魅津希(右)がハードパンチャーのレモス(左)に敗れた Photos(C)Chris Unger/ Zuffa LLC/ UFC

 2020年8月22日(土・現地時間)、『UFC on ESPN 15』がアメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEX(無観客)で開催されました。以下、試合レポート・結果です。

Prelim
▼女子ストロー級 5分3R
○アマンダ・レモス(32=ブラジル)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
×魅津希(26=日本)

 魅津希(みずき)はDEEP JEWELSストロー級王者。昨年8月の『UFC Fight Night 157』でオクタゴン初参戦を果たし、ウー・ヤナン(24=中国)に判定勝ちしている。キャリア通算戦績は14勝5敗(0KO・TKO/9SUB)。今回は1年ぶりの出場だ。

 対するレモスは母国ブラジルのJungle Fightで女子バンタム級王座を獲得するなど活躍。前戦は昨年12月の『UFC Fight Night 165』で、ミランダ・グレンジャー(28=アメリカ)に1R・一本勝ちし、オクタゴン2戦目での初白星となった。キャリア通算戦績は7勝1敗(5KO・TKO/2SUB)。勝った試合の全てでフィニッシュしている。

 1R、両者共にオーソドックスで、両腕を前にしっかりと構えて上体を常に動かす魅津希に対し、レモスは両腕を下げ気味にリラックした構え。魅津希が間合いを潰そうとすれば、レモスは即座に左右フックで反応する。クリンチしてレモスをケージに押し込む魅津希。レモスは密着状態から離れた瞬間を左右フックの速射砲で狙う。

 魅津希も果敢に左右フックで仕掛けるが、レモスの拳に阻まれる展開が続く。すると残り1分30秒に迫った時、レモスはサウスポーにスイッチして左ミドルを蹴り、そこからオーソドックスに戻してワンツー。レモスの拳が魅津希をダウンさせる。レモスは鉄槌で追撃にいくが、魅津希の反応を見て深追いせず立ち上がった。

 2R、魅津希はクリンチでケージに押し込む展開から足を払っての投げを狙うが、逆にレモスに足を抱え上げられてしまう。レモスがテイクダウンに成功。魅津希はしばしマットに背を着けた状態が続く。肘を落とすレモス。魅津希はスクランブルからケージを蹴って立ち上がると、再びクリンチに出る。しかし、レモスは魅津希に反撃を許さない。

 3R、魅津希はレモスの右ローをキャッチし、右ストレートから左フックを振るってクリンチ。被弾を免れたレモスはケージを背負って粘り強いテイクダウンディフェンスを続ける。クリンチ攻めから打撃戦に切り替える魅津希。終盤はレモスも疲労の色が濃く、魅津希の手数にやや押され気味となったが、決定打は許さず。

 勝敗の結果は判定3-0でレモスの勝利。魅津希のオクタゴン2戦目は黒星となった。


Main Event
▼バンタム級 5分5R
×ペドロ・ムニョス(33=アメリカ/同級5位)
判定1-2 ※47-48、49-46、47-48
○フランキー・エドガー(38=アメリカ)

左ジャブをムニョス(右)の顔面に突き刺すエドガー(左)

 エドガーは元UFC世界ライト級王者で、フェザー級に階級を下げてからも、暫定王座決定戦を含め3度のタイトルマッチを戦うなど、トップ戦線で活躍中だ。

 3度目のフェザー級タイトルマッチは昨年7月の『UFC 240』で、当時の王者マックス・ホロウェイ(28=アメリカ)に判定負け。その5カ月後にスクランブル出場となった『UFC Fight Night 165』では、ジョン・チャンソン(33=韓国)に1R・TKO負けを喫している。今大会では初のバンタム級で連敗脱出を目指す。

 対戦相手のムニョスはバンタム級5位の実力者。昨年3月の『UFC 235』ではコーディー・ガーブラント(29=アメリカ)に1R・KO勝ちしている。だが、前戦はその3カ月後の『UFC 238』で、アルジャメイン・スターリング(31=同)に判定負け。今回の試合が再起戦となる。

左ジャブをムニョス(右)の顔面に突き刺すエドガー(左)

 試合はエドガーが1Rから軽快なステップでサークリングし、鋭いパンチのコンビネーション攻撃を展開。ムニョスも時おり左右フックを届かせるが、エドガーの手数と俊敏さが目立つ。2Rにはエドガーがテイクダウンも追加。ムニョスも3Rに入ると鋭い右ローを当てていく。

 両者共に顔から出血しているものの消耗した様子は無く、なおもスピード感のあるパンチの攻防を展開。4Rにエドガーが再びテイクダウンを追加する。5Rはムニョスが右ローと右の三日月蹴りが効かせ、エドガーの動きを鈍らせた。

 終始見応えのある打撃戦を繰り広げた両者。判定の結果はスプリットでエドガーに軍配が上がった。エドガーがバンタム級転向初戦で白星を掴み連敗脱出。ムニョスは2連敗となった。


Main Card Co-Main Event
▼ライトヘビー級 5分3R
×マルチン・プラフニオ(ポーランド)
KO 1R 2分17秒
○マイク・ロドリゲス(アメリカ)

Prelim Main Card
▼ライト級 5分3R
×オースティン・ハバード(アメリカ)
一本 1R 3分51秒
○ジョー・ソレッキ(アメリカ)

Main Card
▼女子フライ級 5分3R
×マリヤ・アガポバ(カザフスタン)
TKO 2R 1分38秒
○シャナ・ドブソン(アメリカ)

Main Card
▼ウェルター級 5分3R
○ダニエル・ロドリゲス(アメリカ)
KO 1R 2分24秒
×ドワイト・グラント(アメリカ)

Prelim
▼ライトヘビー級 5分3R
×アイザック・ビラヌエバ(アメリカ)
TKO 1R 1分31秒
○ジョーダン・ライト(アメリカ)

Prelim
▼ウェルター級 5分3R
×カールトン・マイナス(アメリカ)
判定0-3 ※26-30、27-30、28-29
○マシュー・セメルスバーガー(アメリカ)

Prelim
▼140ポンド(63.5kg)契約 5分3R
×ティムール・バリエフ(ロシア)
TKO 2R 1分59秒
○トレビン・ジョーンズ(グアム)

Co-Main Event
▼ライトヘビー級 5分3R
-オヴィンス・サン・プルー(アメリカ)
試合中止
-アロンゾ・メニフィールド(アメリカ)
※サン・プルーが新型コロナウイルスの検査で陽性反応となったため試合中止。