打のバリエーションと手数でウスマンを上回る印象。だが、終盤にかけてはウスマンの右ボディもよく決まった。

 3R、前手で触れ合う展開からウスマンが腹への前蹴りで先制。ウスマンのワンツーもヒットする。再び腹に前蹴りをもらったコヴィントンは少し効いてきたか、その場で飛び跳ねる動きを見せる。今度は右ボディを叩き込むウスマン。コヴィントンの口が一瞬大きく開く。
 
 コヴィントンのパンチを見切り始めたウスマンは、顔面に左ジャブと右ストレートを単発・連打で飛ばしつつ、腹には右の前蹴りと右ボディ。コヴィントンは左ハイの後に突き出した左手がアイポークとなってしまう。再開後、ウスマンの右ストレートをカウンターでもらったコヴィントンもアイポークを訴えるが、これはアゴを捉えていた。

 4R、コヴィントンがウスマンのワンツーをスウェーバックでかわし、即座に左ストレートの連続突き。ウスマンは右フックが大振りとなったところにコヴィントンの左フックをカウンターで喰らう。コヴィントンは左ハイも追加。ウスマンの右ボディはやや当たりが浅かったか、コヴィントンの笑みを誘う。

 なおも試合はパンチの応酬。コヴィントンが左右フックを叩き込めば、ウスマンが右フックで殴り返し、再びコヴィントンが右アッパーで突き上げるという、シーソーゲームの展開だ。ウスマンの被弾が目立つが、顔が血で染まったのはコヴィントンの方だった。

 5R、コヴィントンはウスマンの両腕ガードの外側を左右フックで叩いてから、内側をノーモーションの左ストレートで射抜く。ウスマンも右ストレートのカウンターで応戦。スリリングなパンチの攻防が続く中、残り時間2分を切ったところでウスマンが左フックのフェイントから右ストレートをクリーンヒットさせる。

 被弾したコヴィントンは一瞬よろけて片足跳びの状態に。ウスマンは攻め急がずに一発一発、パンチを丁寧に当てていき、右ストレートでコヴィントンを2度ダウンさせると、最後はタックルを潰して鉄槌連打。コヴィントンはウスマンの片足にしがみついたまま動けず、レフェリーストップとなった。

 ウスマンが我慢の戦いをTKOで制し、初防衛に成功。試合後、マイクを向けられたウスマンは「これは自分のためだけではなく、世界のための戦いだった。コルビーがどうとかこうとか、色々言ってる人もいた。今こそ言っておきたい。俺が世界一でいられる理由は、この階級の誰よりも心が強いからだ!」と叫んだ。

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Co-Main Event
▼UFC世界フェザー級タイトルマッチ 5分5R
×マックス・ホロウェイ(28=アメリカ/王者)
判定0-3 ※47-48、45-50、47-48
○アレックス・ヴォルカノフスキー(31=オーストラリア/同級1位/挑戦者)
※ホロウェイが4度目の防衛に失敗、ヴォルカノフスキーが新王座に就く。

間合いを潰してホロウェイにパンチを当てるヴォルカノフスキー

 ホロウェイは2017年6の『UFC 212』で暫定王者としてUFC世界フェザー級王座統一戦に臨み、当時の正規王者ジョゼ・アルド(ブラジル)に3RTKO勝ち。その後はアルドを再度の3RTKO、ブライアン・オルテガ(アメリカ)を4RTKO、フランキー・エドガー(同)を判定で下し、3度の防衛に成功している。

 対するヴォルカノフスキーは今年5月の『UFC 237』でアルド)に判定勝ち。UFC戦績を7戦全勝(3KO・TKO/0SUB)、通算戦績を20勝1敗(11KO・TKO/3SUB)とし、いよいよ世界最高峰の舞台で初のタイトルマッチを戦うことになった。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。互いに間合いの駆け引きをしながらの攻防。身長168cmのヴォルカノフスキーに対し、180cmのホロウェイは前傾姿勢だ。ヴォルカノフスキーがコンパクトなパンチのコンビネーションで積極的に仕掛け、右カーフキックもタイミング良く合わせていく。

 2R、ヴォルカノフスキーはパンチを繰り出す動きから右カーフ、自ら間合いを詰めて左インロー、ホロウェイの左ジャブに合わせて右カーフを蹴る。ホロウェイは前に出て圧力をかけるが、パンチを当てる前に蹴られてしまうか、パンチをそのままかわされてしまうか、といった状況が続く。

 3R、左ヒザにアイシングを受けて臨んだホロウェイは構えをサウスポーにスイッチし、ワンツー、左アッパー、関節蹴りなどで手数を増やす。しかし、ヴォルカノフスキーがなおもパンチを巧く散らしながらの左カーフと右インローで削っていく。ホロウェイは終盤に惜しいテンカオがあった。

