現地時間2020年9月19日(土)・日本時間20日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで『UFC Fight Night 178(UFC Vegas 11)』が開催されました。以下、試合レポート・結果です。
メインイベント
▼ウェルター級 5分5R
○コルビー・コヴィントン(32=アメリカ/同級2位)
TKO 5R 1分19秒
×タイロン・ウッドリー(38=アメリカ/同級5位)
コヴィントンは2018年6月の『UFC 225』で、ハファエル・ドス・アンジョス(35=ブラジル)に判定勝ちし、ウェルター級暫定王座を獲得するが、その後、負傷による長期欠場を余儀なくされ、正規王者だったウッドリーとの王座統一戦に臨めず、暫定王座も剥奪されてしまう。
しかし、昨年8月の『UFC on ESPN 5』で1年2カ月ぶりに復帰すると、元王者のロビー・ローラー(38=アメリカ)相手に判定勝ち。その4カ月後の『UFC 245』でついにタイトルマッチに辿り着き、ウッドリーからベルトを奪った現王者のカマル・ウスマン(33=ナイジェリア)に挑戦したが、結果は5R・TKO負けで王座奪取ならず。連勝も「7」で途絶えた。UFC戦績は10勝2敗(2KO・TKO/2SUB)。今大会で再起を図る。
対するウッドリーは昨年3月の『UFC 235』で、ウスマンに判定負けし、5度目の防衛戦で王座陥落。今年5月の『UFC on ESPN 9』でも、ギルバート・バーンズ(34=ブラジル)に判定負けし、キャリア25戦目で初の2連敗となった。UFC戦績は9勝4敗1分(5KO・TKO/1SUB)。今大会で連敗脱出を目指す。
1R、構えはコヴィントンがサウスポーで、ウッドリーがオーソドックス。コヴィントンがタックルで先制のテイクダウンを決め、しばし組みの攻防。ここはウッドリーがケージを背にして立ち上がり、距離を取ったが、以降もコヴィントンにパンチから組みつかれ、離れ際をエルボーで狙われる。
2R、コヴィントンは単発の右ジャブ、左ストレート、ワンツー、左ミドル、左ハイ、飛び上がっての右の前蹴り、膝蹴りなどを飛ばし、タックルと組みつきの前にも鋭い左ストレートとオーバーハンドを振るってから仕掛ける。ウッドリーは終盤にコヴィントンの右ストレートを被弾するが、それ以外は決定打を喰らっていない。
3R、ウッドリーがアイポークを受けたため、回復を待って試合は再開。コヴィントンが左の前蹴りを多用し、ウッドリーの腹を削りつつ右ジャブと左フックで顔面も狙う。再びコヴィントンがパンチから組みつき、ウッドリーにケージを背負わせる展開に。コヴィントンは体を密着させながら時おりエルボーと膝蹴りを入れるが、膠着状態が続く。
4R、開始直後にコヴィントンの左ミドルが快音を鳴らす。コヴィントンは右フックでウッドリーをケージ際まで下がらせ、すぐさまタックルでテイクダウンする。ウッドリーを押さえ込みながら拳を落とすコヴィントン。ウッドリーの顔が血で染まる。コヴィントンが完全に主導権を握る5分間となった。
5R、コヴィントンはジリジリと間合いを縮めながら右ロー、左の前蹴り、右カーフを当て、これまで通り左オーバーハンドから組みつく。コヴィントンはタックルに切り替え、ウッドリーをテイクダウン。ウッドリーはギロチンを狙いながらマットに背を着けたが、しばらくすると突如、どこか痛めたのか、叫び声を上げ始める。異変を察知したレフェリーはすぐに試合を止めた。
結果はコヴィントンのTKO勝ち。コヴィントンが再起戦を飾った。
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メインカード
▼ミドル級 5分3R
○ハムザト・チマエフ(26=スウェーデン)
KO 1R 17秒
×ジェラルド・マーシャート(32=アメリカ)
