2019年12月21日(土・現地時間)韓国・釜山東莱区のザジク・アリーナで『UFC Fight Night 165』が開催されました。以下、試合レポート・結果です。※試合順を入れ替えている箇所があります。

Photos(C)Jeff Bottari/ Zuffa LLC/ UFC

Main Event
▼フェザー級 5分5R
○フランキー・エドガー(38=アメリカ/同級4位)
TKO 1R 3分18秒
×ジョン・チャンソン(32=韓国/同級6位)

チャンソンの右アッパーがエドガーにヒット

 チャンソンと当初対戦が予定されていたブライアン・オルテガ(アメリカ)が、大会直前に膝の負傷により欠場(一報は12月5日)。この事態を受けて、元UFC世界ライト級王者のエドガーが緊急参戦し、チャンソンと拳を交えることになった。

 人気選手のエドガーはフェザー級に階級を下げてからも、暫定王座決定戦を含め3度のタイトルマッチを戦うなど、トップ戦線で活躍中。前戦は今年7月の『UFC 240』で、当時のUFC世界フェザー級王者マックス・ホロウェイ(アメリカ)に判定負けしている。通算戦績は23勝7敗1分(7KO・TKO/4SUB)。

 対するチャンソンも“コリアンゾンビ”の愛称で知られる人気選手であり、UFC世界フェザー級タイトルマッチを一度経験している実力者。母国で兵役に就くため、一時、格闘技から離れていたが、2017年2月の『UFC Fight Night 104』で3年半ぶりに復帰を果たし、変わらぬ強さを見せている。通算戦績は14勝5敗(5KO・TKO/8SUB)。

 チャンソンは気合いの雄叫びと共にケージイン。エドガーは控室から走っての登場だ。双方に大きな声援が送られて開戦となった。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。エドガーは軽快なフットワークと素早い出入りから左右フック。左ジャブを突きながら虎視眈々と狙いを定めている様子のチャンソンは、右の拳も準備万端だ。

 タックルを防がれたエドガーは右カーフを一発蹴り、続けて右ストレートで仕掛けようとするが、チャンソンの左カウンターを被弾したか、よろめいてしまう。直後に再びタックルを切られたエドガーは賭けのパンチ勝負。これをチャンソンの右アッパーと左右フックが打ち砕く。

 エドガーがダウン。チャンソンはバックマウントから鉄槌を浴びせてチョークも狙う。うつ伏せのまま耐えるエドガー。チャンソンは削りに削ったところで自らスタンド戦に戻すと、うつろな表情で立ち上がってきたエドガーを再び殴り倒し、レフェリーストップを呼び込んだ。

 圧巻のTKO劇に会場総立ちの大歓声。エドガー相手に勝利を掴んだチャンソンは「本当に嬉しい。自分にとってはクリスマスのプレゼントさ」と喜びつつ、「エドガーとは25分間、戦いたかった。その点については悔やまれるけど、ホッとしている気もする」と本音も吐露した。


Main Card
▼フェザー級 5分3R
×チェ・ドゥホ(28=韓国)
TKO 2R 4分32秒
○シャルル・ジョーデイン(24=カナダ)

ジョーデインの左フックを喰らうドゥホ

 ドゥホはUFC初参戦から3試合連続の1RKO・TKO勝利をあげ、4戦目となった2016年12月の『UFC 206』では、カブ・スワンソン(アメリカ)相手に判定で敗れはしたものの、壮絶なド突き合いでダウンを奪い合う名勝負を繰り広げた。

 その後は負傷もあって現在までに1試合の出場のみ。昨年1月の『UFC Fight Night 124』でジェレミー・スティーブンス(同)に2RTKO負けしている。1年11カ月ぶりの復帰戦を母国で迎えることになった。通算戦績は13勝3敗(11KO・TKO/1SUB)。

 対するジョーデインは母国カナダのTKO MMAでフェザー級王座とライト級暫定王座を獲得するなど活躍。今年5月の『UFC Fight Night 152』でUFCに初参戦し、デスモンド・グリーン(アメリカ)に判定負けしている。通算戦績は9勝2敗(6KO・TKO/3SUB)。

 1R、構えは両者共にオーソドックス。ドゥホは開始直後から足を前に運んで圧力をかけ、ジョーデインがケージ際で詰まるとすかさず拳を振るう。ジョーデインも飲まれることなくパンチを素早く上下に打ち分け、サウスポーにスイッチして蹴る左ミドルも鋭い。

 試合が動いたのは開始2分。ドゥホが右カーフからの左フックを当て、ジョーデインをよろめかせる。ドゥホはパンチと膝蹴りで追撃。ジョーデインはドゥホに強烈な右オーバーハンドをガードの上から効かされ、たまらずマットに背を着ける。

 下から足を暴れさせて抵抗するジョーデイン。ドゥホは深追いせず、しばしグラウンドでコントロールしてから立ち上がる。再び剛腕で圧倒しにかかるドゥホ。しかし、ジョーデインはここで再三繰り出していた飛び膝蹴りをついに実らせ、ドゥホをダウンさせる。ジョーデインが鉄槌を落としたところでホーンが鳴った。

 2R、サウスポーでスタートしたジョーデインは左ミドルと左右ボディ。序盤こそ見る場面が多かったドゥホだが、徐々に圧を取り戻しながら再び右フックと右アッパーで迫っていく。ジョーデインは顔を覆ったり体を背けたり左右に動き回ったりとディフェンスが忙しくなる中、左ミドルや左ストレートを返すことは忘れない。

