Bellator×RIZIN対抗戦に出場する6選手。左からゴイチ、クルックシャンク、ジョアニ、渡辺、ラーキン、中村

 2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『Bellator JAPAN』の出場選手インタビューが、27日(金)都内で実施された。

 メインカード第1〜3試合のBellator×RIZIN対抗戦に出場する6選手がコメント。

 第1試合はライト級のゴイチ・ヤマウチ(26=ブラジル)vsダロン・クルックシャンク(34=アメリカ)、第2試合は女子フライ級ワンマッチのイララ・ジョアニ(25=ブラジル)vs渡辺華奈(31)、第3試合はウェルター級のロレンズ・ラーキン(33=アメリカ)vs中村K太郎(35)で、いずれもユニファイドルールの試合で5分3Rとなる。

Main Card
第1試合 Bellator×RIZIN対抗戦
▼ライト級 ユニファイドルール 5分3R

■ゴイチ・ヤマウチ
 愛知県で生まれ、3歳の時にクリチバに移り住んだという日系ブラジル人。2010年のプロデビューから現在までに23勝4敗(1KO・TKO/19SUB)の好戦績をあげており、このうち実に19勝がサブミッションによるものだという、まさに寝技の強豪だ。
 3連勝で臨んだ昨年1月の『Bellator 192』では、元Bellator世界ライト級王者マイケル・チャンドラー(アメリカ)に判定負けしたが、同年11月の『Bellator 210』ではダニエル・ヴァイチャル(ドイツ)に判定勝ちし、再び星を白に戻している。通算戦績は23勝4敗(1KO・TKO/19SUB)。

Q. 現在の心境は?

ゴイチ「良い準備ができたので自信はたっぷりだ。個人的にも自分の家族にとって日本で試合を戦うことは大きな意味がある。とても楽しみにしている」

Q. さいたまスーパーアリーナで戦うことについてどう思いますか?

ゴイチ「自分にとっては憧れの場所。憧れの選手だった桜庭和志や魔裟斗が戦ってきた場所だ」

Q. 試合についてはどのような対策を考えていますか?

ゴイチ「対戦相手についてあまり話すことはない。ただただ、彼を倒す自信があるということ」

Q. 格闘家としての目標は何ですか?

ゴイチ「まずは世界一になりたい。そして色々な記録を破りたいと思う」


■ダロン・クルックシャンク
 テコンドーとレスリングを経て、2009年に総合格闘家としてプロデビュー。2012年から3年半ほどをUFCで過ごし、6勝6敗1ノーコンテスト(3KO・TKO/0SUB)の戦績を残していたが、2016年1月のポール・フェルダー(アメリカ)戦での一本負けを最後に離脱となった。
 そのわずか3カ月後にRIZINに参戦すると、勝っても負けてもほとんどが完全決着という戦いぶりで、ライト級においては欠かせない存在に。RIZIN戦績は5勝4敗(5KO・TKO/0SUB)。修斗世界ライト級王者・松本光史や元UFCのディエゴ・ブランダオン(ブラジル)にKO・TKO勝ちしている。通算戦績は22勝12敗1ノーコンテスト(14KO・TKO/2SUB)。

Q. 対戦相手の印象は?

クルックシャンク「ガードポジションから関節も極めれるし、スタンドでも良い選手だと思う。ただ、全てにおいて自分が勝つ」

Q. RIZIN代表として選ばれたことについてどのように思いますか?

クルックシャンク「RIZIN代表として他団体の選手と戦えるのはとても嬉しいし、光栄なこと」

Q. どのように勝ちたいと思いますか?

クルックシャンク「イメージは自分が立っていて相手がマットに寝ている状態だ」

Q. トップバッターを務めることについてはどのように思いますか?

クルックシャンク「自分は最初の方で戦うことを好んでいる。試合が始まるまでに余計な考えをすることもない。オープニングセレモニーで花火が上がった直後に戦うことを楽しみにしている」

