リョートの腹をとらえるデイヴィスの前蹴り Photos(C)Bellator MMA

 2020年9月11日(金・現地時間)、『Bellator 245』がアメリカ・コネチカット州モントヴィルで開催されました。以下、試合レポート・結果です。

Main Event
▼ライトヘビー級 5分3R
○フィル・デイヴィス(35=アメリカ)
判定2-1 ※28-29、29-28、29-28
×リョート・マチダ(42=ブラジル)

デイヴィスが右の蹴りを多用し、リョートを返り討ちにした

 両者は2013年8月の『UFC 163』で一度対戦しており、この時はデイヴィスが判定勝ち。共にUFCからBellatorへ活躍の場を移し、今回の再戦を迎える。

 リョートは元UFCライトヘビー級王者のベテラン。前回の出場は昨年9月の『Bellator 228』で、ゲガール・ムサシ(35=オランダ)にスプリット判定負けだった。なお、この時は1階級下のミドル級で試合に臨んでいる。Bellatorデビュー2勝1敗で1年ぶりの再起戦に臨む。

 対するデイヴィスは元Bellator MMAライトヘビー級王者。前回の出場は昨年10月の『Bellator 231』で、カール・アルブレックソン(26=スウェーデン)に3R・TKO勝ちしている。現在2連勝中。Bellator戦績は8勝2敗だ。

 1R、互いに細かくフェイントを入れながら慎重に牽制。サウスポーのリョートが左の前蹴り・ミドルを繰り出すのに対し、オーソドックスのデイヴィスは右の前蹴り・ミドルを返す。デイヴィスが右ハイから即座に振るう右フックも強烈だ。リョートはデイヴィスの蹴り終わりを左ローで狙う。

 2R、デイヴィスは左ジャブ・フックを打ったり、左方向へステップを刻んだりしてから右の前蹴り・ミドル。デイヴィスの蹴りがリョートの腹を正確にとらえ始める。リョートも同様の攻撃を見せるが、手数と精度はデイヴィスがやや上回る印象。デイヴィスは打撃の交錯直後を右フックとタックルで狙い、リョートの体勢を崩す場面も。

 3R、両者ともにパンチは空を切るが、蹴りは届く距離。左右ローを多く当てているのはリョートだ。リョートは前足で掛け蹴りと関節蹴りも繰り出す。デイヴィスも勢い良くワンツーを振るい続けたが、リョートをとらえることはできなかった。

 判定の結果はスプリットでデイヴィスに軍配。デイヴィスが接戦を制し、リョートを返り討ちにした。


マウントから削るジンガノ

Co-Main Event
▼150.7ポンド(68.36kg)契約 5分3R
○キャット・ジンガノ(38=アメリカ)
判定3-0 ※29-27、30-26、30-26
×ギャビー・ホロウェイ(30=アメリカ)
※ホロウェイの体重超過により、試合はリミット145ポンド(65.77kg)の女子フェザー級から150.7ポンド(68.36kg)契約に変更して実施。

 ジンガノは2015年のUFC女子バンタム級タイトルコンテンダー。当時の王者だったロンダ・ラウジー(33=アメリカ)には一本負けしているが、後に王者となるミーシャ・テイト(34=同)とアマンダ・ヌネス(32=ブラジル)にはTKO勝ちしている。UFC離脱から1年9カ月の時を経て、新天地Bellatorで復活を目指す。

 対するホロウェイはこれが3年6カ月ぶりの復帰戦。元Bellator MMA女子フェザー級王者のジュリア・バッド(37=カナダ)とタイトルコンテンダーのアーリーン・ブレンコウ(37=アメリカ)との対戦経験があり、いずれも判定負けだった。Bellator戦績は2勝1敗。

 試合はホロウェイの体重超過により、リミット145ポンド(65.77kg)の女子フェザー級から150.7ポンド(68.36kg)契約に変更して実施された。

 1Rと2Rはジンガノがボディロックからの投げでホロウェイをテイクダウンし、腕十字とパウンドで攻めるなど終始優勢をキープ。3Rはホロウェイが首投げからのマウント奪取、そこからのエルボー攻めで反撃に転じる。だが、ホロウェイはジンガノにブリッジで返され、チャンスを活かせず。ジンガノが新天地デビュー戦を判定勝ちで飾った。


Main Card
▼ミドル級 5分3R
×エド・ルース(29=アメリカ)
一本 1R 59秒 ※ヒールフック
○テイラー・ジョンソン(29=アメリカ)

下からルースの足関節を極めにいくジョンソン

 試合は早々に決着した。1R開始早々にルースはタックルでテイクダウンを決めるが、直後にジョンソンの足関節技に捕まり一転ピンチに。ジョンソンはしぶとく絡みつき、ルースを逃すことなくタップさせた。

 ジョンソンが新天地での再起戦で秒殺一本勝ち。ルースは2連敗となった。


Main Card
▼ウェルター級 5分3R
-レイモンド・ダニエルズ(40=アメリカ)
ノーコンテスト 3R 1分00秒 ※偶発的ローブロー
-ピーター・スタノニク(32=アメリカ)

レイモンドの蹴りを下腹部に受けたスタノニクは苦悶の表情で倒れ込んだ

 ダニエルスはBellator Kickboxingウェルター級王者で、MMA戦績が2勝1敗。対するスタノニクもキックボクサーとしてGLORYに出場した経験を持ち、MMA戦績は4勝4敗だ。

 1R、両者ともに構えはサウスポー。ワンツースリーのパンチから左の中段後ろ回し蹴りを積極的に繰り出すダニエルズに対し、スタノニクが間合いを潰して転倒を誘う。ダニエルズはスタノニクにマウントを許してしまうが、ほどなくしてエスケープする。

 以降の打撃戦では、ダニエルズがサークリングで間合いを保ちながら左ジャブを突き、得意の後ろ回し蹴りで一撃必殺も狙う。スタノニクはダニエルズを追いかけながら左右フックと左ローで仕掛けるが、なかなか綺麗に当てさせてもらえない。

 2R、打撃戦が続く中、レイモンドが放った左の中段後ろ回し蹴りがスタノニクの下腹部に直撃。スタノニクはマウスピースを吐き出して悶絶する。長めの回復時間を取って試合は再開されるが、直後にまたしてもレイモンドの左の中段後ろ回し蹴りがスタノニクの下腹部に当たってしまう。

 スタノニクはマットに倒れ込んで嗚咽し、試合続行は不可能な状態だ。ここでレフェリーストップが入り、試合はノーコンテストとなった。


Preliminary Card
▼ライトヘビー級 5分3R
×ハファエル・カルバーリョ(ブラジル)
判定0-3 ※27-30、27-30、27-30
○アレックス・ポリーズィー(アメリカ)

Preliminary Card
▼149ポンド(67.59kg)契約 5分3R
○レスリー・スミス(アメリカ)
判定3-0 ※29-28、29-28、29-28
×アマンダ・ベル(アメリカ)
※ベルの体重超過により、試合はリミット145ポンド(65.77kg)のフェザー級から149ポンド(67.59kg)契約に変更して実施。

Preliminary Card
▼ヘビー級 5分3R
-タイレル・フォーチュン(アメリカ)
ノーコンテスト 1R 2分42秒 ※偶発的ローブロー
-ジャック・メイ(アメリカ)

Preliminary Card
▼144ポンド(65.32kg)契約 5分3R
○キース・リー(アメリカ)
判定3-0 ※29-28、29-28、30-27
×ヴィニシウス・ザニ(ブラジル)