 残り時間2分辺りからジョーデインも積極的にパンチのコンビネーションで仕掛けるようになり、左ストレートと右アッパーでドゥホを脅かす。攻撃をかわせばまた前に出るドゥホであったが、終了間際に少し見合った所でジョーデインの左フックカウンターと返しの右フックを喰らってまさかのダウン。ジョーデインが鉄槌を開始するとレフェリーがすぐに割って入った。

 やってしまったという表情で天を仰ぐドゥホ。ジョーデインが強敵相手に耐え抜いて耐え抜いて、値千金のUFC初勝利を掴んだ。

 試合後、マイクを向けられたジョーデインは「今日のように逆境で戦ったことは一度もない。最初の方は詳しく覚えてすらいない」と苦しい戦いを振り返り、「カブ・スワンソンと戦えたら名誉なことだと思う。彼が膝の手術から早く回復することを願っている」と次なる目標を掲げた。


Co-Main Event
▼ライトヘビー級 5分3R
○ヴォルカン・オーズデミア(30=スイス/同級8位)
判定2-1 ※29-28、28-29、29-28
×アレクサンダル・ラキッチ(27=オーストラリア/同級9位) 

右ローを効かせてからパンチで追い上げたオーズデミア

 オーズデミアは3連敗で臨んだ今年8月の『UFC Fight Night 156』で、イリル・ラティフィ(スウェーデン)に2RKO勝ちし、復活の狼煙を上げた。通算戦績が16勝4敗(12KO・TKO/1SUB)、UFC戦績が4勝3敗(3KO・TKO/0SUB)となっている。

 対するラキッチは通算戦績が12勝1敗(9KO・TKO/1SUB)、UFC戦績が4戦全勝(2KO・TKO/0SUB)と絶好調。前戦は今年6月の『UFC Fight Night 153』で、ジミ・マヌワ(アメリカ)を1R42秒KOに仕留めている。

 1R、ラキッチがいきなりパンチのラッシュで仕掛け、オーズデミアがケージを背負った所でフロントチョーク。ここはオーズデミアが凌いだが、以降もハンドスピードで勝るラキッチにコンビネーションとカウンターで押され気味の展開に。

 2R、オーズデミアが右ローを効かせて反撃開始。ラキッチは蹴り足をキャッチしてテイクダウンを狙う。ラキッチは依然として鋭いパンチを返すが、時間の経過と共に左足の膝下外則がどんどん膨れ上がっており、これがこの後にどう響くか。

 3R、ラキッチはオーズデミアをケージに押し込むと、離れ際に左右フック。オーズデミアも前に出続けパンチを繰り出す。ラキッチはカウンターやクリンチで応戦し、足のダメージをそこまで感じさせなかった。

 勝負の行方は判定に委ねられ、スプリットでオーズデミアに軍配。ラキッチはUFC5戦目にして初黒星となった。


Main Card
▼ライトヘビー級 5分3R
○チョン・ダウン(26=韓国)
KO 1R 1分04秒
×マイク・ロドリゲス(31=アメリカ)

 チョン・ダウンは昨年9月にHEAT総合ルール・ライトヘビー級王座を獲得。今年8月の『UFC Fight Night 157』でUFCに初参戦し、3R一本勝ちを収めている。通算戦績が12勝2敗(9KO・TKO/2SUB)。

 対するロドリゲスは通算戦績が10勝4敗(8KO・TKO/2SUB)、UFC戦績が1勝2敗(1KO・TKO/0SUB)。Dana White’s Tuesday Night Contender Seriesを経由し、昨年からUFC参戦を果たしている。

 勝負は1R早々に決着した。左インローと前蹴りを軽快に繰り出すサウスポーのロドリゲスに対し、オーソドックスのチョン・ダウンは前手を出しながらプレッシャーをかけると、左ジャブから右ストレート一閃。崩れ落ちたロドリゲスにチョン・ダウンが鉄槌を開始すると、レフェリーがすぐに試合を止めた。


Main Card
▼ミドル級 5分3R
○パク・ジョンヨン(韓国)
判定3-0 ※29-28、29-28、30-27
×マルク・アンドレ・バリオー(カナダ)

Main Card
▼バンタム級 5分3R
○カン・ギョンホ(韓国)
判定2-1 ※29-28、28-29、30-27
×リュウ・ピンユエン(中国)

Prelim
▼ヘビー級 5分3R
○シリル・ガーヌ(フランス)
判定3-0 ※30-26、30-26、30-26
×タナー・ボーザー(カナダ)

Prelim
▼フェザー級 5分3R
○チェ・スンウ(韓国)
判定3-0 ※29-26、29-26、29-25
×スーマン・モクタリアン(オーストラリア)

Prelim
▼ライト級 5分3R
×マー・ドンヒョン(韓国)
判定0-3 ※27-30、26-30、28-29
○オマール・アントニオ・モラレス・フェレール(カナダ)

Prelim
▼フライ級 5分3R
○アレクサンドル・パントーハ(ブラジル/同級4位)
KO 1R 4分17秒
×マット・シュネル(アメリカ/同級9位)

Prelim
▼バンタム級 5分3R
○ラオーニ・バルセロス(ブラジル)
判定3-0 ※29-28、29-28、30-27
×サイード・ヌルマゴメドフ(ロシア)

Prelim
▼女子ストロー級 5分3R
×ミランダ・グレンジャー(アメリカ)
一本 1R 3分43秒 ※リアネイキドチョーク
○アマンダ・レモス(ブラジル)

Prelim
▼バンタム級 5分3R
○アラテン・ヘイリ(中国)
判定2-1 ※29-28、29-28、28-29
×ライアン・ブノワ(アメリカ)