2020年7月31日(金・現地時間)、『ONE: NO SURRENDER』がタイ・バンコクで開催されました。以下、試合レポート・結果です。なお、今大会の闘技場にはケージではなく、リングが使用されています。
Main Card
▼キックボクシング フェザー級(70.3kg) 3分3R
×シッティチャイ・シッソンピーノン(28=タイ)
判定0-3
〇スーパーボン(29=タイ)
新型コロナウイルスの世界的流行により、活動中断を余儀なくされていたONEが、5カ月ぶりとなる大会を無観客で開催。そこで注目のビッグカードが実現した。
ムエタイの本場で活躍後、キックボクシングの舞台でも世界トップクラスへと上り詰めたシッティチャイとスーパーボンの両雄が、そろってONEに初参戦。いきなりの対戦実現となった。
シッティチャイとスーパーボンは共に中国のビッグプロモーションとして知られるKunlun Fightに参戦し、強豪ひしめく世界トーナメントを制覇した実績を持つ。2016年に同団体のリングで2度拳を交えており、結果は1勝1敗の五分。初対決はシッティチャイの2R・KO勝ち、2度目はスーパーボンの判定勝ちだった。
シッティチャイの実績として欠かせないのは、ヨーロッパのビッグプロモーションであるGLORYでの活躍だ。ライト級(70kg)王者に約3年君臨し、6度の防衛に成功。昨年5月の『GLORY 65: Utrecht』で、マラット・グレゴリアン(29=アルメニア)に判定負けし、ついに王座陥落となった。しかしながら、グレゴリアンに敗れるのは5度目の対戦にして初だったということも記しておきたい。
ちなみに、スーパーボンもそのグレゴリアンと2018年のKunlun Fight世界トーナメント・決勝の舞台で1度対戦しており、同日の準決勝で3Rを戦い抜いた上でのことだが、結果は1R・KO負けだった。その後は9戦全勝という戦いぶり。好調を維持して3度目のシッティチャイ戦に臨んだ。
1R、サウスポーのシッティチャイは左ミドルを蹴り、ワンツーを顔面と腹に打ち分け。オーソドックスのスーパーボンも右ミドルを返す。両者譲らぬミドルの蹴り合い。コンタクトが徐々に激しさを増し、パンチも交錯する。シッティチャイが右アッパーと左ストレートを当て、一瞬の組み際や相手の踏み込みに膝蹴りも合わせるなど、やや優勢の印象だ。
2R、シッティチャイが前手のジャブとフックから左ミドル。スーパーボンも右ミドルを返し、左の前蹴りでシッティチャイを吹っ飛ばす。今度はシッティチャイが左ストレートや左アッパーで仕掛け、即座に膝蹴りへと繋げる攻撃。シッティチャイはパンチの前に一瞬組みにいくようなフェイントも入れる。スーパーボンはシッティチャイの膝蹴りを受け止め、左右ミドルと右ストレートで応戦した。
3R、再びミドルの蹴り合いからスタート。シッティチャイはスーパーボンの踏み込み際や離れ際など、一瞬のタイミングを膝蹴りで狙う。その膝蹴りに右ストレートを合わせるスーパーボン。シッティチャイの右アッパーも当たる。膝蹴りが相打ちとなる両者。強烈なミドルをキャッチして強烈なミドルを返すという展開もあった。
両者譲らぬ熱戦。勝敗の結果は判定3-0でスーパーボンに軍配が上がった。ONEデビュー戦をモノにしたのはスーパーボン。シッティチャイは黒星発進となった。
Main Event
▼ONEムエタイ世界フライ級(61.2kg)タイトルマッチ 3分5R
〇ロッタン・ジットムアンノン(23=タイ)
判定2-0
×ペッダム・ペッティンディーアカデミー(22=タイ)
※ロッタンが3度目の防衛に成功。
ONEムエタイ世界フライ級王者ロッタンは3度目の防衛戦。挑戦者は過去1勝1敗の難敵ペッダムだ。
過去2度の対戦はいずれもラジャダムナンスタジアムで行われ、2017年5月の初対決はペッダムが判定勝ち、翌年1月の再戦はロッタンが判定勝ちしている。
オープンフィンガーグローブを着用しての試合。
