自らの腰に黒帯を巻いたコスタ(右)は、ポケットから無造作に取り出した白帯をアデサニヤ(左)に向かって放った Photos(C)Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images

 現地時間2020年9月26日(土)・日本時間27日(日)にアラブ首長国連邦アブダビで開催される『UFC 253』の前日計量が行われた。

 メインイベントのミドル級タイトルマッチで、2度目の防衛を目指す王者イズラエル・アデサニヤ(31=ナイジェリア)は、挑戦者パウロ・コスタ(29ブラジル/同級2位)と共に規定体重をクリア。計量後の写真撮影では両者が臨戦態勢となった。

 コスタは上着をめくって自らの腰に巻いた黒帯を見せつけた後、ポケットから無造作に白帯を取り出し、それをアデサニヤに向かって放り投げる。これをキャッチしてすぐさま投げ返すアデサニヤ。両者が詰め寄ろうとしたところで、デイナ・ホワイト代表とセキュリティスタッフが制止に入った。

 その後も何か言葉を交わす両者だが、徐々にエキサイト。コスタは再びアデサニヤに詰めようとし、セキュリティスタッフの制止を受けていた。

 無敗対決としても注目される今回のタイトルマッチ。王者アデサニヤのキャリア通算戦績は19戦全勝(14KO・TKO/0SUB)で、このうちUFC戦績が8戦全勝(3KO・TKO/0SUB)なのに対し、挑戦者コスタのキャリア通算戦績は13戦全勝(11KO・TKO/1SUB)で、このうちUFC戦績が5戦全勝(4KO・TKO/0SUB)となる。

 王座と共に無敗記録も懸かる試合。アデサニヤが2度目の防衛を果たすか、コスタがチャンピオンベルトを奪うか。後は試合開始を待つのみとなった。

ライトヘビー級王座決定戦を前に火花を散らすレイエス(左)とブラホビッチ(右)

 セミメインイベントのライトヘビー級王座決定戦では、ジョン・ジョーンズ(33=アメリカ)が返上したベルトを懸け、ドミニク・レイエス(30=アメリカ/同級1位)とヤン・ブラホビッチ(37=ポーランド/同級3位)が対戦する。

 計量は両者とも問題無く規定体重をパス。闘志みなぎるフェイスオフの後には、しっかりと挨拶代わりのグータッチも交わした。

 レイエスは2戦連続のタイトルマッチだ。前回は今年2月の『UFC 247』で、ジョーンズ相手に健闘するも判定0-3で敗れ、王座奪取ならず。キャリア13目で初黒星も喫することとなった。

 キャリア通算戦績は12勝1敗(7KO・TKO/2SUB)で、このうちUFC戦績が6勝1敗(3KO・TKO/1SUB)。中7カ月で再び巡ってきたチャンスを掴むことはできるか。

 対するブラホビッチはこれがキャリア35戦目、UFC15戦目にして初めて経験するUFCタイトルマッチだ。キャリア通算戦績は26勝8敗(7KO・TKO/9SUB)で、このうちUFC戦績が9勝5敗(3KO・TKO/2SUB)。母国ポーランドでKSWライトヘビー級王者として活躍後、UFC入りを果たしている。

 UFC参戦当初こそ負けが込んだが、その後は連勝続き。ここ8試合の戦いぶりを見ると、黒星は昨年2月の『UFC Fight Night 145』で、チアゴ・サントス(36=ブラジル)に喫した3R・TKO負けのみだ。その後、ジャカレ・ソウザ(40=ブラジル)らを相手に3連勝を飾り、今回の大一番に臨む。

 初戴冠を果たすのはレイエスか、ブラホビッチか。

 なお、この日の計量では、ズバイラ・ツフゴフ(29=ロシア)とルドビト・クライン(25=スロヴァキア)の2選手が規定体重を超過し、新たな契約体重で試合に臨むことになった。

 ツフゴフはメインカードでハキーム・ダオドゥ(26=カナダ)と、クラインはプレリムでシェーン・ヤング(27=ニュージーランド)と対戦予定で、いずれの試合もリミット145ポンド(65.77kg)のフェザー級から150ポンド(68.04kg)契約に変更して実施される。

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<計量結果>
※ワンマッチは1ポンド(450g)まで超過が認められる。

メインイベント
▼ミドル級タイトルマッチ 5分5R
イズラエル・アデサニヤ(ナイジェリア/王者)
→184ポンド/83.46kg
vs
パウロ・コスタ(ブラジル/挑戦者)
→185ポンド/83.91kg

※リミット185ポンド(83.91kg)。

セミメインイベント
▼ライトヘビー級王座決定戦 5分5R
ドミニク・レイエス(アメリカ)
→205ポンド/92.99kg
vs
ヤン・ブラホビッチ(ポーランド)
→205ポンド/92.99kg

※リミット205ポンド(92.99kg)。

メインカード
▼フライ級 5分3R
カイ・カラ・フランス(ニュージーランド)
→126ポンド/57.15kg
vs
ブランドン・ロイバル(アメリカ)
→126ポンド/57.15kg

※リミット125ポンド(56.7kg)。

メインカード
▼女子バンタム級 5分3R
ケトレン・ヴィエラ(ブラジル)
→136ポンド/61.69kg
vs
シジャラ・ユーバンクス(アメリカ)
→136ポンド/61.69kg

※リミット135ポンド(61.24kg)。

メインカード
▼フェザー級 5分3R
ハキーム・ダオドゥ(カナダ)
→145ポンド/65.77kg
vs
ズバイラ・ツフゴフ(ロシア)
→150ポンド/68.04kg ※体重超過

※リミット145ポンド(65.77kg)。

プレリム
▼ライト級 5分3R
ブラッド・リデル(ニュージーランド)
→156ポンド/70.76kg
vs
アレックス・ダ・シウバ(ブラジル)
→156ポンド/70.76kg

※リミット155ポンド(70.31kg)。

プレリム
▼ウェルター級 5分3R
ディエゴ・サンチェス(アメリカ)
→170ポンド/77.11kg
vs
ジェイク・マシューズ(オーストラリア)
→170ポンド/77.11kg

※リミット170ポンド(77.11kg)。

プレリム
▼フェザー級 5分3R
シェーン・ヤング(ニュージーランド)
→146ポンド/66.22kg
vs
ルドビト・クライン(スロヴァキア)
→150ポンド/68.04kg ※体重超過

※リミット145ポンド(65.77kg)。

プレリム
▼ライトヘビー級 5分3R
ウィリアム・ナイト(アメリカ)
→205ポンド/92.99kg
vs
アレクサ・カムール(アメリカ)
→206ポンド/93.44kg

※リミット205ポンド(92.99kg)。

アーリープレリム
▼ヘビー級 5分3R
フアン・エスピーノ(スペイン)
→255ポンド/115.67kg
vs
ジェフ・ヒューズ(アメリカ)
→258ポンド/117.03kg

※リミット265ポンド(120.2kg)。

アーリープレリム
▼ライトヘビー級 5分3R
カディ・イブラギモフ(ロシア)
→206ポンド/93.44kg
vs
ダニーロ・マルケス(ブラジス)
→206ポンド/93.44kg

※リミット205ポンド(92.99kg)。