Q. RIZINライト級ワールドグランプリの優勝はどの選手だと思いますか?

クルックシャンク「トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)が勝つと思う。機会があればリマッチしたい(6月の『RIZIN.16』で判定負け)」


Main Card
第2試合 Bellator×RIZIN対抗戦
▼女子フライ級 ユニファイドルール 5分3R

■イララ・ジョアニ
 2013年に総合格闘家としてプロデビュー。最近までブラジルの様々な団体を渡り歩いてきたが、プロ13目となった今年10月の『Bellator 231』でBellatorに初参戦すると、そこでハム・ソヒ(韓国)に判定勝ちしたこともある元UFCのベック・ローリングス(オーストラリア)相手に、2R一本勝ちを収めた。
 その試合では序盤にテイクダウンを取り、グラウンドでローリングスを終始コントロールし、最後に膝十字を極めている。通算戦績は9勝4敗(4KO・TKO/3SUB)。

Q. 現在の心境は?

ジョアニ「万全の準備をしてきたので試合が待ち遠しい」

Q. 対戦相手の印象は?

ジョアニ「とてもタフ。ずっと勝ち続けている。でも私みたいな選手とは一度も戦ったことはないと思うから、私は勝てる自信がある」

Q. それは渡辺選手にとってあなたのファイトスタイルが戦いづらいだろうということですか?

ジョアニ「彼女が今まで戦ってきた対戦相手より私の方が強いということ」

Q. 所属ジムのピットブル・ブラザーズからはどのようなアドバイスがありましたか?

ジョアニ「相手を潰すこと(笑)。今回の試合は細かい調整がメインだった。対戦相手が柔道家なので細かい所をアジャストしながら準備を行ってきた」

Q. Bellatorを代表して戦うことについてはどう思いますか?

ジョアニ「正直、最初に選ばれた時は驚いたけれど、今は大きな責任を感じている。名誉あること。できるだけ良い試合を見せて結果を残したい」


■渡辺華奈
 小中高大学から実業団まで柔道を舞台に戦い、一時は一線を退いてコーチに就くも、選手をあきらめきれず、総合格闘家へと転向。2017年のプロデビューからDEEP JEWELSを主戦場としながら、RIZINにもたびたび参戦し、“マッチョすぎるYAWARAちゃん”として注目されてきた。
 2017年のプロ2戦目でいきなりキャリアで圧倒的に勝る杉山しずかに判定勝ち。昨年大晦日の再戦でも1R11秒KOで杉山を返り討ちとしている。通算戦績は8勝1分(2KO・TKO/3SUB)。

Q. 現在の心境は?

渡辺「試合がいよいよ近づいてきたな、という心境で、すごくワクワクの方が大きい」

Q. 対戦相手の印象は?

渡辺「オールラウンダーで決着率も高く、試合をどんどん動かしていく選手だなと思う」

Q. 対抗戦という所への意識は?

渡辺「メインカードになり、自分の責任も改めて大きいなと感じた。悪いプレッシャーではなく、そうした期待に応えて、RIZIN代表として恥ずかしくない試合をしたいと思う」

