前蹴りでコスタを寄せつけない王者アデサニヤ Photos(C)Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images

 現地時間2020年9月26日(土)・日本時間27日(日)、『UFC 253』がアラブ首長国連邦アブダビのヤス島で開催されました。会場は「UFCファイトアイランド」。以下、試合レポート・結果です。

メインイベント
▼ミドル級タイトルマッチ 5分5R
○イズラエル・アデサニヤ(31=ナイジェリア/王者)
KO 2R 3分59秒
×パウロ・コスタ(29=ブラジル/同級2位、挑戦者)
※アデサニヤが2度目の防衛成功。

計量でもエキサイトした両者はグローブタッチ無しで試合に臨んだ

 UFCミドル級王者アデサニヤが同級2位コスタの挑戦を受け、2度目の防衛戦に臨んだ。

 アデサニヤはキャリア通算戦績が19戦全勝(14KO・TKO/0SUB)で、このうちUFC戦績が8戦全勝(3KO・TKO/0SUB)。対するコスタはキャリア通算戦績が13戦全勝(11KO・TKO/1SUB)で、このうちUFC戦績が5戦全勝(4KO・TKO/0SUB)だ。王座とともに無敗記録更新も懸かる試合となった。

 1R、アデサニヤはオーソドックスに構えて右ローと右の関節蹴りを当てつつ、相手の間合いに入らぬよう左右へステップして距離を保つ。コスタもオーソドックスに構えてアデサニヤの行く手を阻みながら右ミドルと左ミドルを当てていく。お互いにノーガードにしたり、動きを止めたりして、相手を挑発するが、大きな仕掛けは無い。終盤にコスタはアデサニヤの右カーフキック2連続蹴りを嫌がる場面があった。

 2R、アデサニヤは右カーフ攻めを徹底。コスタは前足の膝とふくらはぎが部分部分すでに赤黒く腫れている。アデサニヤは単発の右ミドル、右の関節蹴りからの左ジャブ、前手で触り合う展開からの左ハイ強襲、相手の蹴りをブロックしてからパンチ連打返しなどで、コスタを脅かす。するとほどなく、左フックを振るったコスタに対し、アデサニヤが被せの右フックから返しの左フックを見事に炸裂させる。コスタはダウン。アデサニヤが追撃の拳をまとめ、レフェリーストップを呼び込んだ。

 アデサニヤがKO勝ちで2度目の防衛に成功し、プロデビューから続く全勝記録を「20」に更新。一方、コスタはキャリア14戦目で初黒星となった。

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セミメインイベント
▼ライトヘビー級王座決定戦 5分5R
×ドミニク・レイエス(30=アメリカ/同級1位)
KO 2R 4分36秒
○ヤン・ブラホビッチ(37=ポーランド/同級3位)
※ブラホビッチが新王座に就く。

ブラホビッチが右の強打でレイエスを攻め込む

 ジョン・ジョーンズ(33=アメリカ)が今年8月にライトヘビー級王座を返上したため、新たに同級1位レイエスと同級3位ブラホビッチが、王座決定戦を争うことになった。

 レイエスは2戦連続のタイトルマッチ。今年2月の『UFC 247』で、ジョーンズ相手に健闘するも判定0-3で敗れ、王座奪取ならず。キャリア13目で初黒星も喫することとなった。キャリア通算戦績は12勝1敗(7KO・TKO/2SUB)で、このうちUFC戦績が6勝1敗(3KO・TKO/1SUB)。中7カ月で再び巡ってきたチャンスを掴むことはできるか。

 対するブラホビッチはこれが初めてのUFCタイトルマッチだ。キャリア通算戦績は26勝8敗(7KO・TKO/9SUB)で、このうちUFC戦績が9勝5敗(3KO・TKO/2SUB)。ここ8試合の戦いぶりを見ると、黒星は昨年2月の『UFC Fight Night 145』で、チアゴ・サントス(36=ブラジル)に喫した3R・TKO負けのみだ。3連勝で今回の大一番に臨む。

 1R、サウスポーのレイエスが間合いを図りながら左ロー。オーソドックスのブラホビッチはレイエスの蹴りに構わずジリジリと迫り、仕掛ける時には右フックから左ミドルに繋げるコンボだ。左ローも蹴り始めたブラホビッチに対し、レイエスは左ストレートのカウンターを狙う。再び先述のコンボで炸裂音を響かせるブラホビッチ。全体的には両者とも慎重な姿勢を崩さず、コンタクトは少な目の5分間となった。

 2R、ブラホビッチはレイエスの蹴り終わりを狙い、パンチの3〜4連打で攻撃。パンチが交錯した場面では、レイエスがブラホビッチの離れ際を左ハイで狙う。一進一退の展開の中、残り時間1分を切ったところでブラホビッチがパンチの連打で仕掛け、レイエスもこれに応戦。一瞬見合った直後の打ち合いで、レイエスがブラホビッチの左フックを喰らってダウンする。ブラホビッチが追撃に入ろうとしたところで、レフェリーストップとなった。

 レイエスの悲願はならず。ブラホビッチがKO勝ちでライトヘビー級の新王者に輝いた。


メインカード
▼フライ級 5分3R
×カイ・カラ・フランス(ニュージーランド/同級7位)
一本 2R 48秒 ※ギロチンチョーク
○ブランドン・ロイバル(アメリカ/同級9位)

メインカード
▼女子バンタム級 5分3R
○ケトレン・ヴィエラ(ブラジル/同級7位)
判定3-0 ※29–28、29–28、29–28
×シジャラ・ユーバンクス(アメリカ/同級13位)

メインカード
▼150ポンド(68.04kg)契約 5分3R
○ハキーム・ダオドゥ(カナダ)
判定2-1 ※28–29、30–27、29–28
×ズバイラ・ツフゴフ(ロシア)
※ツフゴフの体重超過により、試合はリミット145ポンド(65.77kg)のフェザー級から上記の契約体重に変更して実施。 

プレリム
▼ライト級 5分3R
○ブラッド・リデル(ニュージーランド)
判定3-0 ※29–28、29–28、29–28
×アレックス・ダ・シウバ(ブラジル)

プレリム
▼ウェルター級 5分3R
×ディエゴ・サンチェス(アメリカ)
判定0-3 ※26-30、26-30、26-30
○ジェイク・マシューズ(オーストラリア)

プレリム
▼150ポンド(68.04kg)契約 5分3R
×シェーン・ヤング(ニュージーランド)
KO 1R 1分16秒
○ルドビト・クライン(スロヴァキア)
※クラインの体重超過により、試合はフェザー級リミットの145ポンド(65.77kg)から上記の契約体重に変更して実施。

プレリム
▼ライトヘビー級 5分3R
○ウィリアム・ナイト(アメリカ)
判定3-0 ※29–28、30–27、30–27
×アレクサ・カムール(アメリカ)

アーリープレリム
▼ヘビー級 5分3R
○フアン・エスピーノ(スペイン)
一本 1R 3分48秒 ※スカーフホールドチョーク
×ジェフ・ヒューズ(アメリカ)

アーリープレリム
▼ライトヘビー級 5分3R
×カディ・イブラギモフ(ロシア)
判定0-3 ※28-29、28-29、27-30
○ダニーロ・マルケス(ブラジス)