1R、サウスポーのペッダムは細かく右ジャブを出し、左ミドルと前蹴り。オーソドックスのロッタンはペッダムのジャブを左手で受けつつ、パンチで仕掛けるタイミングをうかがう。
2R、ロッタンが圧力を増し、ペッダムをロープ際まで下がらせると一気にワンツー、左アッパー、左右フックをまとめる。ペッダムは肘を返さんとするが、ロッタンにかわされ左右フックを喰らう。
3R、左ミドルと右の前蹴りで突き放さんとするペッダム。ロッタンは構わず迫り、パンチの連打をまとめる。ロープを背負ったペッダムはロッタンの左ボディと左フックでよろめく。
4R、ロッタンはペッダムの蹴りをかわすと、すぐに間合いを潰してパンチの速射砲。ロッタンの肘もペッダムの離れ際を脅かす。
5R、ロッタンは開始直後にいきなり右ストレートをぶち込み、ペッダムのクリンチには膝蹴り。ペッダムの左ハイは空を切る。ロッタンは流し気味ながらもペッダムの蹴りにはしっかり左ジャブを合わせたり、キャッチして軸足払いを見舞ったりした。
2年半ぶりの再戦は判定でロッタンに軍配。王者が3度目の防衛を果たすことになった。
Co-Main Event
▼ONEムエタイ世界フェザー級(70.3kg)タイトルマッチ 3分5R
〇ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(26=タイ)
判定2-0
×ヨドサンクライ・IWE・フェアテックス(35=タイ)
※ペットモラコットが初防衛に成功。
ペットモラコットがヨドサンクライの挑戦を受け、ONEムエタイ世界フェザー級王座の初防衛戦に臨んだ。
1Rはヨドサンクライが間合いを詰めて左アッパーを連打するなどパンチで圧力をかけたが、2Rになるとペットモラコットが蹴り足キャッチからの左ストレート連打を効かせて主導権を握る。
3Rと4Rもペットモラコットがワンツー、単発の左ストレート、至近距離の肘で攻撃。左ミドルから一気に拳を振るって向かい続けるヨドサンクライに対し、ペットモラコットは両手を使って遠ざけたり、足を使って距離を取ったり、組みついて防いだりと巧みだ。
5Rは流し気味となったペットモラコットがヨドサンクライに左ミドルを蹴らせ、それをブロックし続ける展開に。ペットモラコットが判定勝ちで初防衛に成功した。
Main Card
▼MMA アトム級(52.2kg) 5分3R
〇スタンプ・フェアテックス(22=タイ)
TKO 1R 3分59秒
×スニーサ・スリセン(19=タイ)
スタンプは今年2月にONEキックボクシング世界アトム級王座の初防衛に失敗。今回はデビュー4連勝中(2KO・TKO/1SUB)のMMAルールで試合に臨んだ。対戦相手のスリセンはONE初参戦となる。
1R、構えは両者共にオーソドックス。打撃の交換からほどなく、スタンプが首相撲に持ち込んで膝蹴りを突き刺しまくる。スリセンはなんとか胸を合わせて押し込みながらテイクダウンを狙うが、ロープを掴んだためか、レフェリーにブレイクを指示される。
両者離れて試合再開。スタンプは右ミドルを蹴り、ワンツーを合わせにきたスリセンを再び首相撲に捕らえて膝蹴り、そこから崩してテイクダウンを決める。スタンプがバックマウントに移行し、スリセンの顔面に拳を連打するとレフェリーが試合をストップ。スタンプのTKO勝ちが決まった。
Main Card
▼MMA 67.0kg契約 5分3R
×マーク・フェアテックス・アベラルド(ニュージーランド、フィリピン)
一本 2R 1分11秒 ※リアネイキドチョーク
○ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)
Main Card
▼ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
×パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
判定0-3
〇スーパーレック・キアトモー9(タイ)