 4R、オーソドックスに戻したホロウェイは前手で触り合う展開からワンツー。ヴォルカノフスキーが左カーフと右フックの対角線攻撃を綺麗に合わせる。時間が経つにつれてホロウェイのパンチも当たり始め、ヴォルカノフスキーが懐に潜り込んできたところに左右アッパー、左フック、ダブルの左ジャブなど。王者が巻き返しを見せた。

 5R、左インローと左カーフを蹴っては離れるヴォルカノフスキー。ホロウェイもパンチの攻防になれば右ボディを返すが、終盤にヴォルカノフスキーの左ボディ、右エルボー、右フックを立て続けに被弾してしまう。ヴォルカノフスキーは要所要所で組みも混ぜ、テイクダウンこそ奪えなかったが巧く時間も使った。

 絶妙な距離感で左右ローを当て続けたヴォルカノフスキーが、満場一致の判定勝ちでベルトを奪取。ホロウェイは4度目の防衛戦で王座陥落となった。

 マイクを向けられたヴォルカノフスキーは「マックスはジャブも良いし、距離をコントロールするのも巧い。彼の距離になれば自分がそこから抜け出すよう努めた。自分のセコンドが如何に優れているかを確信したよ。ファイトIQを駆使しながら冷静沈着に戦い、やるべき仕事をやった。俺はこれから先ずっと王者として君臨する。オーストラリア!ベルトを持って帰るぜ!」と試合を振り返ると共に、長期政権を築くことを誓った。

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Main Card
▼UFC世界女子バンタム級タイトルマッチ 5分5R
○アマンダ・ヌネス(31=ブラジル/王者)
判定3-0 ※49-44、49-46、49-45
×ジャーメイン・デ・ランダミー(35=オランダ/挑戦者)
※ヌネスが5度目の防衛に成功。

気迫の表情でパンチを振るうヌネス

 ヌネスは昨年12月の『UFC 232』で、あのクリス・サイボーグ(ブラジル)をわずか51秒でKOし、UFC世界女子フェザー級王座を奪取。女子バンタム級のベルトも保持する二階級同時制覇女王となった。UFC戦績は11勝1敗(7KO・TKO/2SUB)、通算戦績は18勝4敗(13KO・TKO/2SUB)。今回は女子バンタム級王座の5度目の防衛戦だ。

 対するデ・ランダミーは立ち技で46戦全勝の記録を打ち立て、総合格闘技においてもUFC世界女子フェザー級の初代女王に輝いた猛者。UFC戦績は6勝1敗(3KO・TKO/0SUB)、通算戦績は9勝3敗(4KO・TKO/0SUB)。UFCでの唯一の黒星は6年前にヌネスに喫した1RTKO負けだ。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。ヌネスが左ジャブ、左インロー、蹴り足キャッチから右オーバーハンドに繋げるダイナミックな攻撃。デ・ランダミーはヌネスにタックルでテイクダウンを許し、強力なパウンド、エルボー、肩固めにひたすら耐える時間が続く。

 2R、デ・ランダミーは覚悟を決めたか、笑顔でグローブタッチすると、前に出ながらの右ハイ、右フック、左ジャブで一転攻勢。ヌネスはテイクダウンするも膠着し、スタンドで試合再開となる。デ・ランダミーは左ハイ、二段飛びヒザ蹴り、首ヒザの猛攻。ヌネスはなんとかテイクダウンで難を逃れる。

 3R、打撃戦は危険と判断したか、ヌネスは早々にタックルでテイクダウンを決め、上をキープしながらのパウンドとエルボー。しかし、デ・ランダミーも下からの蹴り上げでヌネスをぐらつかせてみせる。

 4R、右フックと左ジャブを繰り出すデ・ランダミーに対し、ここもヌネスがタックルで難なくテイクダウン。こうなるともはや一方的な展開…と思われたが、デ・ランダミーは三角絞めからの回転で見事に引っくり返す。頭を抜いたヌネスはすぐさまタックル。観客はブーイングだった。

 5R、笑顔で抱擁をかわす両選手に大きな声援と拍手。ほどなくヌネスがタックルを決めると観客はため息をつき、膠着すると再びブーイングとなる。今度はヌネスがしっかりと上をキープし、デ・ランダミーを完全制圧した。

 ヌネスが大差の判定勝ちで5度目の防衛に成功。デ・ランダミーも2Rの猛打、3Rの蹴り上げ、4Rのスイープで見せ場を作り、元女王たる所以を感じさせた。


Main Card
▼バンタム級 5分3R
○マルロン・モラエス(31=ブラジル/同級1位)
判定2-1 ※29-28、28-29、29-28
×ジョゼ・アルド(33=ブラジル)