チマエフはUFCデビュー2連勝中、キャリア通算戦績が8戦全勝(5KO・TKO/3SUB)という負け知らずのホープだ。UFC白星デビューから中10日で臨んだ今年7月の『UFC on ESPN 14(UFC Fight Island 3)』では、リース・マッキー(24=北アイルランド)に1R・TKO勝ち。今大会でUFCデビュー3連勝を狙う。
対するマーシャートのキャリア通算戦績は31勝13敗(6KO・TKO/23SUB)で、このうちUFC戦績が6勝5敗(1KO・TKO/5SUB)。戦績の通り一本勝ちが多く、サブミッションの強豪として知られる。前回の出場は今年6月の『UFC 250』で、イアン・ハイニッシュ(32=アメリカ)に1R・TKO負けしており、今回は再起戦となる。
1R、オーソドックスのチマエフは積極的に足を前に運び、サウスポーのマーシャートはサークリングしながら距離を保つ。しかし、15秒が経過しようとした時、マーシャートの動きがケージ際で一瞬止まったのを見逃さず、チマエフは右ストレートで一撃。マーシャートは腰からマットに崩れ落ち、ぐったりとなった。
チマエフが衝撃のKO勝ちでUFCデビュー3連勝、プロデビュー9連勝に記録更新。マーシャートは2連敗となった。
セミメインイベント
▼ウェルター級 5分3R
△ドナルド・セラーニ(37=アメリカ)
ドロー 判定1-0 ※29-27、28-28、28-28
△ニコ・プライス(30=アメリカ)
セラーニは現在4連敗中。ライト級でトニー・ファーガソン(36=アメリカ)に2R・TKO負け、ジャスティン・ゲイジー(31=同)に1R・TKO負け、ウェルター級でコナー・マクレガー(32=アイルランド)に1R・TKO負け、アンソニー・ペティス(33=アメリカ)に判定負けしている。UFC戦績は23勝12敗(10KO・TKO/6SUB)。UFCで迎える36試合目を勝利で飾り、連敗脱出なるか。
対するプライスは現在勝ち負けを交互に繰り返している状況。最近の4試合は、ティム・ミーンズ(36=アメリカ)に1R・KO勝ち、ジェフ・ニール(30=同)に2R・TKO負け、ジェイムス・ヴィック(33=同)に1R・KO勝ち、ヴィセンテ・ルーケ(28=同)に3R・TKO負けだった。UFC戦績は6勝4敗1ノーコンテスト(4KO・TKO/2SUB)。勝った試合も負けた試合もいずれもフィニッシュ決着で、判定知らずだ。
1R、プライスがいきなり仕掛け、前蹴りからワンツー、左右フック、首相撲からの膝蹴りと右エルボーで、セラーニを防戦一方にする。セラーニはやや効いたように見える場面もあったが、我慢強くブロックし続け、プライスの猛攻が落ち着いたところで膝蹴りを返す。以降はパンチ中心の攻防が続き、セラーニは2度のアイポークを受けてしまう不運も。
2R、プライスは右カーフキックをしつこく蹴り、仕掛ける時には拳を捻じ込むようにパンチを伸ばしていく。プライスのパンチのリズムと軌道は読みづらいか、セラーニはたびたび連打を被弾する場面も。プライスの左ミドルもセラーニの悩みの種に。
3R、プライスはワンツーと左右フックに右カーフ、左インロー、右の前蹴りを混ぜて巧く攻めていたが、中盤にセラーニのタックルに捕まり、背中を許してしまう。だが、プライスは落ち着いて腰を上げ、セラーニを前方に落として脱出。セラーニは組みからの離れ際に左ハイ。終了間際に両者が足を止めて殴り合う場面もあった。
プライスのペースで試合は進んでいたかに見えたが、結果は判定1-0のドローに。なぜか嬉しそうに絶叫するプライスに対し、セラーニは険しい表情でケージを後にした。
メインカード
▼ライトヘビー級 5分3R
○ジョニー・ウォーカー(28=ブラジル/同級11位)
KO 1R 2分43秒
×ライアン・スパン(29=アメリカ/同級12位)
