ペレイラ(左)とアベナ(右)のフェイスオフ Photos(C)Glory Sports International

 2019年9月28日(土・現地時間)アメリカ・フロリダ州マイアミのジェームズ・L.ナイト・センターで開催されるキックボクシング『GLORY 68: Miami』の前日計量が、27日(金・同)に行われた。

 今大会のメインイベントはGLORY世界ライトヘビー級(209ポンド・95 キロ)暫定王座決定戦。団体史上初の2階級同時戴冠を果たすべく、GLORY世界ミドル級王者アレックス・ペレイラ(32=ブラジル)が階級を上げ、GLORY世界ライトヘビー級2位の新鋭ドネギ・アベナ(21=スリナム)と激突する。

 計量はペレイラが205.2ポンド(93キロ)、アベナが208.6ポンド(94.6キロ)でパス。フェイスオフの際には、ファイティングポースをとるペレイラに対し、アベナは両腕を下ろしたまま太々しい表情で向き合い、火花を散らした。

「試合が待ちきれない。潰し合おうぜ」と不敵な笑みを浮べるアベナ。一方、ペレイラは「自分自身、自分の家族、自分の国のための重要な一戦だ。ベルトを獲るべく、しっかりと準備してきた」と表情を崩すことなく意気込みを語る。

 さらに、アベナが事前インタビューで「ペレイラは痩せすぎだ。足は鳥のように細い。骨もすかすかだろう」との挑発コメントを発したことについて、思うところを問われたペレイラは「彼が俺より重く、俺が彼よりも強い、というだけだ」と意に介さず、「彼はまだ22歳の子どもだ。明日はパパが学校に連れて行ってあげよう」と余裕の返しも見せた。

 正規王者アルテム・ヴァキトフ(ロシア)は今年6月の防衛戦で腕を負傷したため、来年まで戦線離脱。今回の暫定王座決定戦が組まれる運びとなった。

 ペレイラは2017年10月の『GLORY 46: Guangzhou』で、当時のGLORY世界ミドル級王者サイモン・マーカス(カナダ)に判定勝ちしてベルトを奪取。今年5月の『GLORY 65: Utrecht』では、4度目の王座防衛を目指して元王者の強敵ジェイソン・ウィルニス(オランダ)を迎え撃ち、鋭い右ハイでダウンを奪うと、再開直後にはとどめの二段飛びヒザ蹴りも喰らわし、王者に相応しい堂々の戦いぶりで1R1分31秒KO勝利を収めた。

 GLORY戦績は8勝(5KO・TKO)3敗。現在6連勝中と絶好調だ。また、キックボクサーとしても腕を鳴らしたUFC世界ミドル級暫定王者イズラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)とも、2016年4月と2017年3月の2度対戦し、いずれも勝利していることも記しておきたい。

 対するアベナは日本でもお馴染みのマイク・パッセニール会長率いるMike’s Gymに所属する、GLORYライトヘビー級のホープだ。

 GLORY初参戦から2連勝で迎えた今年6月の『GLORY 66: Paris』で、ヴァキトフのGLORY世界ライトヘビー級王座に挑戦すると、序盤から落ち着いた戦いぶりで優位に立ち、4Rには鋭い左ハイで王者をよろめかせるなど試合を支配していたかに思われたが、結果は無念の判定負けとなり、初戴冠を逃すこととなった。

 初黒星によりGLORY戦績は2勝1敗に。先の判定も物議を醸すことになったが、その試合からわずか2カ月という期間で、再び初戴冠に向けてチャンスが巡ってきた。

 ペレイラが2階級でベルトを巻くことになるか。アベナが前戦での悔しさを晴らすか。ヴァキトフとの王座統一戦を待つことになるのは、果たしてどちらか。