12月6日のクアラルンプール大会。
澤田龍人(左)と内藤大樹(右)の参戦が決まった
Photos(C)ONE

 2019年12月6日(金・現地時間)マレーシア・クアラルンプール・アシアタアリーナで開催される『ONE: MARK OF GREATNESS』の対戦カードが発表された。

 日本からは修斗の澤田龍人(23)とシュートボクシングの内藤大樹(23)の参戦が決定。澤田はMMA(総合格闘技)ルールでボカン・マスンヤネ(南アフリカ)とのストロー級(56.7キロ)ワンマッチ、内藤はムエタイルールでルイ・ボテーロ(ポルトガル)とのフライ級(61.2キロ)ワンマッチにそれぞれ臨む。

武尊とも拳を交えたジュングァン(右)。
ONE2戦目にして早くも王座戦に臨む

 メインイベントはアラヴェルディ・ラマザノフ(ロシア)vsジャン・チェンロン(中国)のONE Super Seriesキックボクシング世界バンタム級(65.8キロ)王座決定戦、セミファイナルはサムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)vsワン・ジュングァン(中国)のONE Super Seriesキックボクシング世界ストロー級(56.7キロ)王座決定戦。好調の中国勢が新設の王座を狙う。

「格闘代理戦争」出身のユン・チャンミン(韓国)も出陣。MMAルールのフェザー級(70.3キロ)ワンマッチで、対戦相手はなんとムエタイの世界的強豪ファビオ・ピンカ(フランス)だ。Nuit des Champions、WBC、Lion Fight、ISKA、ラジャダムナンなどで王座を獲得してきたピンカは、これがMMAプロデビュー戦となるもよう。

ピンカは昨年4月以来、2度目のONE登場。
まさかのMMAルールでの参戦となる

 ここからは日本人出場選手とその対戦相手の戦歴について触れたい。

 澤田は17歳でプロデビューし、修斗のストロー級戦線で活躍。戴冠こそ果たせなかったが、19歳から21歳にかけて修斗世界ストロー級タイトルマッチを3度経験するなど、若い頃からビッグマッチを経験してきた。

 そのタイトルマッチについて振り返ると、1度目は2015年7月で内藤のび太に4R一本負け、2度目は2016年7月で黒澤亮平(当時のリングネームは飛鳥拳)に2RKO負け、3度目は猿田洋祐に4RKO負け。この内、のび太と猿田の2人が後にONE世界ストロー級王座を獲得しており、澤田が強豪ぞろいの戦線で揉まれてきたことがうかがえる。

澤田のリアネイキドチョーク

 猿田に敗れた後はシンガポールの名門ジム「Evolve MMA」に移籍。ONEのトライアウトシリーズ『ONE Warrior Series』にも参戦し、昨年7月と昨年10月の試合でいずれも1R一本勝ちを収め、本契約を勝ち取った。そして、今年8月にONE本戦デビューを果たすと、アジス・カリム(インドネシア)にもわずか69秒で一本勝ち。上々のスタートを切っている。

 対するマスンヤネは母国のEFC(Extreme Fighting Championship)でプロデビューから5戦全勝(0KO・TKO/1SUB)の戦績を残し、7月の『PANCRASE 307』で初来日。試合では当時、パンクラス・フライ級6位だった荻窪祐輔を相手に、レスリングベースのファイトスタイルを駆使し、豪快な投げ技を混ぜたテイクダウンからのコントロールでしっかりと判定勝ちした。ONEには今大会で初参戦となる。

 ともにレスリング出身で小柄ながらもパワフルなマスンヤネとフィニッシュ力のある澤田。ジョシュア・パシオ(フィリピン)を頂点に、アレックス・シウバ(ブラジル)、猿田、のび太らが続くストロー級戦線において、新風となるのは澤田かマスンヤネか。

 内藤はシュートボクシングで日本スーパーバンタム級王座に就くなど活躍。2017年11月には『RISE 121』で開催された1dayトーナメント「RISE DEAD OR ALIVE -57kg」に出場すると、1回戦で原口健飛に判定勝ち、準決勝で工藤政英に判定勝ち、決勝でMOMOTAROに4RKO勝ちし、見事に優勝を飾った。

 大きな注目を集めたのは、昨年11月の『RISE 129』で実現した那須川天心との3年3カ月ぶりとなる再戦。内藤は1RKO負けでリベンジを果たすことはできなかったが、試合後に那須川が感極まるほど、その試合に懸けてきた思いを拳にのせていた。

カーフキックで相手の足を削る内藤

 打倒・那須川に一区切りつけた内藤は次なる目標をONEに設定。今年9月にONEルール採用のパンクラス主催大会『Road to ONE: CENTURY』に出場し、ムエタイルールで国内5冠王・渡辺優太から1R1分22秒KO勝ちを収め、ONEとの契約をつかんだ。

 そして迎えた10月のONE本戦。ムエタイルールでアレクシ・セレピソス(ニュージーランド)と対戦し、序盤から左右カーフキックで相手の足を削りまくり、最後はパンチで仕留めて3RTKO勝ち。堂々の白星デビューとなった。

 その内藤がONE2戦目で対戦するボテーロは、昨年6月に当時ONE初参戦だった小笠原裕典とムエタイルールで拳を交え、前半戦をリードするも2R終了間際に回転エルボーで逆転KO負けを喫している選手だ。

 その後もムエタイルールで試合に出場し、昨年12月にパンパヤック・ジットムアンノン(タイ)に判定負け、今年3月に先述の渡辺に判定勝ち、5月にスーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)に判定負け。敗れはしているが、ムエタイ界のビッグネームとの試合を経験している。

 強豪ぞろいのONE Super Seriesフライ級戦線で存在を示したい内藤にとっては試金石の一戦となるだろう。

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