 元UFC世界フェザー級王者アルドのバンタム級転向初戦。相手は同級1位にして前回のタイトルコンテンダー、そして元WSOF世界同級王者でもあるモラエスだ。

 アルドのUFC戦績は10勝4敗(4KO・TKO/0SUB)、通算戦績は28勝5敗(17KO・TKO/1SUB)。モラエスのUFC戦績は4勝2敗(2KO・TKO/1SUB)、通算戦績は21勝6敗(10KO・TKO/6SUB)。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。モラエスが強烈な左ハイを連発し、左右アッパーと左右フックもパワフルだ。一発目の左ハイを喰らってしまったアルドだが、徐々に持ち直してパンチのコンビネーションで押し返す。終了間際にモラエスが組んでの投げでテイクダウンを決めた。

 2R、モラエスはケージ際で左右に足を運びながら左ジャブと左ハイ。アルドは左ジャブと右フックを返しながら進行方向を塞ぐように圧力をかけ続ける。アルドの左ボディ、左アッパー、右フックが次々とヒット。モラエスはパンチを返すも被弾が目立ち、徐々に顔が腫れてくる。

 3R、最後の5分は両者が抱擁を交わして開戦。前に出てくるアルドに対し、モラエスが左ジャブの3連打を突き刺す。常に動き続ける両者。アルドがパンチを振るいながら追いかければ、モラエスは動き回って圧力をかわしていく。

 残り時間1分を切ったところで、モラエスは左ジャブ、ワンツーからの右ハイ、中段後ろ回し蹴り、右カーフキック、タックルの動きを見せてからの左右フックをヒット。アルドも左右フックを打ち返し、一進一退の攻防となった。

 判定はスプリットでモラエスに軍配。モラエスはその結果がコールされるや否や雄叫びをあげ、両拳をマットに叩きつけて感情を爆発させた。アルドは首を横に振って不満の表情を浮べていたが、モラエスには祝福の言葉。モラエスの目には涙が光っていた。


Main Card
▼バンタム級 5分3R
○ピョートル・ヤン(26=ロシア/同級4位)
KO 3R 43秒
×ユライア・フェイバー(40=アメリカ)

 ヤンは元ACBバンタム級王者。UFC戦績は5戦全勝(2KO・TKO/0SUB)のパーフェクトで、通算戦績は13勝1敗(5KO・TKO/1SUB)だ。

 対するフェイバーは元WEC世界フェザー級&元KOTC世界バンタム級王者のベテラン。今年7月の『UFC Fight Night 155』で2年8カ月ぶりに現役復帰し、リッキー・シモン(アメリカ)をわずか64秒でTKOした。UFC戦績は11勝7敗(1KO・TKO/6SUB)、通算戦績は35勝10敗(8KO・TKO/19SUB)。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。場内は大きな「USA」コールだ。ケージ中央から圧力をかけてくるヤンに対し、ユライアがキレのあるステップからヒザ蹴り。ヤンはサウスポーにスイッチして左ミドルを蹴る。ユライアは終盤に首相撲からのヒザ蹴りを狙うが、ややもたついたところでヤンの左アッパーを被弾する。

 2R、両手で触り合う駆け引きからパンチで仕掛けるヤン。ユライアは時おりタックルで足を捕まえにいくが、ヤンのディフェンスは固い。すると中盤、ヤンが強烈なワンツーでユライアをダウンさせ、追撃のパウンドも連打。ユライアは立ち上がるもヤンのエルボーを喰らって再びダウンする。顔面が血まみれになったユライアはドクターチェックを受けた。

 3R、ユライアは笑顔と軽快なステップで最後の5分に臨むが、ヤンがすぐに左フック、左ミドル、右ハイ、前蹴りを散らして迫る。するとほどなく、組みついてきたユライアに対し、ヤンが身を離しながらの左ハイ。これが見事に決まり、ユライアは仰向けに倒れた。

 ヤンが圧倒的な強さでKO勝ち。ユライアは復帰2戦目で黒星となった。


Prelim
▼ウェルター級 5分3R
○ジェフ・ニール(29=アメリカ/同級14位)
TKO 1R 1分30秒
×マイク・ペリー(28=アメリカ)

 ニールは2017年7月にDana White’s Tuesday Night Contender Seriesの試合で勝利し、UFCと契約。現在までにUFC戦績が4戦全勝(2KO・TKO/1SUB)、通算戦績が12勝2敗(7KO・TKO/2SUB)となっている。

 対するペリーはUFC戦績が6勝5敗(4KO・TKO/0SUB)、通算戦績が13勝5敗(11KO・TKO/0SUB)。高いKO・TKO決着率を誇るストライカーだが、近年はその強打が鳴りを潜めており、勝ち負けが交互の状態で、しかもほとんどが判定決着だ。8月の前戦はビセンテ・ルケ(同)に判定負けしている。