ウォーカーはUFCデビュー3連勝からの2連敗中。対するスパンはUFCデビュー4連勝中だ。
1R、スパンのタックルを受け、ウォーカーはケージ際で尻餅。ウォーカーはケージを背にして立ち上がるが、依然としてスパンに押し込まれる。ようやく解放された直後、ウォーカーは右の前蹴りを繰り出すが、スパンに左フックを合わされダウン。ウォーカーはスクランブルに持ち込んで立ち上がる。
すると直後にウォーカーの右ストレートとスパンの左フックが相打ちに。ダウンしたのはと再びウォーカーの方だ。しかし、ここでタックルを選択したスパンは、ケージを背にしたウォーカーの肘と鉄槌を浴びまくる状態となり、戦局は一変。スパンが頭を下にしたまま動かなくなったところで、レフェリーストップとなった。
ウォーカーが逆転KO勝ちで連敗脱出。スパンはUFC初黒星となった。
メインカード
▼女子ストロー級 5分3R
○マッケンジー・ダーン(27=アメリカ/15位)
一本 1R 3分44秒 ※腕十字
×ランダ・マルコス(35=イラク)
ダーンはブラジリアン柔術黒帯級世界王者など、柔術・グラップリングで数々の輝かしい実績を残し、総合格闘技へ転向。前回の出場は今年5月の『UFC on ESPN 9』で、ハンナ・シファーズ(28=アメリカ)に1R・一本勝ち、キャリア初黒星からの再起戦を飾っている。キャリア通算戦績は8勝1敗(5KO・TKO/3SUB)で、このうちUFC戦績は3勝1敗(0KO・TKO/2SUB)だ。
対するマルコスのキャリア通算戦績は10勝8敗1分(4KO・TKO/6SUB)で、UFC戦績は6勝7敗1分(1SUB)と負け越し。前回の出場は今年3月の『UFC Fight Night 170 』で、アマンダ・リバス(27=ブラジル)に判定負けしている。
1R、ダーンが右の蹴りを空振りして転倒。マルコスはすぐにトップキープに入るが、ダーンに下から両足を絡められ、腕十字と三角絞めを狙われる。ダーンはオモプラッタからマルコスを転がし、マウントに移行して腕十字をセット。ダーンはマルコスの顔面と腹に鉄槌も落として、捕らえた腕に捻りも加えてさらに反らせる。マルコスは成す術無くタップした。
ダーンが一本勝ちで2連勝をマーク。マルコスは2連敗となった。
メインカード
▼ミドル級 5分3R
○ケビン・ホランド(アメリカ)
判定2-1 ※28-29、29-28、29-28
×ダレン・スチュワート(イングランド)
プレリム
▼フライ級 5分3R
×ジョーダン・エスピノーサ(アメリカ)
判定0-3 ※27-30、27-30、27-30
○ダビッド・ドボジャーク(チェコ)
プレリム
▼フェザー級 5分3R
ミアサド・ベクティック(ボスニア)2
一本 3R 1分21秒 ※ギロチンチョーク
○デイモン・ジャクソン(アメリカ)
プレリム
▼女子フライ級 5分3R
○マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)
一本 1R 2分29秒 ※腕十字
×マーラ・ロメロ・ボレラ(イタリア)
プレリム
▼女子バンタム級 5分3R
○ジェシカ・ローズ・クラーク(オーストラリア)
TKO 3R 4分21秒
×セーラ・アルパー(アメリカ)
プレリム
▼フェザー級 5分3R
○ダリック・ミナー(アメリカ)
一本 1R 52秒 ※ギロチンチョーク
×T.J.ララミー(カナダ)
プレリム
▼バンタム級 5分3R
×ジャーニー・ニューソン(アメリカ)
KO 1R 41秒
○ランディ・コスタ(アメリカ)
プレリム
▼バンタム級 5分3R
○アンドレ・イーウェル(アメリカ)
判定2-1 ※28-29、29-28、29-28
×アーウィン・リヴェラ(アメリカ)
プレリム
▼バンタム級 5分3R
○タイソン・ナム(アメリカ)
TKO 2R 34秒
×ジェローム・リヴェラ(アメリカ)