Q. ケージとリングでの戦い方の違いについてどう考えていますか?

渡辺「普段から壁際の攻防もよく練習しているので、逆にケージの方がやりやすい。テイクダウンも取りやすい。」

Q. 強化してきたことは?

渡辺「全体的な底上げ。今までやってきたことの精度を高めた。あとはスタンドの打撃も練習した」

Q. 無敗が続くことに対するプレッシャーは?

渡辺「一戦一戦、試合が決まるたびにその試合に勝つための取り組みをしている。その結果がなんとか勝ち越しているというだけであって、無敗に対するこだわりは全くない」


Main Card
第3試合 Bellator×RIZIN対抗戦
▼ウェルター級 ユニファイドルール 5分3R

■ロレンズ・ラーキン
 2009年に総合格闘家としてプロデビューし、Strikeforceを経て2013年からUFCに参戦。UFCではホルヘ・マスヴィダル(アメリカ)に判定勝ちしたり、ニール・マグニー(同)に1RKO勝ちしたり、ウェルター級ランキングにも名を連ねていた。しかしその後、UFCを自ら離脱してBellatorとの契約を選択する。
 新天地初戦となった2017年9月の『Bellator NYC』では、いきなりドゥグラス・リマ(ブラジル)のBellator世界ウェルター級王座に挑戦し、敗れたはものの判定までもつれ込む。この敗戦も含め新天地2連敗というスタートだったが、そこから3連勝と復調。直近は今年10月の『Bellator 229』で、元Bellator世界ウェルター級王者アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)に判定勝ちし、タイトル再挑戦の噂も出始めている。通算戦績は21勝7敗1ノーコンテスト(11KO・TKO/0SUB)。

Q. 現在の心境は?

ラーキン「とても良い感じだよ。日本でチームの皆と楽しんでいる」

Q. 日本で試合を戦うことについてどう思いますか?

ラーキン「小さい頃からPRIDE、DREAM、K-1を見てきた。自分にとってのMSG(マディソン・スクエア・ガーデン)だ。実際のMSGでも戦ったが、その100倍素晴らしいと思う」

Q. 対戦相手の印象は?

ラーキン「経験もあってちょうど熟練してきた選手だ」

Q. Strikeforceで戦っている頃からファイトスタイルの一つに拳法と記載されているのを見かけます。実際にやっていたのですか?

ラーキン「拳法?やったことはないね(笑)。打撃のスタイルについては基本そのままと言うよりは、皆と違うかたちのものを出したいと思っている。自分の味というか、自分らしさを加えたいと常に考えている」

Q. 今回の試合に勝ってドゥグラス・リマにリベンジしたいと思いますか?

ラーキン「自分としては日本で戦うのが初めてというだけでなく、アメリカの外で戦うのが初めてだ。まずは今回の戦いと日本を楽しむことが先だ。次の戦いがタイトルマッチという話しもあるみたいだけれど、まずはこの試合に集中して中村選手にも敬意を示したい」


■中村K太郎
 2003年に総合格闘家としてプロデビューしたベテラン。修斗、CAGE FORCE、戦極、VTJなどに参戦し、2015年7月にはDEEPウェルター級王座を獲得している。そして同年9月から今年4月までUFCに参戦。UFCとの契約これが2度目で、1度目は3戦全敗に終わったが、今回は4勝4敗(0KO・TKO/2SUB)という結果を残した。
 今年10月の『RIZIN.19』で4年ぶりに国内復帰し、マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)に1R75秒TKO勝ち。勝利後にはBellator×RIZIN対抗戦への出場をマイクでアピール。今大会でそれが叶うかたちとなった。通算戦績は35勝10敗2分1ノーコンテスト(8KO・TKO/16SUB)。

Q. 対戦相手の印象は?

中村「すごい選手達を倒してきていて、めちゃくちゃ強い」

Q. 試合についてはどのような対策を考えていますか?

中村「(ラーキン)サブミッションされたことがなくて、そこで簡単に極めれると思っていない。やり合うしかないなと。狙いすぎないようにやろうと思う」

Q. ケージでの試合ですが、その部分でも対策をしてきましたか?

中村「ケージ対策的な所はあまりしていない。自分としてはどちらもあまり変わらないというか、僕はリングの方が戦いやすい。四つに組みたいタイプなので、後ろにスペースが無いと差し合いでもやりづらいので。そこは仕方が無いかなと」

Q. ラーキンは自分のスタイルが日本でウケると言っていましたが、どう思いますか?

中村「フィニッシュ率も多いのでそうだと思うけれど、何でもやるというタイプではなく、寝技で極めるタイプでもないのかなと。打撃が見たいファンにとっては楽しい試合をするのだと思う。解説があったら面白い打撃。こっちを意識させておいて、こっちを当てるみたいなことが巧い選手なので。それがファンに伝わればテクニカルで面白いと思う」