 1R、構えはニールがサウスポー、ペリーがオーソドックス。ニールは対峙する際にはガードを高めにしながら前後にステップを踏み、動く時には右方向へのステップで大きくサークリング。圧をかけてくるペリーに対し、ニールは拳をぐっと突き出すような右ジャブから左ミドルを叩き込む。

 打っては動くを繰り返すニール。するとパンチの交錯からペリーは追いかけようとしたところで、ニールの意表を突く左ハイを被弾しよろめく。ニールは一気に左ハイを混ぜながらのパンチのラッシュでペリーをダウンさせ、レフェリーストップを呼び込んだ。

 ニールがTKO勝ちでパーフェクトレコードのUFC戦績を5戦全勝に更新。ペリーが苦しい2連敗となった。


Prelim
▼女子バンタム級 5分3R
×ケトレン・ヴィエラ(28=ブラジル/同級2位)
KO 1R 4分51秒
○アイリーン・アルダナ(31=メキシコ/同級10位)

 ヴィエラはUFC戦績が4勝0敗(0KO・TKO/1SUB)、通算戦績が10戦全勝(2KO・TKO/4SUB)で未だ負け知らず。直近の2試合ではサラ・マクマン(アメリカ)に2R一本勝ち、キャット・ジンガーノ(同)に判定勝ちしているが、ヒザの負傷もあって戦線離脱を余儀なくされており、今大会が1年9カ月ぶりの復帰戦となる。

 対するアルダナはUFC戦績が4勝3敗(0KO・TKO/1SUB)、通算戦績が11勝5敗(5KO・TKO/3SUB)。UFCでは最初の2試合でレスリー・スミス(アメリカ)とケイトリン・チョケイジアン(同)に判定負けし、いきなりつまずいてしまうが、最近はラケル・ペニントン(同)に敗れた以外は敗れておらず、3連勝も含めた4勝をあげている。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。アルダナは両拳をアゴ近くで構え、常に足を左右へ運んだり上体と頭を振ったりしながら、左ジャブ、右ストレート、左ボディを伸ばすように当てていく。一方、ヴィエラも構えた両拳で動かしてリズムを作り、仕掛ける時には左右フックをアルダナのガード外側から叩きつける。

 アルダナのパンチは伸びがあり、射程距離から外れてると思ってもヴィエラの頭と腹に届く。アルダナが勢いに乗り始めたか、と思われたところで、ヴィエラもカウンターの右ストレートをヒットさせる。時おり左フックと左ジャブが相打ちになるなど、一進一退の攻防だ。

 それでもやはり運動量が多いのはアルダナで、左フック、右ストレート、左ボディ、左インローを単発ながらも巧く当てていく。ヴィエラはワンツーと片手クリンチからの右フックでなんとか突き破らんとするも不発。するとほどなく、互いにやや見合ったところから、アルダナがフルガードを解くや否や強烈な左フックを振るい、察知が遅れたヴィエラは直撃を受けてダウンする。

 アルダナがとどめパウンドを一発入れると、ヴィエラは目をつむってのびた状態に。レフェリーがここで試合を止めた。

 アルダナが序盤から無敗の上位ランカー相手に臆することなく積極的に仕掛け、会心のKO勝ちで2連勝をマーク。一方、ヴィエラは長期離脱からの復帰ということで試合勘の難しさもあったか、プロ11戦目にして初黒星となった。


Prelim
▼ミドル級 5分3R
×イアン・ハイニッシュ(アメリカ/同級10位)
判定0-3 ※28-29、28-29、28-29
○オマリ・アフメドフ(ロシア/同級14位)

Prelim
▼ウェルター級 5分3R
○マット・ブラウン(アメリカ)
KO 2R 4分55秒
×ベン・サンダース(アメリカ)

Early Prelim
▼フェザー級 5分3R
○チェイス・フーパー(アメリカ)
TKO 1R 4分34秒
×ダニエル・テイムル(スウェーデン)

Early Prelim
▼フライ級 5分3R
○ブランドン・モレノ(メキシコ)
判定3-0 ※30-27、29-28、29-28
×カイ・カラ・フランス(ニュージーランド)

Early Prelim
▼131ポンド(59.42kg)契約 5分3R
○ジェシカ・アイ(アメリカ)
判定3-0 ※29-28、29-28、29-28
×ビビアン・アラウジョ(ブラジル)
※アイは女子フライ級規定体重をオーバー、対戦相手のアラウジョに報奨金の30%を支払う。

Early Prelim
▼ミドル級 5分3R
○プナヘレ・ソリアーノ(アメリカ)
KO 1R 3分17秒
×オスカル・ピエホタ(ポーランド)